これは思ったとおり・・・・・複雑な甘さだ
いや・・・・・スゴい甘さと言ってもいい(どっちだよ)
今年10月には早くも実写ドラマ第2期も決まり、知る人ぞ知るマイナーから少年ジャンプばりに誰もが知ってるグルメ漫画になりつつある、かもしれない孤独のグルメではありますが、今回はそんな原作第5話の舞台となった群馬県は高崎にある「オリタ焼まんじゅう店」の現地レポートをお届けしたいと思います。
主人公・井之頭五郎(以下ゴローちゃん)のコメントでどっちだよってツッコミを入れた方も少なからずいらっしゃるんじゃないでしょうか、少しでも解釈の参考になってくれれば幸いです。
0.目次&関連記事
1.はーるばるきたぜ高崎ー♪
東京から車で2時間くらい。
カーナビの指示で難なく目的の店には到着したものの駐車場を探してうろうろしてたら、おやおや奥にうっすら見えるのは…
20年近く前の連載時と変わらないアーケード!
言ってしまえば田舎のどこにでもある商店街ではあるものの、孤独のグルメフィルタを通してだとちょっとした聖地に思えてしまうから不思議。(←危険)
中央銀座といえどくたっとした感じ。
店名がおしゃれっておしゃれ?
ある意味ツーショット。
一方ゴローちゃんも車で高崎に参上!
革製品を取り扱う店が多いということで、パリあたりの古着を輸入したら売れるんじゃないかと商魂たくましい感じで高級車を乗り回して…と書くと聞こえはいいですが、どうも様子がおかしい。
というのもゴローちゃん、パリの革ジャンというキーワードで過去の失恋を思い出してる最中のコマなんですね。
今では若き大女優として名を馳せているらしい元カノ小雪(さゆき)。
詳しくは原作をということで結論だけ述べますと、
キムタクもびっくりのラブジェネレーション。
ご覧のように、フラれます。
ラブジェネより前に世間に登場してたワケですから、脚本家は孤独のグルメを愛読してたんじゃないかと勘ぐってしまいたくなるような1シーンですよね。
いくらなんでもはしょり過ぎた感が否めなくもないですが、そんな高崎ドライブの最中にぶらり立ち寄ったのが「オリタ」なワケで、
原作ではクリタ。
焼きまんじゅうと焼きそば、どっちがメインかで戸惑うゴローさんなのでした。
なお、焼きそばの看板は影も形もありませんでした。(2010年末訪問時)
2.こじんまりとした店内
原作ではちょっと広い感じに思えましたが、
実際の「オリタ」は2人座るとぎゅうぎゅう、3人以上はちょっと厳しい間取り。2010年12月当時、4名&2名掛けテーブル席が1つずつでした。
現在の店舗は漫画に登場した当時とは別物で、3軒となりに引っ越したとのことで、以前の建物はもうないそうです。残念。
だからコンロの配置も右と左で逆なのね。
まあ違うといえばこの他にも焼いてる人がおじちゃん→おばちゃん(2代目。娘さん?)になってたり、
安定のフラれ率。
食べたい物が大抵品切れと悲惨なケースに出くわすゴローちゃんが口にできなかった焼きそばも完全終了してたりと、あの頃とは何もかも違うのかもしれないけど、変わらないのはそう、僕らが孤独のグルメって作品をこれまでもこれからも愛し続けるってことだよね…っていう論点のすり替え。
心の中ではぶつくさ言いつつも店を出ない大人なゴローちゃん。
ミソとタレ?主人と常連との会話で混乱するゴローちゃん。
【危険】ついにはメダパニ状態!
で到着したのが…
3.群馬名物焼きまんじゅう!
今回も納得の再現度。
漫画では普通のとアン入りそれぞれ1本ずつ注文したのに対して、せっかく高崎まで足を運んだのだからと倍の2本ずつ焼いてもらいました。
4つ横並びなのがアンなし(1串4個で160円)で、左手は添えるだけばりに2段で立てかけられている方がアン入り(1串2個で170円)。かかってる味噌の量がぱねえっす。
いわゆるまんじゅうというよりは肉まんとかの皮に近い食感。
大きさもまさに市販の肉まんばりに大きく、なるほど、これは1本ずつにしておけばよかったとちと後悔。
味噌だれを塗った後に追い打ちをかけるかのようにさらに大量の味噌だれをかけていただけるものですから、非常に濃厚かつ濃厚な味わいで、まあこのタレにしてこのまんじゅうサイズといった感じなんでしょうかね。
ゴローちゃんも語ってるが、確かに焼き鳥とは全然違う感じ。
この軽くて淡白って表現について補足しておくと、いわゆるまんじゅうのようにモチモチっとした感触とは異なり、焼いてることもあるのかな、まんじゅうというよりはパンを食べている感覚に近くて、腹持ちはいいんだろうけど同じ量のまんじゅうよりは頬張れますよって感じですかね。
一方のアン入り、こいつもまた濃厚かつ濃厚でして…
すっごい甘さなんだなこれが。
外側の味噌、内側のアンコ、どこにも逃げ道がねえっ…!
