1度に太麺&細麺と両方楽しめる「神田 勝本」の合盛りつけ麺。
例えば、食べている最中に特製の薬味を入れると味が変わり、1回で2つの味が楽しめるラーメンはもはや定番のスタイルと言っても過言ではありませんが、それなら1回で2つの麺が楽しめる場合はどうか。
1杯の丼に太麺と細麺が半々に盛られ、食べ手の好みによって太麺を先に、細麺を先に、ええいままよと太麺と細麺をミックスにしていただく、そんなつけ麺の場合はどうか?
神保町駅徒歩4分。2016年2月オープンのつけ麺専門店「神田 勝本」のつけそばをご紹介。
地下鉄神保町駅徒歩4分。関西のホテルで料理長を歴任したベテランが、ラーメンで勝負したいと上京の末に開業したという「神田 勝本」
まっすぐ南東に進むと、恐らく東日本で1、2位を争う讃岐うどんの有名店「丸香」があり、同じ通り沿いに「神田 勝本」も店を構えます。
つけそばの白暖簾が無いとラーメン屋とは分からない外観。
水道橋駅近くにある2015年3月オープンのラーメン専門店「勝本」の2号店に当たり、こちらは澄んだ醤油味のつけ麺とラーメンで勝負。
和食店を彷彿とさせる木が基調の清潔で明るい店内。ゆるやかなL字型カウンター13席。
病院の待合室あたりで流れていそうなBGM、厨房との仕切りは高め。カウンター席のみとはいえ比較的落ち着いた食事が楽しめます。
キレイに整頓されたカスターセット。着席時に水とおしぼりを提供。
卓上調味料も一式揃っているんですが、胡椒がミル挽きブラックペッパーだったり京都祇園「原了郭(はらりょうかく)」の黒七味が置かれていたりと、薬味にも気を配っているご様子。
冷水ポットとボックスティッシュも完備。
さらに「紙エプロンお使いになりますか?」の声掛けもバッチリで、調理スタッフは和帽子に白衣な服装と洗練されている感じ。
基本メニューはつけそばとそば。「神田 勝本」のメニュー一覧
入口左手の券売機で食券を購入。(PCはクリックで拡大、スマートフォンはピンチアウトで拡大)
おすすめは今回紹介する上段の清湯つけそばで、+100円ごとに味玉清湯つけそば、特製清湯つけそば(味玉チャーシューつけ麺)にパワーアップ。
つけそばの場合は太麺・細麺の2種盛り合わせだから並盛りは140g×2=280g、大盛りは各70g増しの210g×2=420g。
10,000円札はもちろん、2,000円札にも対応した券売機だから両替待ちのストレス無く食券を買い求められるのは良いですね。
醤油でも正油でもなく、清湯と書いてしょうゆと読ませるこだわり。
中華料理では清湯(ちんたん)と読み、清湯とは澄んだスープのことを意味しますが、「勝本」の場合は清湯をしょうゆと称することで澄んだ醤油味のスープという2つの意味を含むダブルミーニング仕様。
2種盛り合わせ麺といい、1回で2度おいしい的なセンスをこういう部分でも発揮。
新潟県魚沼産コシヒカリのご飯がおかわり無料って太っ腹。当然おかわりしたらリアルで太っ腹。
混雑していないタイミングであれば、豚ほぐしやチャーシュー、メンマあたりで1杯やっつけてから麺類で〆たいところ。
太さと食感が異なる2種盛り合わせ麺が面白い「神田 勝本」の味玉清湯つけそば&人気サイドメニューのチャーシューご飯
到着した瞬間、つい「ひゃー」ってつぶやいちゃった。
一般的なつけ麺のイメージだと、丼には極太麺がわしゃーって盛られておりますが、「勝本」の場合は平打ち太麺と細麺が美しく同居。
太さが異なる麺の合盛り。言葉にすると簡単ですが、それを実現するためにはそれぞれの麺の最適な茹で加減をきちんと把握しないといけませんし、こうやって実現しつつ日々多くのお客さんを捌くとなると大変なのは素人目から見ても明らか。
合盛りだなんて言葉で片付けないで、つけ麺界の二世帯住宅とでも言ってしまってもよろしいんじゃないでしょうか。
上質な煮干しをベースにサバ節、カツオ節を加えて取った、芳醇な鶏の香り漂う和風醤油つけダレ。いわゆる淡麗系と呼ばれる仕上がり。
こんな風に太麺を。
もしくはこんな風に細麺を。
さらにはこんな風にミックスでと、2パターンならぬ3パターン楽しめます。
麺は老舗製麺所「浅草開化楼」の特製麺だそうで、茹で麺機に時間差で投入することで太麺&細麺の同時提供を実現。
細麺ジャヴジャヴ。
博多ラーメン系の替玉によくあるネトッとした小麦の風味が強く感じられる細麺と、みずみずしい食感で喉越しも良好な平打ち太麺とで食べ比べる楽しみがあります。
個人的な好みは太麺で、最初にズズズと太麺を勢い良く啜りまくった後に細麺を替玉風に平らげても良いだろうし、もちろん逆に細麺からの太麺を決めてみたり、細⇔太、太⇔細、あるいはミックスで攻めたりと十人十色的な食べ進め方ができるのって面白おいしいっすね。
ホロッとタイプの豚チャーシューも好み。
リピーターが必ず注文するというチャーシューご飯。
推定200gくらいありそうなライスの上に、注文ごとにバーナーで炙った豚バラ肉のチャーシュー、最高級の長ネギとも言われる江戸野菜の千寿ネギがワサッと乗り、ワサビがちょこん、彩り豊かなお新香が小皿でサーブ。
炙りチャーシューと千寿ネギの組み合わせって、お客さんの大半が注文する「東十条・マリオン」の名物にぎりを思い出しますが、説明不要、抜群の相性ってヤツですよね。
ご飯の量が多めだから、カットした味玉をオンして卵かけないご飯として召し上がるのもアリですね。
もちろんこうやってつけ汁に入れて醤油の酸味をまろやかにしてズヴィヴィン啜り上げるのもグッド。
麺を完食した後は、お店推奨のスープ割りも忘れずに。三つ葉と柚子を添えてくれるそれはちょっとしたお吸い物感覚、上品かつサッパリとした後味で結ぶことができますよ。
過熱する新店ラッシュ、大手外食企業の参入がより活発化しそうな2017年のラーメン事情
接客やら味作りやら外観にしろ内装にしろ何にしろ、細部に至るまで練りに練ったという印象で、そんじょそこらの個人店にしては出来過ぎている……あくまで直感ですが「銀座・篝」みたいな背後に資本系を感じさせる店作りではありますが、日本のラーメンは世界のラーメン。今後もこの手のお店がじわじわと増え続けるんでしょうねぇ。
店舗情報
店名 | つけそば 神田勝本 |
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住所 | 東京都千代田区猿楽町1-2-4(地図) |
電話番号 | 03-5281-6801 |
営業時間 | 11:00~17:00(売切れ次第終了) |
定休日 | 日曜日 |
最寄駅 | 神保町駅、御茶ノ水駅、新御茶ノ水駅 |