「最後に何を食べて永遠の旅に出たいですか?」
昨日みんなのごはんで公開された「グルメブロガー 最後の晩餐」企画に参加したことは、これまで真剣に考えることのなかった“最後の晩餐”について思案するいいキッカケとなりました。
前述の記事では「一条流がんこラーメン総本家の悪魔ラーメン」をセレクトしてみたワケですが、これまでの振り返りを兼ねまして、今回は己【おれ】で紹介した飲食店の中から“最後の晩餐”にふさわしそうな食べ物とやらを独断と偏見でピックアップしてみました、ってそれはそれで縁起でもないですね*1
0.目次&関連記事
「どうせ生きるしかないなら、長く楽しい人生でありたい―」
そんな人生観にちなんだこともありムダに長い内容ですが、そこは人生と一緒、休み休みマイペースでご覧あそばせ下さい。
- 定食・食堂
- 新橋「牛かつ おか田」
- 西麻布「三河屋」
- 渋谷「魚力」
- 駒沢公園「かっぱ」
- 山谷「きぬ川」
- 新宿「アカシア」
- 新橋「むさしや」
- 丼もの
- 入谷「割烹 さいとう」
- 新橋「豚大学」
- 秋葉原「サンボ」
- 石神井公園「豊島屋」
- そば・うどん・麺類
- 池袋「かるかや」
- 西新橋「そば処 港屋」
- パン・サンドイッチ・ベーグル
- 浅草「珈琲アロマ」
- 根津「ボンジュールモジョモジョ」
- お好み焼き・たこ焼き(その他)
- 下北沢「大阪屋」
- 居酒屋
- 赤羽「まるます家」
- 根津「すみれ」
- ラーメン
- 西荻窪「はつね」
- 方南町「中華蕎麦 蘭鋳」
- 東十条「燦燦斗」
- 湯島「ラーメン大至」
- 雑司が谷「中華そば ターキー」
- 渋谷「中華麺店 喜楽」
- 目黒「田丸」
- 早稲田「メルシー」
- 豪徳寺「中華そば 満来」
- 神田「栄屋ミルクホール」
- 有楽町「麺屋ひょっとこ」
- 王子「中華そば屋 伊藤」
- 千駄木「神名備」
- 三田「ラーメン二郎 三田本店」
- 菓子全般
- 浅草「初音茶屋」
- 向島「あんみつの深緑堂」
- 雑司が谷(鬼子母神内)「上川口屋」
- 結論
1.定食・食堂
新橋「牛かつ おか田」
“最後の晩餐”まとめなのに1発目が昼のみ営業のお店で何ですが、昼だ夜だ関係なく、新鮮な牛肉と確かな調理技術、これら2つが組み合わさった瞬間に生まれる奇跡の断面を拝んでから旅立ちたいもの。
新橋屈指の人気を誇る大行列店ですが、回転はかなり早い方だと思うので、まずは臆せず並んでみて下さい。13時過ぎだと行列も緩和。
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西麻布「三河屋」
どんなに美味くてももてなす側がアレだととことんマズく感じるものですが、こちらのお店は接客よし、料理よし、ボリュームよしといいこと尽くし。
「おか田」同様ランチ営業のみですが、ミックス定食を腹いっぱい平らげて夜メシ抜きであの世に旅立っても何ら問題なさそうな気がしなくもありません。
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渋谷「魚力」
食の欧米化は進む一方ですが、それでも日本人なら温かいご飯に味噌汁と魚、そういったものを最後の食事にしたいと考える方は根強くいらっしゃると思いますし、魚屋直営の定食屋なら旬の魚介類がとことん楽しめるってもんですよね。
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駒沢公園「かっぱ」
ここまでストイックに牛煮込み定食にこだわるお店、他にあるでしょうか?あまりにストイックすぎて着席とほぼ同時に煮込みが提供され、お店との基本的な会話はライスの量をどうするかとお会計時のやりとりくらい。
「あの世での判決待ちもこんな感じかも?」なある種の緊張感に包まれた中での晩餐ですが、その分目の前の煮込みに全力投球できる仕様とも言えます。
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山谷「きぬ川」
「ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった」でおなじみの店。
実際「孤独のグルメ」に出会うまで豚肉がダブることなんてこれっぽっちも気にしない恥の多い生涯を送って来ましたが、“最後の晩餐”くらいは食材のダブり、トリプりをとことん気にする、腹が減って死にそうと商店街で焦ってみるのもアリかもしれません。
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新宿「アカシア」
人生で最後の食事なのに、いざ料理に手をつけると噛み切れない、そもそも切れないなんて自体に直面するとつい切れて取り乱してしまうかもしれません。
ただ、“最後の晩餐”くらいは落ち着いて食事を楽しみたいもの。「アカシア」のロールキャベツはスプーンで簡単にカットできてしまうほどに柔らかくてステキ、ついつい息を吹き返したくなります。
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新橋「むさしや」
ジ・オーソドックス、でもボリュームはノンオーソドックス。
