- 2016/12/23:更新
- 2014/06/14:初公開
一般的なラーメンのビジュアルからかけ離れてはいるものの、これぞ渋谷を代表する1杯。創業60年以上の老舗「中華麺店 喜楽」の醤油ラーメン。
仙人のような風貌で、時たま「シュッシュ」とシャドーボクシングのような発声やら独特のフットワークでおなじみの名物オヤジさんが引退されて早数年。渋谷を代表する老舗の今を確認して来ました。
別に受け継がなくても良いのにしかと受け継がれる「シュッシュ」
オヤジさんと比べると相当若い方がもろもろ取り仕切っているのは数年前から変わらず。
本記事を初公開した2014年初夏時点では、おぼつかないながらもしっかりこなす意思が強く感じられた男性スタッフもすっかりたくましく成長し、あのオヤジさん直伝?の「シュッシュ」音を口ずさみながらの切り盛り。主に麺揚げん時に発するので顔面に向かってくる湯気に負けまいとしているのかもですが、今や多くのラーメン店で採用中のテボ(湯切り網)に変わっている時点で不要なリアクションとも取れるのですが、まあ一種のパフォーマンスなのでしょう。
いつ行ってもまるでそこが棲み家のごとく厨房に立ち続けた仙人。珍妙なリズムを崩さず、時には大胆に、でもよーく目を凝らすと意外と繊細だったりする手つきで1杯1杯仕上げていく、ただ眺めているだけでも楽しいものでしたが、この先10年、20年…と時を経るごとにこの男性が奏でる「シュッシュ」にもやがて貫禄とやらがにじみ出てくるのかもしれません。
ラーメンがない…だと?いいえ、中華麺=ラーメンです
右上の中華麺700円がラーメン。大盛は+100円。
「ラーメン」「中華麺」どっちでも通じますが、初めての方は「ラーメン」と注文しておけば問題ありません。
裏面は一品料理やご飯ものだとかのメニューを記載。
1名客だと麺類のみで済ます方多数ですが、2名以上だと焼餃子や炒飯(チャーハン)をセットで食べている光景をよく目にしますね。ビールつけると尚良し。
ご飯時を中心にしょっちゅう行列ができておりますが、
1名の場合だと1階または2階、2名以上だとほぼ確実に2階で相席となり、回転は早いですしそこまで待たされる感じはないですかね。
ちなみに、お店目の前の坂はかの「孤独のグルメ」発祥の地?としても名高いスポット。
いわば「ONE PIECE」のリヴァース・マウンテンみたいな場所なので、まだ見ぬ未開のこどグルスポットを探し求めて漫画版第1話から最新話まで、果てはドラマ版の聖地巡礼を始めるキッカケにしてみてもよろしいんじゃないでしょうか。(そのことや「喜楽」に関するもっと濃いことについては8年前に「この記事」にて語っております)
渋谷で半世紀以上に渡って愛され続ける老舗の醤油ラーメン!「中華麺店 喜楽」の中華麺
初めてこれを目にする方は「およよ?」と驚かれること請け合い。
トッピングはチャーシュー、ハードボイルドな味付玉子、そして大量のモヤシ。
斜め上から。いかに盛り上がっているかお分かりいただけますでしょうか?
なお、+100円の大盛にすると、麺とスープだけじゃなく厚めに切られたチャーシューも計2枚に増えます。
チャーシュー麺はいらないな、でももうちょっと肉をかじりたいんだよなって時におすすめ。そうすると1枚目は比較的早く頬張り、2枚目はスープに浸して完全に火が通った状態でいただくと1回で2度おいしい、そんなゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)が可能です。
レンゲで軽くすくっただけで簡単にお目にかかれる揚げネギ。
国産・台湾産数種類のネギをじっくり揚げることで完成するオリジナルの薬味は、豚骨と鶏ガラを長時間煮込んだ力強い醤油スープに香ばしさと甘み、要するにコクだ深みだをもたらしてくれるワケですよ。
今では揚げネギが浮かぶラーメンはある意味スタンダードとも言えますが、少なくとも20世紀では結構レアだったんだぞーって、何だかジジイみたいですね。
固めに茹でられた厚みのある平打ち麺をズビビンズビビン。
シャッキシャキのモヤシと交互に食べると、ほんの一瞬モヤシと麺のどっちを食べているのか分からなくなったりね。
渋谷でラーメンと言ったら何だかんだで真っ先に「喜楽」が思い浮かぶんだよなー。
名物オヤジさんの頃に比べたら随分とキレイにまとまった印象の1杯でしたが、作り続けることでオヤジさんとは違った、彼なりの1杯に昇華するんでしょう。生温かい目で見守りたいと思いますし、少しでも興味を覚えたらまずは気軽に足を運んでみてくださいね。
店舗情報
店名 | 中華麺店 喜楽 |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-17-6(地図) |
電話番号 | 03-3461-2032 |
営業時間 | 11:30~20:30 |
定休日 | 水曜日 |
最寄駅 | 渋谷駅 |