- 2017/02/02:更新
- 2016/01/05:初公開
どこにでもありそう。でも食べ進めるとデラックス!
デラックスって単語の響きにどこか懐かしさを覚えつつも、様々な飲食店が立ち並ぶ日本屈指の観光地・浅草において約半世紀の老舗、1973年(昭和48年)創業の「柳麺 餃子 あづま」を紹介いたします。
浅草すしや通り商店街で産声上げて約50年。地元民に愛される「柳麺 餃子 あづま」
甘味処としてスタートし、途中からラーメン専門店に切り替えた歴史を持つ「あづま」。
看板商品のDX(デラックス)ラーメンと純レバはまさに看板として店頭にてまばゆい光をピカピカぴかりんじゃんけんポンと放ち続けております。
20席のL字型カウンターのみ。慣れた手つきで要領よくさばくご主人。
浅草生まれ&浅草育ちの店主が長年腕を振るってきた老舗で、開店して数年レベルではとてもじゃないけど出せそうにない味わい深さ。
あまりに年季入りまくりな内外観はかつて「とんねるずのきたなトラン」で三ツ星を獲得したほどとマスメディアも認定済み。
分煙?なにそれ?おいしいの?そう言わんばかりに灰皿がどーんと。
浅草「柳麺 餃子 あづま」のメニュー一覧
表面は麺類、飯類、炒類に飲み物を記載。
レバ丼と純レバ丼とありますが、純レバとはまさにその名の通り“純粋にレバーのみを使用した炒め物”のこと。レバ丼より純レバ丼の方が100円安いのに、純レバ炒めだと大台の1,000円になるのはレバーの使用量の違いからでしょう。
裏面は八宝菜や回鍋肉などの一品料理を記載。
他にも「きたなトラン」で取り上げられた鶏の唐揚げに甘酢あんかけをかけた「あれ」なるメニューも壁に貼り出されていたり。
また、常連さんがセルフサービスで瓶ビールやおしぼりを取り出したりと良い意味で好き勝手やっているいつもの光景に妙な安堵感。
そんなメニュー構成やら勝手が「味の工房 菜苑 本店」と似ているのは関連店だから。あちらの先代弟さんが独立開業したのがこの「あづま」というワケです。
常連さんは“デラ”と呼ぶ、細かく刻んだ豚チャーシューたっぷりな「あづま」のDXラーメン800円
ラーメンを漢字にすると、拉麺、老麺などと書きますが、店名に掲げる“柳麺”がしっくりと直感的に理解できるビジュアル。
こちらは650円の醤油ラーメン。
おや、こっちの方が香ばしそうなチャーシューも乗ってておいしそうって思うじゃないですか。
でもね、まずは普通にスープをズビビビビ。
続けて柳の葉を彷彿とさせるはかなくも麗しい細麺をズビビビビン。
これだけでも充分おいしい昔ながらの醤油ラーメンなんですが、食べ進めるにつれて丼底からプカプカと小さくサイコロ状に刻まれたチャーシューが浮かび上がってくるワケですよ。
こんな風にレンゲで簡単にすくえるくらいにプカプカーと。
だから最初は混じり気がないシンプルな1杯を食べているハズなのに、気づけば無数のチャーシューが麺やスープと程よくなじんで絡みつき、味の変化と異なる食感をもたらしてくれますと。これってば普通に楽しいし何よりおいしい。
提供時、スープに麺とメンマとネギだけが浮かんだ“頼りないラーメン”って第一印象が強ければ強いほど、後半になるとザクザク登場するチャーシューに驚きを隠せないかも。
完食!
最後はレンゲを使わず丼ぶり持ち上げグビビビ飲み干したのがバレバレなヤローの軌跡を感じ取っていただけましたらこれ幸いです。
プカプカと。
デラックスと冠しているとつい高級食材をふんだんに使用した贅沢な1杯を想像しちゃいがちですが、当たり前の日常にあるこういうほんのちょっとの喜びを享受できること、青空にプカプカと浮かぶ雲を吸い込むようにスープと麺とチャーシューを一気に啜り込める幸せ。そういうのもデラックスと呼べるのかもしれません。
臭みのないレバーと甘辛ダレに食欲増進!浅草「あづま」の純レバ丼850円
この手の料理屋でお約束の中華スープ付き。
量が少なそうに見えますよね?
チャーハンもこんな風に寄った盛り付けの場合もありますが、
ほぐしてみると普通サイズございますので安心を。
純レバ丼は、あえて白飯部分を残すようにいただきまして、
餃子だビールで補足するようにいただくのもアリですし、
こうやって執拗にこねくり回して、
ライス&甘辛レバーによる鉄板の組み合わせをシャキシャキネギであますことなく体感するのも大アリです。
なお、鉄板の組み合わせといえば、「あづま」すぐそば「浅草演芸ホール」の寄席にて紙切り名人こと林家正楽師匠に即興で仕上げていただいた東京タワーとゴジラも鉄板です。(突然のお宝自慢)
あえて純レバ炒めを注文して酒のお供にしつつ残ったタレにライスをぶち込んで完食してみたり、裏メニューのつけめん(あつもり)を頼んでみたりだとか、今回お届けしたオーソドックスな食べ方以外にも通ならではの楽しみ方が存在するのは幾年月と浅草の地で切り盛りしてきたからこそと言えるんでしょうね。
「菜苑」と関係があるということは、「ドラマ版孤独のグルメ Season5第10話『東京都江東区亀戸の純レバ丼』」のあの店に行かずとも気軽に純レバ丼を浅草でいただけるのもポイントが高いっちゃ高いですかね。
地元民はもちろん国内外の観光客で賑わう天然温泉「蛇骨湯」。
「浅草演芸ホール」だ「花やしき」だ「雷門」などだで観光気分を満喫してからの訪問ももちろんOKですが、個人的に天然温泉「蛇骨湯」でひとっ風呂浴びた後にキンキンに冷えたビールをクイッとやるのがイチ押し。もうそれをやりたいがために今後も通い続けると言っても過言ではない「あづま」さんなのでした。