己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

【孤独のグルメ】「鳥取県鳥取市役所食堂」のスラーメンとカレーを食べに東京から飛行機乗って行ってきた

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あの味を確かめにはるばる行ってきましたよっと!

いよいよ本日7月9日23時58分よりスタートのドラマ版孤独のグルメもまさかのSeason4突入と実にめでたいワケですが、このめでたいという気持ちをどう表現したらいいかちょっと考えてみましたところ、「そうだ、(京都じゃなく)鳥取行こう」という結論に至りまして。

2年前の週刊SPA!2012年5月15日号に掲載された「【特別編】鳥取県鳥取市役所食堂のスラーメン」に登場した名物メニューを味わいに、東京からわざわざ飛行機使って役所メシを堪能して参りました。

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あまりに素っ気なさすぎて観光目的ではまず訪れない場所ですし、

「めでたいのはドラマじゃない、オマエの頭だ」なんてありがたいツッコミを数多くいただけそうな予感がしてなりませんが、2014年7月現在孤独のグルメ史上最西端の聖地にして作画担当・谷口ジロー氏の生まれ故郷となる鳥取県初上陸レビュー、最後までどうぞお楽しみ下さい。

1.東京から(飛行機で)75分!はるばる来たぜ鳥取!

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機内で「電波少年の企画っぽいよな」って発想が幾度となく頭をよぎりました。

LCC(格安航空会社)を使えば東京⇔鳥取間をお手頃価格で行き来できるワケですが、そうすると米子鬼太郎空港で乗り降りしなければならず、舞台となる鳥取市役所食堂まで片道2時間以上かかるロスが生じてしまうため、今回は羽田空港⇔鳥取空港間の航路を選択。これにより空港⇔市役所間が車やバスで20分くらいと大幅に短縮できました。

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朝9時頃には無事鳥取市役所前にたどり着いたワケですが、

食堂が営業開始する10時半まで結構時間に余裕があったので、せっかくだから市内をプラプラふらつくことに。

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敬愛高校になんとなく敬礼!

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「鳥取県にはスタバはないけど日本一のスナバがある」発言で話題となった県知事がおわす鳥取県庁前。

残念ながら今回は鳥取県にとって招かれざる客としての訪問だったため県庁をみじめに華麗にスルーしてやりましたが、動画を拝見する限り何ともユニークな県知事さんですね。いつかお会いしてキャッキャウフフしたいものです。

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鳥取城跡。写真からも松の大木が実に見事とお分かりいただけるでしょうが、

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人がまるでゴミのようだ天球丸跡から望む景色が素晴らしきかな。

あれだけ大きく見えた県庁舎が小さく見えますもんね。
いやはやそれなりに時間かけて登った甲斐があったってもんですよと、食事前にいい運動ができたと満足気に帰ろうとしたところ、すぐ近くの久松山(きゅうしょうざん)なる鳥取市を象徴する山に365日毎日登られている地元のおじいさんに声をかけられ、鳥取砂丘も一望できる絶景を見れるよとついて行ったら、

2.正衛門、久松山で遭難しかける

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ガチ登山に突入!

日頃そこまで運動不足じゃないとの自覚はあったものの、普段持たないような重い荷物と使わない部分の筋肉を酷使したせいか、自分でもびっくりするくらいの肩呼吸でしたし、4合目で見事までのピンぼけを実現。

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翔陽戦のミッチーばりにハアハアしてた。

あまりに立ち止まってはひと休みを繰り返し、見事なまでにスローペースでおじいさんには悪いからと先に行かせて自分はすれ違う登山客に度々心配されつつ無制限のチャージドタイムアウト状態。リアルひーこらひーこらばひんばひん。

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倍以上年上のおばあちゃんからいただいた木の枝を突き立てハアハアハア。

おじいさんの「30分くらいで登れるよ」って意見を鵜呑みに山に踏み入ったワケですが、あくまで登り慣れている場合の30分であること、おれがまるでゴミのようだと自覚するに至ってからは相当足早でしたよ、5合目あたりで断腸の思いで引き返しました。自称・戦略的撤退!

