伝統に敬意を表して麺と具が2倍になるW（ダブル）メニューを注文。
2009年のB級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」優勝、日本三大やきそばの1つに数えられる横手やきそば。
今でこそ半熟目玉焼きオンのスタイルは割と見かけるようになりましたが、はじまりは秋田県横手市、そしてそんな横手やきそば発祥のお店とされるのが今回紹介する創業60余年の老舗「元祖 神谷焼きそば屋」でございます。
この店抜きに横手やきそばを語るべからず！1955年（昭和30年）創業の「元祖 神谷焼きそば屋」
横手駅から3km以上離れているため、車かJR柳田駅からのアクセスがおすすめ。
とてつもなくのどかな景色が広がるお店周辺。
2名掛け以上のテーブル席充実の店内。観光客や常連客で賑わいそう。
広々とした店内には堅苦しさや重い雰囲気は皆無で、柔和な笑顔と相槌や受け答え時の「ダッス」な秋田弁が印象的な3代目店主と奥様による切り盛り。
横手やきそばのルーツは、第二次世界大戦直後にさかのぼります。終戦直後、横手市で屋台のお好み焼屋さんを営んでいた男性が、お好み焼き用の鉄板を用いた新たなメニューを模索したことが始まりと言われています。
横手やきそばの誕生｜横手やきそば暖簾会
特別な道具を必要としない手軽さ、従来蒸し麺で作るところを茹で麺による時間短縮化なども相まって、ピーク時には横手市内だけで実に100店舗以上が焼きそばを提供していたのだとか。
焼きそばのみ！何とも潔い「元祖 神谷焼きそば屋」のメニュー一覧
各メニューに並～W（ダブル）サイズを用意。
麺の量は並150g、中225g、大300gで、Wは大の具材が倍バージョン。
ヘタにご飯ものだとかを設けず、焼きそばだけでしっかりお腹を満たせるように。そんな元祖ならではの心意気ってヤツなんでしょうかね。
「横手やきそば列伝」第1弾で紹介した「藤春食堂」といい、老舗が、老舗だからこそ焼きそばをメインに取り扱う姿勢はそれだけで評価に値しますね。
麺と具ともに2倍の大盛り！「元祖 神谷焼きそば屋」の肉玉子野菜ダブル
茶系のビジュアルに真っ赤な福神漬。カレーみたいですが、焼きそばです。
Wなだけに、横手やきそばの特徴となる半熟目玉焼きが2つも。
これなら麺の量が増えてもあますことなく卵黄でのまろやかコーティングが実現できるってもんですね。
横手やきそばが誕生してまもない戦後は目玉焼きも福神漬もなく、普通に紅生姜を添えていたそうですが、
専門店以外に駄菓子屋でも焼きそばが振る舞われていた当時、子供たちが安心して食べられるようにと、紅生姜から福神漬にシフトしたんだそう。
まあまずは黄身を絡めずシンプルにそのままね、チュルルルルンと。
普段食べ慣れている焼きそばの倍くらいの太さを誇る麺、サラサラと薄く甘いソースとが織り成すハーモニー。
キャベツ、モヤシ、ニンジン、タマネギ、パプリカの各野菜とケンカすることなく混ざり合っていると感じるのはきっと、豚ひき肉の絡みっぷりが裏で糸を引いているからに違いありません。
なお、絡みつきに関しましては、こうやって目玉焼きを崩しまして、
黄身とあえればエググッと一層良くなります、エッグなだけに。
肉入りとは言っても、ガッツリといかにもな肉ではなくひき肉が焼きそばの至る所に潜んでいる感じで、メインよりはオプションとしていただく感じ。
途中、卓上の七味ニンニクだニンニク胡椒、さらには追いソースで気分転換。
横手やきそばの場合、各店で出汁入りのオリジナルソースに昇華させていることが多く、仮にかけすぎたとしても重い口当たりにならないのがポイント。
セルフサービスの麦茶もうまい。
ストイックに麺と具材を楽しみたいなら玉子抜きもアリ。「元祖 神谷焼きそば屋」のホルモン焼きそば
こちらは並。ダブルとは明らかに盛りっぷりが違いますね。
目玉焼きがないとハッキリ分かりますが、まっすぐで太い角麺。
パリポリムニュ、ホルモンと福神漬が夢？の共演。
ホルモンはそのままでも、こうやって麺と一緒に食べてもOK。
麺がしっかりしているからホルモンと食べてもダレることなく、甘辛いシャバシャバソースが否が応でも食欲を刺激。卓上調味料との相性も良好でズビビビ食べ進められます。
どちらも完食！（※例によって微妙に汚い食後なのでモザイク処理済み）
この時ばかりは「さすがに焼きそば食べ過ぎた、もういいや」と思ったりもしましたが、後日2014年の横手やきそば四天王全店を制覇するあたり、誰かが“無類の麺バカ麺好き”の称号を授与してくれてもいいんじゃないか、というか自分で勝手に付与しちゃうとほくそ笑むのでした。
そして、そんな妄想がどうでも良くなるくらい、秋田の空は広かったです。
店舗情報
| 店名 | 元祖 神谷焼きそば屋 |
|---|---|
| 住所 | 秋田県横手市大屋新町中野117-67（地図） |
| 電話番号 | 0182-33-5575 |
| 営業時間 | 11:00～18:00 |
| 定休日 | 月曜日（※祝日の場合は営業） |
| 最寄駅 | 柳田駅、横手駅 |