細かいことは抜きに幼少時代から慣れ親しんだであろう懐かしい味わいにとことんまみれる、そんな“最後の晩餐”だっていいじゃまいか。
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2.丼もの
入谷「割烹 さいとう」
常時約20種類もの魚介類が鎮座する規格外の海鮮丼。
写真のような丼ぶりスタイルでいただくのもありですが、別盛り(刺身定食風)でおかわり無料のライスをガツガツガッツンしてから昇天したいもの。
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新橋「豚大学」
照り焼き豚バラ肉の段差が天国への階段を彷彿とさせます。これほどまでにてっぺんの青菜が頼りなく感じる丼ぶり、そうはないでしょう。
お茶漬けで〆れば1回の食事で1kg以上のブツを腹に収められますので、それこそ三途の川を渡り切るまで何も飲まず食わずで平気かもしれません。
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秋葉原「サンボ」
気軽に食べられる丼ものに牛丼を挙げる方は多いと思いますが、いわゆるつゆだくだとかのオプション不可、ましてや必要以上の私語・携帯禁止のストイックな空間でかっ込む、それもまたひとり飯の醍醐味。どうせ死んだら1人ですしね。
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石神井公園「豊島屋」
ある方は「誰にも邪魔されず自由で―」と言うけれど、都内でそういった場所を探すのも一苦労に思えたら石神井公園の休憩所「豊島屋」へ。
居眠り禁止は玉に瑕ですが、“最後の晩餐”以降は好きなだけ眠れるので安心、ここは潔くルールに従いましょう。
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3.そば・うどん・麺類
池袋「かるかや」
天国に1番近い讃岐うどん、かは知りませんが、池袋西武屋上、青天井をバックにズビビンズビビン啜り上げる楽しさ、懐かしさ。四国じゃなくても成就する心の八十八箇所巡り, if you want it.
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4.パン・サンドイッチ・ベーグル
浅草「珈琲アロマ」
人生の先輩が数多く集う昭和の純喫茶。ブレンドコーヒーに焼き目が香ばしいサクサクのトースト、暑い夏ならアイスコーヒーや生果実のジュースと合わせるのも良好。マスターの人柄と機転の利いた接客、ハズレなワケがありません。
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根津「ボンジュールモジョモジョ」
例えば刑事などの張り込み必須な職業に就いているとして、そんな張り込みに欠かすことのできない食料といえば、きっと取調室のカツ丼と同じくらいもてはやされるであろうパン類。そんなパンってどんなパン?と考えた時に真っ先に思い浮かんだのがこちらのお店。
ジブリ作品に出てきそうな根津の路地裏にひっそりと佇む店構え、手作りならではの滋味溢れる素朴な仕上がり。おとなも、こどもも、おねーさんも是非。
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5.お好み焼き・たこ焼き(その他)
下北沢「大阪屋」
特製ソースとマヨネーズの大海原の上で自由闊達に舞い踊る天女ならぬ削り節。
「大阪屋」という店名なのに「ウチのたこ焼きは大阪では味わえないよ」とさらりカミングアウトする店主と奥様による飾り気のない接客、人気店だからいつでもできたてホヤホヤなのがいいでつね。
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6.居酒屋
赤羽「まるます家」
人間いつ死ぬかなんて分からないもの。それなら悔いが残らないようたまにはいくらかの罪悪感を覚えつつも昼酒ならぬ朝酒な日があってもいいじゃまいか。
豊富なつまみとライスを前につまみがおかずとして立ち上がってくることを実感しつつ天にだって上がって行きたいものです。
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根津「すみれ」
食べたいものをたらふく食べられるのは理想っちゃ理想ですが、できればメニューにこだわることなく今その瞬間に食べたいと思うものをオーダーしてみたい。「すみれ」にはそのリクエストに応えるだけの度量の大きさが伺えます。
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7.ラーメン
西荻窪「はつね」
今も昔もこれからも、おれにとってここを超えるラーメン屋に出会うことはまずないんじゃないか、ふとそう感じさせてくれる「はつね」。
いつ食べても美味いけれど、特にガタガタ震えそうなくらい寒い冬にいただくタンメンは本当にたまりませんし、もし冬以外の季節に死ぬと宣告されても“最後の晩餐”のためなら冬までだって生きてやるんだから!