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5合目からの風景。山頂はさぞ素晴らしかったに違いありませんとちと後悔。

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準備運動もせずあの山の頂上まで行こうとしてたって無謀もいいとこか。

ホントフラッフラでの下山でして、マニアックな例えを持ち出すと「1994年4月4日広島グリーンアリーナでの橋本真也 vs 藤波辰爾IWGPヘビー級選手権試合」後半の藤波ばりのフラつき加減でね…って、そっ閉じダメ。ゼッタイ。

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途中“ジャージ姿の女子校生”なるご当地アイテム?で多少興奮回復しつつ、

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それでも気を抜いたらこの銅像みたいなポージングじゃないと崩れ落ちちゃうかもしれないカラダを引きずりつつ、

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再び舞い戻って参りましたよ鳥取市役所に。

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あまりに安堵しすぎて市役所撮りまくり。

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県外民でここまで市役所を撮影するヤツはいないんじゃないかってぐらい撮る!

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鳥取市役所前のカットも忘れずに撮影と。

3.一方、主人公・井之頭五郎(以下ゴローちゃん)はというと

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馬の背から見る日本海にうほおっ感激しつつも、

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空腹を抑え切れずに鳥取砂丘でも「(メシを)入れたい」と平常運転。

相変わらずのマイペースっぷりをお披露目しちゃうワケでして、この後案内人の紹介でウワサの「鳥取市役所食堂」に向かうのでした。
ゴローちゃんは食事前に砂丘で一汗、おれは久松山で遭難と勝ち組・負け組の線引きがハッキリしたワケですが、到着早々挫折を経験したからこそ後の鳥取旅行がスムーズに済んだんじゃないかと述懐します。

鳥取砂丘で迷子になった時に救ってくれたのは、初めて挫折した際に芽生えた「このまんまじゃ死ぬ、生きねば」って感情なのでした。

4.前置きが実に長くなりすぎましたが、舞台となる鳥取市役所食堂前より再びお送りいたします

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掲示板の“鳥取市”を目にした時、本当に来たんだなーと妙に感動。

これまでの道のりで親切に話しかけていただいた方が多数いらっしゃいまして、

鳥取県民「どこから来たの?」
おれ「東京です」
鳥取県民「それはまあはるばると。で、どちらに行かれるの?」
おれ「ええ、ちょっと市役所の方に(スラーメンと鳥取カレーを食べに)」
鳥取県民「はっ?…ああ、引っ越しか何かですか?」
おれ「…ええまあそんな感じですね(※とてもじゃないけど市役所食堂のメシを食いに来たなんて言えない空気)」
… … …

…で、何かを察されて大体会話が終了するパターンでしたね。

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まあ普通に考えて観光客が役所でメシ食うこと自体がアレならぬレアですしね。

ここらへんは満面の笑みで「鳥取砂丘や浦富海岸など、鳥取の大自然や岩牡蠣なんかの海の幸を思う存分味わいに来ました!」とでも声高に主張しておけばハナシも多分に弾んだかもしれません。

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で、食堂までの最短ルートは市役所を入りまっすぐ進み、

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エレベーターホール手前の階段で2階に移動し、

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すぐ左に折れるカタチで到着します。入口ロビーからほんと数分の距離。

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こじんまりとした感じの食堂にご到着。

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ゴローちゃんも「ここかな」と一瞬不安になったように、

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5名掛けテーブルが手前2卓、奥に6名掛けが2卓の計22席と少なめ。

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いわゆる役所や病院なんかの“ザ・食堂”といった雰囲気で、

食べログにも専用ページがあるものの「まさに職員や市民が気軽に利用するための、何の変哲もない食堂なんだ」と再認識しました。

5.役所の中の食堂だから平日昼のみ営業&破格メニューの数々

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営業時間は5時間半と比較的短めではありますが、

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その分250円のスラーメンを筆頭に、1番高い鳥取カレーでも500円とお手頃。

