- 2016/09/02:更新
- 2014/07/23:初公開
どこから手をつけても5枚ぜーんぶ独り占め!「蓬莱」の焼豚ラーメン600円。
ラーメンにとってチャーシューが切っても切れない関係なのは先日お届けした記事でも触れておりますが、1杯600円のラーメンにチャーシュー5枚、それも今年4月の増税後もお値段据え置きともなれば、もはやそれは賞賛に値するレベルなんじゃないでしょうか。
そんなワケで鳥取県ネタ第6弾となる今回は、山陰地方を代表する境漁港や「ゲゲゲの鬼太郎」はじめ妖怪漫画の第一人者・水木しげる氏ゆかりの地でもおなじみ、鳥取県境港市で昭和の雰囲気を色濃く残すラーメン専門店「蓬莱」を紹介いたします。
0.目次&関連記事
1.境港の名所「水木しげるロード」を通り過ぎるの巻
ほのぼのとした雰囲気のJR境港駅周辺
相性は鬼太郎駅とのことで、米子鬼太郎空港ともどもゲゲゲと鬼太郎推し。
駅前には妖怪漫画の大家・水木しげる氏の銅像を設置。
コマ割りだとか左腕の件とか何とも再現度が高いものだなーと。
すぐ後ろには米子-境港間を走る境線が停車。まるごと猫娘仕様。
駅ロータリーを抜けたすぐの場所から始まる水木しげるロード。
1993年7月18日オープンと今年で21年目で、随所に153体もの妖怪ブロンズ像が鎮座しているとのこと。
センサーがあるのか、通り過ぎると流れるシュールな音楽。
ズンズン歩を進めて商店街に突入。
ここには2003年開館の水木しげる記念館があ…って、おんや?
偶然ゲゲゲと居合わせた鬼太郎さんをパシャリ。
写真撮ってしばらくの間は「チノパンは職務怠慢じゃなかろーか」って思い込んでたんですが、よくよく見返してみるとチノパンじゃなくて皮膚だったんですね、大変失礼しました。
水木しげるロードを抜けると一気に増すローカル感
境港市自体が人生初めての場所なのに、でも初めてじゃない懐かしい雰囲気。
地元民からすれば何てことのない日常なんだろうけど不思議とゾクゾク、旅先に来たのだと実感した瞬間であります。
境港駅からだと徒歩10分以上かかりますが、初訪だとすべてが楽しい的な。
途中で道を曲がってゆるやかなカーブを抜けますと……
2.長屋風の造りをした「蓬莱」前に到着の巻
なんというか、いい、すっごくいい、思わずゾクゾク
昭和30年(1955年)頃にはすでに営業していて、創業半世紀以上。
通りを挟んだ向かいに駐車場、歩きたくない場合は積極的に活用しましょう。
カーブの先にポツンな佇まいがステキ。
3.店内も負けず劣らず噛み締めたくなるご当地感満載
4名掛けテーブル席中心、カウンター4席分加えると計20席ほど
奥に広がる漫画の多い本棚、テレビがBGM、分煙という概念お構いなしの全面喫煙可、一昔前は当たり前だった光景。
境港を代表する老舗なだけに、きっとご飯時や週末は混雑するんだろうな。
シンプルな調味料、胡椒がよく消費されているのは「素ラーメン」にも共通。
置かれた灰皿すぐそばの絵はきっと妖怪に違いなく、
現在はご主人、奥様、息子さんの3名体制での切り盛り。
麺揚げを息子さん、ご飯ものはご主人、接客・配膳を奥様メインといった様子。
でも途中で野菜も切ったりしていたし、明確な役割分担を設けていなさそうなのはある意味家族経営ならではといったところ。
お献立表の“お”が平仮名なのがまたいいし、注目すべきは右下。
どうやら平成20年に書かれたらしいのですが、単純にメニュー変更はおろか6年間も価格そのままって結構な経営努力と言えましょう。
4.境港「蓬莱」メニュー一覧
商品名 | 価格 |
---|---|
ラーメン | 400円 |
焼豚ラーメン | 600円 |
モヤシラーメン | 600円 |
チャンポン | 600円 |
スタミナラーメン | 600円 |
焼めし | 600円 |
カツ丼 | 700円 |
ライス | 200円 |
チャーハンセット(ラーメン+半チャーハン) | 700円 |
中華丼セット(ラーメン+半中華丼) | 700円 |
大盛り | 100円増 |
小盛り | 50円引(ライス) |
夏は女を大胆にさせるように、でも女じゃないから実際のところは知るかボケなんですが、せっかく境港まで足を運んだんだし大胆に行ってみますかと、焼豚ラーメンの半チャーハンセットにしてみました。
600円+300円で900円とおれの中では大胆&開放的。
5.境港「蓬莱」の焼豚ラーメンハーフセット900円
チャーシュー5枚のラーメンが破格の600円
来た瞬間なぜだか「おほぉ」とかって声上げそうになりました。
「素ラーメン」同様、鳥取ご当地ラーメンの1つに数えられる牛骨ラーメン。
トッピングはチャーシュー、メンマ、刻みネギにもやしと王道スタイル。
放射状に配置される5枚のチャーシュー、ちょっと頼もしい。
+200円で焼豚ラーメンにしてよかったと思いましたが、400円のラーメンでも2枚入りなので、注文時どうするかはお腹と相談して決めましょう。
赤いレンゲを透過するほどに澄んだ、でも意外とオイリーな牛骨醤油スープ。
ズビビビと口に含めば鶏ガラや豚骨とはまた違った牛脂独特の舌にねっとりと絡みつく味わいで、醤油ダレが甘めなのも作用しすこぶる胡椒が相性合いそう。
気持ち固めに茹でられた中太縮れ麺をズビビンズビビン。
スープの旨みもバッチリ持ち上げてくれますし、固茹でだからゆっくり召し上がることもできますし、最安400円に対して食べ応えも充分と嬉しいこと尽くし。
素朴ながらも夢中でかっ込みたくなるチャーハン
どん。
嬉しいといえば醤油っ気の強いチャーハンも嬉しかった。
どどん。
フルサイズだと焼めし(600円)、ハーフサイズだとチャーハン(300円)と表記ブレしているのは聞き間違い防止目的とかなんでしょうけど、シンプルな具と鉄鍋でガンガンに炒めることで生み出される香ばしさ、全体的に捗る食事。
どん!…ってピンボケた。
牛骨でダシをとるならチャーシューだって牛肉がいいと思いつつ、
でもこの豚バラ肉のチャーシューならではの素朴さがこの1杯には合っているのかなーと食べ進めて完食です。
6.境港には、このラーメンとお店があります
すぐそばに境漁港。風が気持ちよかったです。
帰り際に「すぐそばの観光地と比べて何もないでしょ?」とおっしゃる店主に「このラーメンとお店があります」的な返しをしたら微笑んでくれましたが、でもホント、何の変哲もないように見えてちょっと普通じゃない方が面白いしヘタなテーマパークよりもよっぽど楽しめると思うんですよね。
おれの心は晴々しい!(※でも境港の空は曇ってました)
チャンポンや中華丼、カツの上にダシ入りのフワッフワな玉子が乗るカツ丼も気になりますが、再訪するのは大分先でしょうし、その時はまた普通に牛骨醤油ラーメンを口にしている気がします。その時までどうか末永く。