- 2017/03/19:更新
- 2014/08/26:初公開
日々多くの胃袋を満たし続ける千駄ヶ谷「ホープ軒」は背脂チャッチャ系ラーメンのルーツでもあります。
先日50年の歴史に幕を下ろした国立競技場に明治神宮野球場や東京体育館などのスポーツ関連施設が立ち並ぶエリアなだけに、特に試合当日は多くの観客やタクシー運転手などで賑わう東京の老舗ラーメン店、それが千駄ヶ谷「ホープ軒」なのです。
24時間365日営業の老舗ラーメン店「ホープ軒」
JR千駄ヶ谷駅徒歩5分、不眠不休の営業スタイルはまるで東京を支える心臓部のよう
プロ野球観戦後のお客さんで賑わうとある日の「ホープ軒」。
現「ホープ軒本舗」の屋台から独立する形でその歴史をスタート。1階は立ち食い形式、2階、3階にカウンター席とテーブル席を擁する都心では珍しい大型店舗で、1日最高2,000杯もの売り上げ記録が。
また、こちらのお店出身の有名店に「弁慶」「香月」「土佐っ子」の背脂チャッチャ系が挙げられ、東京ラーメン界をリードしてきた存在の1つに数えられます。
この日スワローズは負け、うなだれるように寝込むお父さん。
足元がおぼつかず最終的に転げ落ちてしまったんですが、ライバルチームのサポーターからは「負けたんだからしっかりしろ」というある種根性論のようなヤジが飛ばされ、何だか人間ドラマの一面を、我関せずと目の前のラーメンをズビビンズビビン啜り上げる先客達にいくらかのタフさを垣間見た気がします。
千駄ヶ谷「ホープ軒」のメニュー一覧
基本メニューはラーメン、夏季限定でつけ麺がラインナップ
1~3階どの席を利用するにもまずは店頭券売機で食券を購入し、それをスタッフに手渡した上で案内されるまで待ちます。
近隣で大規模なイベントがあって多くのお客さんでごった返している時間帯は、一時的に販売メニューが制限されるため、確実にこのメニューが食べたいって時は昼過ぎとかのアイドルタイムを狙うと良いでしょう。
900円のモヤシラーメンは、すぐそばの「鳩森八幡神社」内の東京都指定文化財「千駄ヶ谷の富士塚」にあやかり富士山盛りと称し、まさに富士山がごとく高く盛り付けてくれるご様子。この土地ならではのメニューって感じがして良いですね。
あらかじめ店先のウォーマーからホクホクのおしぼりをゲットしておくとベター。
食事中にゲットしに行っても良いんでしょうが、混雑時だと思うように動けない場合があるので、食券購入時に合わせて手に入れておくと良いかもなおしぼり。セルフサービスです。
卓上調味料はブラックペッパー、おろしニンニク、辣醤、醤油ダレに酢……
さらにカウンター上部にザルに入った刻みネギとお茶ポット。
これ、何の変哲もないジャスミン茶なんですが、
今よりもっともっと食に関する知識が乏しかった頃は、生茶ならぬ「謎茶」と命名しグビビンプハーしていたよなーと。妙に懐かしさがこみ上げるソフトドリンクなんですよね。
店頭に大行列ができていたとしても、並んでいる最中にたくさん作る&席数豊富で回転も良好。5分ほどで到着したのが……
背脂チャッチャ歴50年以上!元祖コッテリ、千駄ヶ谷「ホープ軒」の豚骨醤油ラーメン
ケースその1:ラーメン
東京ラーメン=アッサリという認識に「ちょっと待った」をかける、そんなビジュアル。
トッピングはシンプルに豚バラ肉のチャーシュー、メンマ、モヤシ。
味の決め手となる背脂は事前申告で多め・少なめの調整が可能。写真は少なめ。
ギトギトのアブラ。単にクドいだけじゃなく、労せずして得られるビッシリの背脂で口当たりもまろやかに。
独特のコシを保つ自家製中太麺をズビビンとお口にシュート!
…ってオウンゴールじゃね?と思いつつも「おれは今敵陣を攻めている」だなんて都合の良い自己解釈を頼りにズヴィヴィンと決め込みつつ、途中でモヤシシャクシャク、麺と一緒に楽しめばシャクモニュ。
入れ放題の刻みネギをぶっかけるようにぶち込む。
背負い投げを繰り出すように「どりゃ!」っと勢い良く投入し、ワシャワシャとかっ込みますと。入れ放題なのを良いことに刻みネギをドバドバ大量投入するとそれだけの味になるので要注意ですが、それもまた一興と流し込むのもアリかもしれません。
途中でブラックペッパーやら辣醤も投下しまくるとスパイシーに召し上がれますのよと。
なお、+150円だからって大盛にするとひと際目を引く洗面器サイズでのおでましです。
スープが並々どころか津波直前ばりにカサ増しするので、よほどのストマックじゃないと平らげるのは難しいでしょうし、並盛ラーメンだと物足りない場合は小ライスやモヤシの追加に留めておくのが賢明と言えます。
ケースその2:チャーシューメンアブラ多め
通常のラーメンより明らかに良い部位のチャーシューがドサッと。
チャーシューと背脂でぶたがダブってしまった。
より多くの背脂をまとうことでなめらかさに磨きのかかった中太ストレート麺。
それでも結局ネギ入れまくるから最終的にどんなメニューもネギラーメンになっちゃうんですけどね。
超コッテリならぬ超シャッキリ、ある意味目覚めの1杯とも言えるんじゃないでしょうか。
こんな風にネギをドサドサしたりカスタムしまくることで自分好みの1杯を追求できるのも、老舗ならではというか、何とも懐が深くってスポーツ観戦後についフラフラと足を運んじゃうんですよねー。
ただでさえ多い背脂をさらに多めで!それって超コッテリ!?ノーノー、入れ放題の刻みネギとおろしニンニクをわしゃーとぶち込んで啜れば、そいつはただのコッテリならぬシャッキリさ!騙されたと思って試してみなハニー!!ロケ地 千駄ヶ谷ホープ軒 pic.twitter.com/nnmSAQcWzB
— 正衛門 (@masaemon_jp) 2016年5月20日
今振り返ると、何だか酔っ払いのツイートみたいですね。
宵闇に包まれる時間帯の、1階カウンターでの食事が雰囲気抜群でおすすめ
「ホープ軒」なだけに夜でも希望に満ちあふれているお店。
きっと大海原を照らし続ける灯台の下でいただく食事ってこんななのかもなーと容易に想像させるくらい雰囲気抜群ですし、「ホープ軒」の発祥が屋台だったことを間接的にも味わっているかのような気になれるんですよね、夜に立ち食いすると。
ラーメン1杯の価格をタクシーの初乗り料金に合わせて来たのは、実際に多くのタクシードライバーをお客さんとして抱え、彼らのアドバイスや口コミ効果も相まって今日の「ホープ軒」があるから。実に昔ながらのエピソード。
いつでも気軽に立ち寄れるフル稼働の営業スタイル、どうか末永く。
店舗情報
店名 | ラーメンの店 ホープ軒 |
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住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-33-9(地図) |
電話番号 | 03-3405-4249 |
営業時間 | 24時間営業 |
定休日 | 年中無休 |
最寄駅 | 千駄ヶ谷駅、国立競技場駅 |