アッツアツの生地をパカッとする瞬間がたまらなく好き。
麻布十番商店街で豆と言えば、1865年(慶應元年)創業と150年以上の歴史を誇る「豆源」がつとに有名ですが、通りを挟んで真向かいにある「月島家(つきしまや)」もまた、原料に北海道産小豆を使用する小倉あん今川焼きで名高い和菓子屋さんなのです。
1951年(昭和26年)創業。親子3代で切り盛りする麻布十番商店街の老舗和菓子屋「月島家」
麻布十番で70年近くも営業。名物の今川焼きを買い求めるお客さんが老若男女問わず訪れます。
昔は色んなところで見かけた今川焼屋さん。だからこそこうやって出来上がるまでの工程を都心でまじまじと眺められるのってそれだけで貴重な気がします。
明治時代は庶民のおやつとして大流行し、森永製菓創業者の森永太一郎が「焼芋屋と今川焼がある限り銀座での西洋菓子の進出は困難」と言うほど、盛んに売られていた。
今川焼き - Wikipedia
そもそも明治時代だと西洋菓子の進出が困難と謳われるほどの盛況っぷりだったそうですが、現在の銀座に鑑みると、まあ時代は変わり行くものって印象、ですかね。
小倉あん・カスタードクリーム・チーズの3種類展開でお値段1個140円。6個入り・12個入りの場合は化粧箱代として+80円(もしくは+160円)かかるので920円・1,840円。
今川焼き以外にも赤飯やらおにぎりやら何やらも買えます。
中でも人気なのが1個220円の出世いなり。この時は売切れで買えずじまいだったのですが、「見通しが明るい」という縁起担ぎから甘酢に漬け込んだ穴開きレンコン、甘辛く煮たシイタケを具として混ぜ込んだ物で、シャキシャキの食感もプラスされて大変食べやすい稲荷寿司だそうです。
化粧箱に入れてもらわない場合、1個や2個ならそのまま、あとはこんな風に紙製の手提げ袋に入れてもらったりとかもできます。
どんと。
生地に黒糖を使用した麻布十番「月島家」の今川焼き(チーズ・カスタードクリーム・小倉あん)
表面に月にチーズの焼印のチーズ。
月にクリームのカスタードクリーム。
月に小倉、もしくはアンコかと思いきや、めでたい寿の小倉あん。
立て続けに3連発のどアップ写真を展開すると、変化球の握り方講座に見えなくもありませんが、チーズ・カスタードクリーム・小倉あんの各味わいはまごうことなきストレートそのもの。
おやつというより主食に近い印象のチーズ。
温めると一層甘みが増すように思えるカスタードクリーム。
北海道産小豆使用の小倉あん。
ちなみに小倉あんとはこしあんに大納言(大粒小豆)を蜜煮にした物を混ぜ合わせて作られるそうで、原料となる京都市右京区の小倉山で取れた小豆が品質的にも優れていたことからそう呼ばれるようになったとのこと。
そんなこだわりのアンコを黒糖入りの生地で包んでいただきますと。(写真がチーズなのはご愛嬌)
黒糖とアンコの組み合わせってまさにあんみつだとかの和菓子で鉄板の組み合わせだし、定番のチーズやカスタードクリームも黒糖のほんのりとした甘さと合わさることで旨味の相乗効果も期待できますね。
ゼロから焼き上げるのに10分以上時間を要するため、それなりの個数をすぐに購入したい場合は事前に電話予約しておくと良いでしょう。
場所柄、国内外からの観光客に留まらず、恐らく近くに住んでいると思われる外国人も多く行き交い、すぐそばにたいやき元祖の「浪花家総本店」もあるし、他にもつい目を奪われるお土産屋さんも多数存在するシャレオツ商店街ですが、ここ「月島家」の良い意味でざっかけない接客含めたスタンスこそ、小倉あんの今川焼き以上に寿なんじゃないかと思う次第です。
店舗情報
店名 | 月島家(つきしまや) |
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住所 | 東京都港区麻布十番2-3-1(地図) |
電話番号 | 03-3452-0991 |
営業時間 | 10:30~20:00 |
定休日 | 火曜日 |
最寄駅 | 麻布十番駅 |