【2017/03/02追記】新しい記事、書きました!
2014年、味ありまくりな旧店舗の全面リニューアルを敢行。すっかりキレイな新店舗でおいしいおでんをいただけるようになりました!
※以下、2012/10/28公開分の内容となります。
都会の中心で、おでんと叫ぶ。
以前からお店自体は知っていたものの、なかなか入る機会に恵まれなかった麻布十番にある老舗おでん専門店「福島屋」なんですが、最近ようやくイートインに成功、でこれがまた想像以上にいい感じだったので、都会の中心でおでんと叫ぶばりにご紹介したいと思います。
創業大正10年(1921年)、90年以上の歴史を誇るおでん屋さん
建て直してはいるんでしょうが、かなり年季の入った建物。
それでも老舗のおごりなんて微塵も感じられないナイスなPOP広告。
さり気ない禁煙マークや閉店のくだりが何だか微笑ましい。
店頭で美味しそうに煮込まれている数々のおでん種。
煮る前・煮た後と、お客さんのニーズに応じたテイクアウトが可能なんですが、せっかく目の前で食べて食べてと懇願しているキミたちを見過ごすとは、なんというか据え膳食わぬは男の恥、店内でいただくこととしましょう。
2名がけテーブル席2つ、4名がけテーブル席1つのこじんまりとした店内
向かいのスタバとはまた違った視点で行き交う人々を眺められます。
最大8名しか座れないということもあり、特に土日祝日だと店内での飲食が難しいかもしれませんが、しれないだけに座れたあなたはラッキーそのもの。
テキパキと気持ちのよい接客は女性店員によるもので、かつて当ブログで紹介した「石神井公園内の休憩所・豊島屋」、「朝9時から飲めるオヤジだらけの居酒屋・まるます家」、「しっぽの先まであんこがギッチギチなたいやきを味わえるたつみや」「口の中で消える絶品かき氷が売りの初音茶屋」あたりを彷彿とさせます。
ドリンクメニュー。麻布十番地ビール、しかも赤・白あるのが気になります。
紅白とはなんだかめでたいですね。
で、この手書きメニューが物語っているように、接客も変にかしこまった感じじゃなく、直感なんだけど、ああ麻布十番も昔は下町だったんだよなと思い起こさせます。
裏面は単品メニュー。70円から200円くらいとおサイフにも優しい。
左下にあるごはんの単語を目にして、「ここに並んだ大量のおでんがすべておかずとして立ち上がってくる」、そんな孤独のグルメ的小ネタを挟むこともできちゃいますが、くれぐれも心の中だけに留めておきましょう。
右端のさつまあげの「いっぱいあって書けません」がカワイイですね。
店の奥は工場になってて種類豊富&出来立てのさつま揚げが堪能できちゃいます。
まず頼んだのがこちら
大根、ちくわぶ、たまご、じゃがいも、小松菜、紫蘇さつま揚げにトマト。
大根とちくわぶの仕上がり具合、こういうのでいいんだよ、こういうので。
都会の中心で、おでんと叫ぶ。(2回目)
レギュラーメニューがしっかりとした味わいだから、小松菜のシャキシャキ感、紫蘇の持つサッパリさが重くならない後味を演出してくれます。
つゆも関東風で濃いかと思いきや、あっさり上品なのも嬉しいですね。
別皿で提供されたまるごとトマト。
おつゆをズズズ、トマトを入れてるだけなのに不思議とミネストローネのような、洋風テイストなのだから面白い。
がぜん箸も進むよ進むってことで二皿目
エリンギ、もち巾着、むし昆布、フランクフルト、ちくわぶ、れんこん揚げ。
手前に堂々と鎮座するエリンギがなんともまあご立派で。
男として嫉妬を覚えるぐらいこんなにぶっといの、果たして噛み切れるかと思いきや、これがまた柔らかいんですよ。単に柔らかいのではなく、まるでこんにゃくばりの歯応えや弾力は残しつつも、味はしっかりエリンギしてるんだから大したもんです。
最近では色んな具が混ぜ込んだタイプが主流っぽいもち巾着も、この店ではシンプルにもちと巾着で、ダシの繊細さを崩すことなく食べ進められるし、ポリポリムニュと不思議食感のれんこん揚げやむし昆布のくったくた感もいい意味で箸休めになります。
サッと食って別の店でドスンとなにか食おう
商店街といえど、麻布十番には面白い飲食店が数多い。
定食をはじめ、ビールに焼酎、日本酒を取り扱っているものの、個人的に「福島屋」は空いた小腹を埋めつつのひと休みが最適かと思います。
これからますます寒くなってくることですし、店内から覗く街並みに目をやりながら温かいおでんと酒を堪能して一人物思いに耽るもよし、相手との会話を楽しむもよし、気軽に小粋な麻布十番を堪能しちゃいましょう。