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方南町「中華蕎麦 蘭鋳」
限られたメニュー、早い時は営業開始1~2時間後には完売告知されるなど、ヘタに手を広げすぎず、自分達のできる範囲でムリせずがんばるといった姿勢が伝わってきますし、こういった店ほど息が長いんだろうなぁ。
創業5年目にして早くも感じさせる老舗の風格、これからが楽しみなので“最後の晩餐”としていただくのはまだまだ先であって欲しいところ。
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東十条「燦燦斗」
先の「おか田」同様、驚愕の断面をしたチャーシュー、こだわりの自家製麺と濃厚豚骨魚介スープが売りな東十条の人気ラーメン店。
営業時間が2時間半なのは“最後の晩餐”として迎え入れるにはハードル高しと言えますが、死神と駆け引きしてでも寿命を調整したいところであります。
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湯島「ラーメン大至」
厳選食材を用いた高級志向のラーメンもそりゃ美味いですが、“最後の晩餐”にラーメンを選択するならどこか郷愁を覚える1杯をチョイスしたい。
何の変哲もない醤油ラーメンに映りますが、普通の最高峰を目指し続けるだけに細部までしっかり味わうと決して凡庸じゃないことがハッキリと分かります。
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雑司が谷「中華そば ターキー」
「大至」は21世紀に誕生した志の高いラーメン専門店ですが、来年で創業40年となる雑司が谷の老舗「ターキー」のしみじみ食えばしみじみありがたさすら覚える東京醤油ラーメンも実に捨てがたい。
すぐ近くに数々の文豪や著名人が眠る雑司が谷霊園もあるから“最後の晩餐”にもピッタリ…って、ホント縁起でもないですね。
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渋谷「中華麺店 喜楽」
渋谷を代表する老舗ラーメン店ですが、ルーツは日本ではなく台湾。
たっぷりのモヤシ、てっぺんにハードボイルドな煮玉子と焦がしネギがポイントの醤油スープに平打ち麺…と、書いているだけでヨダレだらだら。
ラブホなどが軒を連ねる歓楽街にお店を構えるだけに、カップルらしきお客さんを見ては「彼らは別の意味で昇天したのかな」なんて下衆の勘繰り、ゲスパー(※ゲスな1杯)な食事を決めたこともありますが、“最後の晩餐”の際には全力で懺悔、一心不乱に平らげることをここに誓います。
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目黒「田丸」
訪れる度にメニューの様変わりを確認しつつも頼むのはただの醤油ラーメン(か洋風皿で提供されるチャーシューメン)。
全国各地を食べ歩いたラーメン評論家の大崎裕史氏が1番足を運んだお店だそうで、中毒性とはまた違った、ふとしたタイミングで口にしたくなる普遍的な何かがあるんです、ええ。
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早稲田「メルシー」
今でもラーメン1杯がワンコイン以下の価格とお手頃で、早稲田合格がお手頃じゃないのは皮肉ともとれますが、ご飯時を過ぎた時間帯にでもふらり訪れアレコレ楽しんだ後に天国・地獄の合否確認を迎えたいところ。
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豪徳寺「中華そば 満来」
1杯ワンコイン以下となればこちらのお店も忘れちゃいけません。今年4月の増税以降は300円に値上げしましたが、それでも安い、都内断トツレベルの安さ。
最も陽が高い時間帯に訪問すると、厨房の窓から差し込む後光のようなありがたいSHINEを浴びれます。
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神田「栄屋ミルクホール」