タレとアンコで質こそ異なるものの基本的にどこから食べても甘く、なるほど、これはアンなしよりも2個少ないワケだと、おばちゃんの忠告どおり1本ずつにしておけばよかったと再度痛感した次第。
で、都度都度注いでくれるアルカリイオン水がまた美味しくてねぇ、まあその分おまんじゅうの甘辛さが引き立ってしまうワケですよ。
たぶんこの記事を読まれてから足を運ぶ方がいらっしゃるとは思うので強調しておきますが、頼むならまずは1本ずつね、そう、高橋名人の「ゲームは1日1時間」という名言にあるとおり、だらだらと何個も食うんじゃなく、目の前の1個に集中して取り組む、取り組むってなんか変だな、まあいいや、はい。(終わりかよ)
まあそういう意味では最初にアンなしを焼いてもらって食う、一息ついてからアン入りを焼いてもらって食うのが理想的なんじゃないでしょうか。その方が冷めないしね。
ちなみに件のアルカリイオン水で入れたコーヒー(200円)も用意されてましたが、個人的には温かい日本茶をズズズとすすりたかったです。言えばお茶くれたのかな?
上が「オリタ」で、下はウィキペディア掲載の焼きまんじゅう
ラーメン二郎が店舗によって見た目や味付けが様々であるように、まあラーメン二郎を例に出さなくてもいいんですが、今回の「オリタ」が焼きまんじゅうのすべてじゃないのは言うまでもありません。
なお、群馬県出身のコに焼きまんじゅうについて聞いたみたところ…
焼きまんじゅうはB級の中のB級です。パッサパサのまんじゅう(というか小麦粉系の焼いたやつのかたまり)、やたら味の濃いタレ…何一つ、「グルメ」ではないのです。
昔、東京の友人達に焼きまんじゅうをおみやげにしました。おみやげ用焼きまんじゅうを買うには、ちょっぴり有名な「大光院(子育て呑竜)」近くの、小さな山の麓に行かねばなりませんでした。おみやげ用焼きまんじゅうを売っているお店(個人専門店)がそこにばかりあるのです。いかにも昭和から続く佇まい。むしろ続いていることに不思議ささえ感じました。もちろん、私たちのほかに車はいません。
その内の一件に適当に入ると…ぶっきらぼうな、化粧という名の仮面をつけたオバチャンが低音で「いらっしゃいませー」。
もう、スケキヨもびっくりな顔の白さ。首は肌色なのに…なんだ、ドーランかそれとも石灰でも塗ってるのか、もちろん、目の上はパープルで唇は燃えるような紅です。いくら悪名高きグンマーとはいえ、そんな中ボス級に平然とエンカウントするとは思いませんでした。いや、グンマーの至宝焼きまんじゅうを守護する者だったのだろうか…その圧倒的な迫力に、「他も見て決めます」なんていえず、即決です。わたしにとって、焼きまんじゅうとは、そのような場末のもはや天然記念物級のオバチャンがよく似合うけして華やかにフィーチャーされるべきでない超ド級B級グルメです。オサレにおいしくなっちゃったら、たぶんモヤモヤするんじゃないかな。
なんともカオスな回答が。
群馬の中でも地域や店によって異なる趣きがあるようでなんとも興味深いですし、あえてグルメじゃない焼きまんじゅうをテーマにする、そんなワザとらしくない素朴さが、ああ、孤独のグルメなんだよなと再認識させられる証言だと思いました。
まあお店近くの自販機にチェリオが売ってたのはワザとらしかったけどね。
あとスケキヨほどじゃないけど、夜の高崎観音も中々の迫力でした。
大吉のワリにはついてなかったゴローちゃんの今後に期待!
4.店舗情報
店名 | オリタ焼まんじゅう店 |
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住所 | 群馬県高崎市田町108(地図) |
電話番号 | 027-323-9706 |
営業時間 | 10:30~18:00 |
定休日 | 不定休 |
最寄駅 | 高崎駅 |