己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

有楽町駅ガード下で50年続く人気の老舗「谷ラーメン」のスッキリ醤油ラーメン&半チャーハンセット

  • 2016/12/12:更新
  • 2015/01/14:初公開

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多様なラーメン店が軒を連ねる東京だからこそ、ふと味わいたくなる老舗の味。

先日紹介した大手町ガード下の「大手町ラーメン」は2007年オープンと比較的若い部類&白濁した豚骨ラーメンが売りなんですが、それならこちらも忘れちゃいけませんぜということで、今回は有楽町駅ガード下の飲み屋街に店を構えて半世紀、1967年(昭和42年)創業の老舗「谷ラーメン」を紹介いたします。

東京国際フォーラム徒歩0分、有楽町駅ガード下の老舗「谷ラーメン」

2016年6月、JR高架下耐震補強工事のため、数十メートルほど東京駅寄りの場所に移転完了

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旧店舗跡はご覧のとおり立入禁止。

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新店舗も同じJR高架下。

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移転オープンだと「下北沢のたこ焼き専門店・大阪屋」のようにオシャレでキレイなリニューアルを果たすケースが見受けられますが、「谷ラーメン」の場合は程良くかつての面影を残しております。

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高架下の反対側から撮影。洗濯物と自転車が絶妙な生活感を演出。

すぐそばに千代田区丸の内三丁目と記された番地プレートがあるんですが、知らなきゃここが天下の丸の内とは到底思えないでしょうね。

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【参考】丸三横丁で営業していた頃の旧店舗。(2015年1月頃撮影)

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当たり前のように真上を電車が走っています。

旧東京都庁舎の跡地に建設されたのが東京国際フォーラム。そんな都庁の至近に店を構えたことも功を奏し、初の東京オリンピックを終え高度経済成長期真っ只中に生まれた「谷ラーメン」は有楽町で大変繁盛したそうです。

有楽町「谷ラーメン」のメニュー一覧

ラーメン・チャーハン・ギョーザの三拍子勢揃い

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店頭左手の券売機で食券を買ってから入店します。(写真は2016年12月時点のメニュー一覧。PC版のみクリックで拡大)

なんてたって東京の一等地に店を構えているということもあるんでしょう。セットメニューなどは決して安いとは言いがたいですが、それでもラーメン1杯650円なのはありがたいですね。

ワカメラーメンがレギュラー入りしているし、マイ箸持参でメンマ or ワカメサービスのキャンペーンを引き続き実施している点もナイス。

その他、券売機周りに書かれている注意事項
  • ランチタイムは禁煙
  • 5,000円・10,000円の両替は店内にて
  • ギョーザの販売は13:00から
  • 半チャーハンだけの注文は不可

外観に負けず劣らずシブい昭和レトロな空間

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入店前に買った食券は、暖簾をくぐるとほぼ同時のタイミングでカウンター上に置くよう指示されるのでそれに従ってから着席します。

さすがに移転前の店内ほど年季は入っておりませんが、それでもガード下の老舗といった雰囲気は健在で、カウンター5席、小上がりの4名掛けテーブル3卓の計17席。(昼はテーブル2卓で営業)

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定番の調味料類もしっかり完備。

どこに座っても良いですが、チャーハンを作る際のコンロに鉄鍋を打ちつけるガコンガコンとすぐ上を走る電車のガタンゴトンの共演とやらは意識的に耳から体内にチャージしておきたいところって意味ではカウンター席がおすすめかもしれません。

「谷ラーメン」のラーメン&半チャーハンセット

ダシの材料は豚だけ。静かで優しい味わいは、旨味過多なラーメンが氾濫する今だとかえって新鮮に映るんじゃないだろうか

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言葉はいらない、少なくともおれにはいらない、そんなビジュアル。

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トッピングはチャーシュー、メンマ、海苔、刻みネギと至ってシンプル。

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豚骨スープは白濁系がすべてじゃない。スッキリとした醤油味。

豚骨と豚肉だけでとったダシに合わせるのは創業時から継ぎ足してきた醤油ダレ。

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スープが優しい分、固めに茹でた中太縮れ麺が相対的に強い余韻を残す。

強面ながらも優しそうなご主人の人柄を反映しているかのような仕上がり。

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脂身が少ないチャーシュー、今にも溶けそうでなかなか溶けない海苔。

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直感的にこれは合うと思い投入した黒胡椒。相性バッチリ。

化学調味料の気配を漂わせつつも、そういえば昔のラーメンってこんな感じだったよなーと。ただただ懐かしい、でも、懐かしいからこそ良いって思える時があるってもんですよね。

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皮をチュルンと食べさせるワンタン6個入りのワンタンメンもこれまた懐かしい雰囲気。

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中太麺のようにやや固めな仕上がりのワンタン。

グリーンピース入りの香ばしいチャーハン。噛み締めて覚えたアブラ分をラーメンスープや水で洗い流してみるのもいい

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ラーメンだけだと物足りない方向けの半チャーハン。

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ラーメンのレンゲでいただき、そのレンゲでスープを飲む。そんなグッド。

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バランスよく食べ進めまして…

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ご覧のとおり完食です!

食べ切った後の水が無性においしく感じられるタイプのセットメニューですね。

“往年の1杯”なる感想を抱く方多数と言えますが、先代店主が「谷ラーメン」を始める以前にも別の仕事で儲け商売人としての才覚に恵まれていたことから、創業当時はベンチャーのような立ち回りだったともとれなくありません。

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50年後は電車自体がなくなっているかもなぁ。

「谷ラーメン」は街のラーメン屋さんとして定着しましたが、果たして現在のベンチャービジネスが50年後にはどうなっているのか、スタンダードとして定着しているか別の何かに変容しているかなくなっているか……そんなこととか想像しつつ口にしてみるのも乙かもしれませんね。

店舗情報

店名 谷ラーメン
住所 東京都千代田区丸の内3-7-11(地図
電話番号 03-5223-2223
営業時間 11:00~14:00、17:00~20:30
定休日 土曜日・日曜日・祝日
最寄駅 有楽町駅、東京駅、京橋駅、二重橋前駅