ラーメンとカレーは定番の組み合わせですが、当時の空気を色濃く残した店内でいただくとまた違った風に受け止められるから面白いもの。
多くの命を奪った大戦終結の1945年創業というのも、考えるだけで味わい深い。
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有楽町「麺屋ひょっとこ」
まるで天に昇る龍が如くスルスルと麺を持ち上げたら一気にチュルルンチュルルンズビドゥバシュバッ。きっと“最後の晩餐”でたらふく飲み食いした後の〆にだってもってこいのアッサリ醤油ラーメンです。
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王子「中華そば屋 伊藤」
数十年前ならまず受け入れられなかったであろう、ど濃厚煮干し醤油ラーメンの代表格。麺とスープにとことんかける材料費、だから基本となるラーメンのトッピングはわずかな刻みネギのみ。しばしばパッツンパッツンと形容される固茹での自家製麺をズビビンズビビン、ちょっともうたまりません。
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千駄木「神名備」
ラーメンの味や好みは千差万別、だからバリエーション豊富な現在とも言えますが、おもてなしに限っては心地よくあって欲しいし、別に器用じゃなくてもいいから気持ちのこもったサービスを受けたいもの。それなら「神名備」で決まり。
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三田「ラーメン二郎 三田本店」
あの世でゴハンにありつけるかなんて分からないし、それなら生きている間に「もう2度といらん!」と吐き捨てるまでたらふく食いだめしておけば平気です。どうせ“最後の晩餐”なんだからダイエットだ人と会うことを気にする必要もないので、アブラだニンニクをマシマシにしたっていいのよ、そういいの。
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8.菓子全般
浅草「初音茶屋」
空前のかき氷ブームの甲斐あって年がら年中氷菓と向き合うことに苦労しない東京ですが、「初音茶屋」のかき氷は特に暑い夏の日にいただきたい。
手作りへのこだわりとおかみさんの粋な気遣いも相まって、誰が作っても同じハズのかき氷にもたらす別格の存在感、含んだ瞬間消えてなくなる淡い雪のような口どけ、ただただ噛み締めたい。(噛み締められないけど)
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向島「あんみつの深緑堂」
今年3月末のオープン間もない頃から静かに話題となったあんみつ専門店。
こういうお店がどんどん増えてくれれば悔いは残りそうだけど安心して旅立てますという意味も込めてのピックアップ。
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雑司が谷(鬼子母神内)「上川口屋」
最後の食事=滅多に食べられない高級料理って選択肢も捨てがたいですが、あえてそこを物心つくかつかないかの頃から慣れ親しんできた駄菓子にしてみる、それも自分達が生まれるずっとずっと前から提供し続けてきた日本最古の駄菓子屋さんで口にしてみる。きっと捨てたもんじゃないハズ。
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9.結論:生きねば。故に“最後の晩餐”が何かなんて決められないし決めたくもありません
本末転倒、企画倒れも甚だしい結論でごめんなさい。でも事実なんです。
今回取り上げたお店以外にも世の中にはまだまだたくさんの“最後の晩餐”にふさわしい逸品があるでしょうし、それらを可能な限り堪能するまでは死にたくない、死ねそうにありません、這いつくばってでも喰らい尽くしてやる。
…そんな鼻息多めの悪あがきを続ける限り、結局おれにとって“最後の晩餐”は死んだ後じゃないと分からないでしょうし、単純にどこにでもあるありふれた何かかもしれません。ただ、それが何なのかは運命の日まで持ち越そうと思います。
「さぁ、明日は何を食べようかな―」