- 2016/05/29:更新
- 2014/03/03:初公開
化学調味料不使用、厳選素材で作る「麺やひだまり」の味玉和塩らぁ麺。
「化学調味料使いません!」と豪語するラーメン屋が増えて久しいですが、その不使用っぷりを“店頭ドヤ顔アピール”すること自体が化調ばりに不自然ですし、だったらいっそ使った方がいいんでない?なお店もちらほらあったりするから昨今のラーメン業界って面白いものです。
…いきなり何様な出だしではありますが、今回紹介するのは今年でオープン3年、適度な塩梅で日々おいしい無化調ラーメンを提供する千駄木のラーメン専門店「麺やひだまり」でございやす。
- 2014年2月から11:30~22:30の通し営業になった千駄木のラーメン専門店「麺やひだまり」
- 大山鶏、瀬戸内産いりこ、枕崎産鰹節に羅臼昆布などの厳選素材を使用した「麺やひだまり」の味玉和塩らぁ麺
- ザクザクとした生姜の歯応えと爽やかさ。小ぶりながらも身が詰まった谷中生姜の手作り焼餃子
- 店舗情報
2014年2月から11:30~22:30の通し営業になった千駄木のラーメン専門店「麺やひだまり」
谷中銀座商店街と交差する形のよみせ通り沿いにあり、
東京メトロ千駄木駅から徒歩5分、JR日暮里駅からだと10分近く歩きますが、嬉しい通し営業なので散策がてら向かうのがおすすめ。
お店側からしたら大変でしょうが、食べ手には嬉しい通し営業。
カウンター9席・テーブル席も設けられた温かみのある店内。
小物使いや随所に感じられるセンスの良さ。単に有名ラーメン店出身という名声に甘えることなく日々研鑽を積まれていることも伝わってきます。
カウンター席の間隔はゆったりめ、荷物入れも用意されているから安心です。
メニューはこんな感じ。
何でも明日から一部商品の価格改定が実施されるそうなので、金額などの詳細は店舗にてご確認いただくとしまして、ざっくり書くとメニューはラーメン・つけ麺・ご飯物におつまみ、それと酒です。ホントにざっくりだ
酒のつまみやちょい飲みセットがナイス。
谷中・根津・千駄木の通称“谷根千”自体が東京の人気スポットですし、時間帯や曜日問わず観光客に重宝されるメニューなんだろうなーってことをほげほげ考えていたらやってきましたよ、
大山鶏、瀬戸内産いりこ、枕崎産鰹節に羅臼昆布などの厳選素材を使用した「麺やひだまり」の味玉和塩らぁ麺
キレイなビジュアル。レンゲに乗った味付玉子が何だかいいですね。
全体的に丸みを帯びた丼だからシャープな盛りつけが映えます。
丼の下に木のトレイが添えられているのは提供時の滑り止め防止かな。
具はチャーシュー、メンマ、味玉、白髪ねぎ、かいわれ大根、千切り柚子に糸唐辛子と彩りも豊か。
チャーシューは提供ごとに備長炭で炙る方式で、糸唐辛子の赤、かいわれの緑、柚子の黄色、定番3色の組み合わせがポップな雰囲気を演出しています。
沖縄の海の雪塩、粟國の塩、伯方の塩にヒマラヤピンクソルトと、4種類の塩を合わせるあたりにも強いこだわりが感じられるスープ。
おれなんて1種類の塩すら見極めるのが困難なのに4種類て。さらには塩ダレに使用する白醤油は千葉産の無化調、おまけに柚子の香味油まで使われてて本当に“なるほど、分からん”ですよ。
ただ、素材の1つ1つは分からなくても結果的においしいと分かりますし、濃いめにとられたダシはタレを使わずにそのまま飲んでもきっとウマイんだろうな。
あと、化学調味料を使わず食材の力だけで勝負していることもありスープは透明じゃないけれど、ヘタに透き通っていないところが何だかひだまりっぽくていい。透き通ってたらひだまりじゃなく直射日光だ。
程よいコシな三河屋製麺の中細ストレート麺との相性もバッチリ。
意外と量もあるので遠慮せずズビビンズビビン啜ってしまいましょう。
途中で香ばしい炙りチャーシューや白髪ねぎに潜む千切り柚子を口に含めば心地良い清涼感を楽しめます。
トロットロの半熟玉子、黄身(キミ)はまるで太陽だ。
つい昭和時代の告白をしてしまいましたが、こちらは薄めの味付けでムダにラーメンを汚すことなく、卵白のアク取り作用が効いているからか、味玉をパクついた後にスープを飲むとまた新鮮な感じでいただけちゃう気がするんですよね。
ザクザクとした生姜の歯応えと爽やかさ。小ぶりながらも身が詰まった谷中生姜の手作り焼餃子
コロコロッとした見た目の餃子が5個。割安な3個入りもあります。
ご覧ください、このようにショウガがザックザク。
おかげさまで最初モニュモニュ、次第にザックモニュといった具合に噛んでて楽しい餃子が味わえますし、ショウガの力でニラの嫌味は消しつつ香ばしさは残すといった成果も上げております。
今の時期だと古根生姜とのことですが、4月から10月頃は商品名にあるとおり谷中生姜(葉生姜の1種)が使われているので季節によって微妙な味の違いが堪能できるのもいいし、何よりこのショウガたっぷりの餃子がおふくろの味を意識したって、何とも心温まるエピソードじゃないですか。
そして、この手のラーメンに珍しい替玉を注文するおれ。
あえて麺の大盛りをメニューに設けず、食べてみて物足りないなと感じた時の調整にピッタリな替玉は、しっかり食べたいなら1玉、気持ち食べたい方向けに半替玉が用意されているのもいいな。
麺とタレが絡まった状態で出てくるのでスープの味を薄めることなく最後までおいしくいただけます。
ということで完食じゃー。
今回はキレイに平らげられたこともありモザイク処理はしませんでしたが、食べ終えて思ったのは、丸みを帯びた丼(キミ)もまるで太陽だ、毎日食べ続けるとしたらこういった味わいのラーメンなのかなーと。
凄まじく特徴的なラーメンもそれはそれでうんまいけどね、でもこの店のコンセプトに“温故知新の味を目指して”と掲げられているように、ふとしたタイミングで歴史ある谷根千の街に足を運んで“故きを温(たず)ねて新しきを知る”のもまた一興なんじゃないかと思います。
手書きの案内図が妙に微笑ましかったです。