注文を受けてから手際よく餡を皮に包み込むワンタンが自慢の1杯。
四ツ谷でワンタン麺と言えば「こうや」や「一条流がんこラーメン総本家」の餡がギッチギチに詰まったボリューミーな1杯を(おれは)チョイスしちゃいがちですが、1977年(昭和52年)創業の「まるいち」の場合は、素朴ながらもチュルルンテュルルン流し込みたくなるラーメンなのであります。
四谷三丁目駅徒歩3分、新宿通りから杉大門通りに入ってすぐの「まるいち」
一瞬飲み屋と勘違いしてしまいそうな静かな佇まい。
この店の存在を初めて知ったのは1990年代後半に出版された某週刊誌のラーメン特集で、夫婦で切り盛りする昔ながらのラーメンが四谷三丁目で食べられる、そんな喜びが原動力となり雑誌発売間もないタイミングで足を運びました。
確か当時の特集ページでもランチタイムは茶飯とお新香が+50円でセットになることが記載されており、あの頃と今もこうして値段が変わってないことに何となく嬉しい気持ちになります。
ラーメンにも餃子にも合わせやすい定番調味料。
朴訥なご主人と愛想の良い接客がナイスな奥様。二人三脚の好例。
「まるいち」に来たからには作り置き一切なしのワンタンを食べない手はないということで、ワンタン麺と茶飯&お新香付きの定食をオーダーすることに。
「まるいち」のワンタン麺定食(茶飯&お新香付き)
なのにお新香を入れて撮り忘れるミスを犯しちゃった。
豚骨のみで仕上げたとされる潔いスープは、タレの酸味で特徴的な味わいに。
若干厚めに切られたチャーシュー、ワンタン、メンマ、海苔、ほうれん草にネギ、何だか見ただけでほっこりしちゃいます。
突出した何かよりも全体のバランスを重んじる雰囲気は日本料理出身というのもあるんでしょうかって、ラーメン二郎の総帥も元々は和食出身者なだけに一概には言えませんが、まあそんな感じです。(どんな感じだ)
中細麺をチュルルン、ああ、飲んだ後に食いてえとしみじみ思いました。
瑞々しい食感が売りのワンタンは箸だと滑り落ちるのでレンゲでいただきます。
まさに雲を呑むと書いて雲呑(ワンタン)と読むように、麺のチュルルンテュルルンとはまた違う、テュポンと吸い込んで噛みしめれば気持ちスパイシーな味付けがゴクンと飲み込むことを容易にサポートしてくれます。
これまた優しい仕上がりの茶飯。
さっぱりラーメンの口直しにはこのくらい薄味なのがちょうどいいのかもしれませんが、先日お届けした「有楽町の麺屋ひょっとこ」で実践したみたいに手作り丼にしてがっつきたい気はしたものの、
漬け物をポリポリしたら不思議と落ち着いちゃってそのまま完食という流れに。
これまで昼のみの訪問だったけど、そのうち夜にでも訪れて大盛りワンタン(750円)をビール(550円)で洗い流して〆にワンタン麺を頼むとかアホなことがしてみたくなるくらいワンタンがナイスですね。
近くにはかつて東京有数の花街として栄えた荒木町があるだけに、杉大門通り付近も実に興味深いお店がわらわら軒を連ねているので、じっくり探索する際の腹ごしらえに立ち寄ってみるのも面白いかもしれませんね。
店舗情報
店名 | まるいち |
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住所 | 東京都新宿区四谷3-6(地図) |
電話番号 | 03-3351-6836 |
営業時間 | 11:30~15:00、18:30~22:30 |
定休日 | 日曜日 |
最寄駅 | 四谷三丁目駅 |