実に感心したのが2年前のSPA!掲載時とスラーメンや鳥取カレーの値段が据え置きだったことで、たまごが20円ってどんだけサービス価格なんだよと。

なお、下から2段目1番右の「冷やしラーメン(250円)」は夏季限定の冷やしスラーメンで、冷たいスープにラー油が垂らされたのをいただく市役所食堂オリジナルメニューだそうで、冷麺こそあるものの安易に冷やし中華に頼らない姿勢に、スラーメンに対する自信とやらを垣間見た気がします。茹でた麺やスープを冷やす工程が加わるのに通常のスラーメンと同価格なのも嬉しいところ。

うどんつゆに中華麺を入れたシンプル極まりない1杯だから券売機で買った食券を渡して数分後に受け取りました。

6.セルフサービスで胡椒と天かすをバンバン振りかけて食べる「鳥取県鳥取市役所食堂」のスラーメン250円

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谷口氏地元のご当地メニューだからか、いつも以上に再現度高めな気が。

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鳥取市民からすれば何てことのないラーメンなんでしょうが、

交通費だ宿泊費だを考慮すると今まで食べたラーメンの中でも最高値クラスにランクインなワケですよ。

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ベースが素うどんだからチャーシューだとかは乗っておらず、

カマボコ、青ネギ、もやしがデフォルトトッピング。

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市役所に向かう車中でスラーメンに関する説明にあるとおり、

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受け取り時にカウンターで天かすと胡椒をプラスしていただきます。

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役所の食堂だから昼食時は混雑することと、

天かすと胡椒は調味料として各テーブルに置かれていないため、提供時を逃すと素うどんを召し上がるハメになるのでちょっとした注意が必要です。

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とりあえず半分に天かすと胡椒をバンバン振りかけ。

スラーメン自体1度も食べたことがなかったので自分の中で基準というものが分からず、かかっているのとかかっていないのとのツートンにすることが無難じゃないかと判断しました。

まずは見るからにアッサリとした色薄めのスープをズズズズズ……甘めのスッキリとした、でも出汁がしっかりと感じられるつゆで、調べてみたところ化学調味料の類いは一切使用していないとのこと。
この手の食堂ではちょっとした暗黙の了解とも言うべき食品添加物を用いず、それでいて安値をキープって、ちょっと頼もしさすら覚えるレベルです。

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中太縮れ麺をズビビンズビビン。

何も加えていないうどんゾーンだとムフフと笑みのこぼれる感じだけど、天かすの油分と胡椒のスパイシーさが加わったゾーンだと、おお、これは意外とアリかもと思える不思議。

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うんうん、おれも何の問題もないなズズウ。

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ふやけて大変分かりづらいですが、食堂で揚げた際に出た天かすっぽく、

既成品と異なり大きさが不揃い、しっかり目に見える大きさの具材パラパラの構成で何だかスゴイぞ鳥取市役所食堂。

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天かすだ青ネギだもやしだを絡めてズビビンズビビン。

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鳥取県での人生初食事、キレイに完食でございます!

元々麺類が非常に好きだし、己【おれ】でもラーメン記事を数多く書いてきた身ではありますが、鳥取県で初めて口にした食べ物が市役所食堂のスラーメン。

きっと県民の皆さんにしてみれば「もっと美味いもん食えば良かったのに」って感じなんでしょうけど、この市民の方々が普段口にする、本当の意味での郷土料理だからステキなんだと思いましたし、実際ステキに映るからこそ同食堂で1番の人気メニューとして君臨しているのかもしれません。

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ゴローちゃんが評するようにおやつ感覚に近いボリュームだったから、

7.従来のルーに各種名産物(のエキス)を加えた「鳥取県鳥取市役所食堂」の鳥取カレー500円を追加オーダー

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福神漬けの位置こそ異なるものの、まさに忠実と言うべき再現描画。

