あの有名ラーメン店創業者が2006年に立ち上げた西荻窪「支那そば いしはら」のミックスワンタンメン。
「支那そば いしはら」は、数多くの名店を世に輩出した「たんたん亭」創業者・石原敏氏が自身の名を冠して立ち上げたカウンター7席のみの小さなお店。
【参考1】池尻大橋「八雲」の白だし特製ワンタン麺。
「たんたん亭」の存在を知らなくとも、ラーメンではなく支那そば、肉以外にも海老のワンタンも提供し、チャーシューの縁が赤い。目黒「かづ屋」やラーメン大賞も受賞した池尻大橋の人気店「八雲」もそこの出身とまで書けば、「おお、あの店かー」ってピンと来る方も増えるかもしれません。
【参考2】1989年刊行書籍より。この時点で「たんたん亭」は創業13年目に突入。
2006年の創業だとラーメン業界では中堅に相当するけれど、「たんたん亭」創業が1977年(昭和52年)と今年で40周年という歴史に鑑みればそのキャリアはもはや老舗クラス。そんな西荻窪のラーメン専門店をご紹介。
JR西荻窪駅北口徒歩2分。日本料理店も経営した石原氏が振る舞う小粋な店構えの「支那そば いしはら」
支那そばの看板が無ければラーメン屋さんとは分かりません。
飲み歩いたら楽しそうな通り沿いにある「支那そば いしはら」。
うん、飲み歩かなくても楽しそうな料理やお酒が揃ってそうな気配。(PCはクリック、スマートフォンはピンチアウトで各メニュー写真を拡大できます)
券売機は無く、入店&着席をしたらメニューを見て注文し、出された料理を食べ終えたら会計するスタイル。
定番の卓上調味料(醤油・酢・ラー油・胡椒)も勢揃い。
定番といえば、かつてはどの店でも当たり前のように行っていた平ザルでの湯切りも健在。時間差で麺よりも先に投入したワンタンも同じ釜で茹で上げます。
麺の固め・柔らかめ、大盛・並盛・少なめといったお客さんの細かいオーダーに対応するためテボと呼ばれる底の深いザルを使用するラーメン店が主流の昨今ですが、個人的にはこの平ザルで泳がすように茹でてすくい上げた麺の方がなめらかで美味しい気がするんですよね。単純に鮮やかな職人技って印象がそう思わせるのかもしれませんが。
動物系・魚介系、それぞれの旨みがバランス良く積み重ねられた西荻窪「支那そば いしはら」のミックスワンタンメン
肉と海老各2個ずつ、計4個入りのミックスワンタンメン。
餡がタップリと詰まったワンタンは、四ツ谷の老舗「こうや」と並びジャンボワンタンの先駆けとも言うべき名作。
まさに雲を呑むようにチュルルンと吸い込める、これぞワンタン(雲呑)と呼ぶにふさわしい皮を楽しむタイプも好きですが、この手のまん丸太ったタイプのワンタンも大好物。
ほんのりショウガを効かせて肉々しくもサッパリいただける肉ワンタンに、プリップリな食感が絶妙の海老ワンタン。どちらの魅力も1回の食事で楽しめるミックスワンタンメンが「たんたん亭」系では至高のメニューと言えますね。
ワンタン以外の基本トッピングは、チャーシュー・メンマ・刻みネギ・焼き海苔とシンプル。
動物系と魚介系が絶妙の塩梅で折り重なった和風スープ。
豚骨・鶏ガラ・煮干し・カツオ節といった、いわゆる昔ながらのラーメンスープで使われている食材だけに留まらず、昆布・サバ節・椎茸・スルメなども採用されているからか、単に支那そばと呼称するだけではもったいないと思えるハイレベルな仕上がり。
和風ダシ全開のスープと添い遂げる、一体感を意識して柔らかく茹で上げられた中細麺。
煮豚ではなくハチミツと食紅を塗って焼き上げた縁が赤いチャーシューは、まさにチャーシュー(叉焼)と名乗るにふさわしく、この香ばしさと来たらたまったもんじゃありません。
完食。(汚いのでぼかし処理済み)
とある日の店内ボード。割烹経験もあるご主人だから一般的なラーメン店ではお目にかかれない本格志向の小料理もちらほらと。
どちらかというと地に足が着かないおれでも「ここにはちょっと居座っても良いかもな」って思える品も見受けられました。
今回は平日昼の訪問だったから麺類のみいただいて帰りましたが、飲んでつまんで〆に支那そばって流れが理想的かもしれませんし、1軒のお店でそれが達成できるありがたさ、そういうのも噛み締めたいがいために今後もちょくちょく伺っちゃいそうです。
店舗情報
店名 | 支那そば いしはら |
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住所 | 東京都杉並区西荻北3-22-22(地図) |
電話番号 | 03-3395-8450 |
営業時間(平日) | 11:30~15:00、18:00頃~22:00 |
営業時間(土日祝) | 11:30~21:00 |
定休日 | 火曜日 |
最寄駅 | 西荻窪駅 |