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で、改めまして鳥取カレーなんですが、

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梨、ラッキョウ、蟹のエキスが加わったものだそうで、

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牛肉や野菜類がキーマ状に仕上げられているのが特徴でしょうか。

食堂のおばちゃんに確認したところ、カツカレーやカレーライスには入らない鳥取県の名産物が加えられているそうで、普通のカレーメニューは“いわゆるカレー”って感じの仕上がりだそうです。

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試しにルーだけをパクパク。

これがこの具とハッキリ分かりませんでしたが、何となくラッキョウらしき後味が効いており辛さよりも甘さが際立つ、印象的にはふーんといった感じ。

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わりと厳しめな判定を下すゴローちゃん。

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ついにはさびしんぼと、ある意味孤独のグルメの境地に達する始末。

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スラーメンの倍値ということもあり、正直うーんな印象は否めませんし、

市内在住ならカツカレーやカレーうどん、あとカレーラーメンをチョイスしていることでしょうが、鳥取に初めて来たぞって記念イベントの副産物としてとらえるなら案外しっくり来るかもしれません。

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卓上調味料で変化をつければ違った顔を覗かせたのかなって思いますが、

ご覧のように鳥取米であますことなく絡め取るようにバクバクし、

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鳥取カレーもきちんと完食でっす!

本来ならモザイク処理すべき食べ終わり写真ではありますが、先日お届けした記事「【孤独のグルメ】根津の老舗居酒屋「すみれ」の特辛カレーライス&鶏の煮込みとハンバーグサンド - 己【おれ】」に対してid:symbioticwormさんよりいただいた下記高尚なコメントをふと思い出し、あえてノンモザイクな1枚を披露してやりましたよ!おれちゃんと学習したった!

【孤独のグルメ】根津の老舗居酒屋「すみれ」の特辛カレーライス&鶏の煮込みとハンバーグサンド - 己【おれ】

“(汚いのでモザイク処理済み)”モザイク処理した方がアレに見えるのは気のせいか。しかしどの料理も美味しそうだ。

2013/12/29 20:45

気のせいじゃないよ!考えなくてもアレに見えるよ!この度は貴重なご指摘いただき本当にありがとうございました!

8.人生初の鳥取グルメレポ、お楽しみいただけましたでしょうか?

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全裸の後ろ姿を見た時、唐突に思い浮かんだ一言は「やらないか」でした。

当方ノンケなのでくれぐれも本気にしていただきたくないのですが、ゴローちゃんが身を賭して?「お水が1番!」とアピールしたように、

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鳥取にいる間1番飲んだのはジュースでも酒でもなく天然水でした。

「いろはす」が販売地域によって採水地が異なることは雑学として知っていたのですが、「奥大山の天然水」は鳥取に来て初めてその存在を認知しました。
関東地方では「南アルプスの天然水」でおなじみの飲料水も、鳥取の皆さんからしたら何ぞそれ?って感じなんでしょうね。

ネットでも手軽に買える、便利な世の中になったものです。

“その土地ならではの物”とはいえ、あえて市役所の食堂メニューにスポットを当てるあたりが大変シュールで独特、孤独のグルメらしいとも受け取れますが、この特別編がなければ鳥取県に足を運ぶのは多分もっと未来になっていたんじゃないかなーと。

ただ、実際に鳥取では想像以上に楽しい時間を満喫できたので、小ネタ含む鳥取関連の記事を今後いくつか己【おれ】で公開するつもりですし、鳥取舞台の回が登場したら「放送してから行けば良かったー」と少なからず落胆しそうな気はしますが、今夜スタートのSeason4、楽しみに視聴したいと思います。

9.施設情報

店名 鳥取市役所食堂
住所 鳥取県鳥取市尚徳町116 鳥取市役所2F(地図
電話番号 0857-20-3395
営業時間 10:30~16:00
定休日 土曜日・日曜日・祝日
最寄駅 鳥取駅
リンク 鳥取市公式ウェブサイト

10.出典(作品情報)