創業70年の老舗の味をワンコインで!「珍々軒」の醤油ラーメン。
上野駅徒歩3分。というよりアメ横ガード下と伝えた方がピンと来る人も多いかもしれませんが、いずれにせよ上野と御徒町各駅からも至近であり老舗であり長時間の通し営業であり、中華定番メニューのラーメンがワンコイン……
もはやカンペキと呼ぶにふさわしい上野の老舗中華「珍々軒(ちんちんけん)」をご紹介。
連日国内外から多くの観光客が訪れるアメヤ横丁ガード下の老舗中華「珍々軒」
改装して小ざっぱりとした看板になりましたが、1948年(昭和23年)創業と半世紀以上の老舗。
終戦直後の砂糖が入りにくかった時代に飴を売る店が軒を連ねたことからアメヤ横丁という地名になったとの説が有名ですが、この「珍々軒」の前身はまさにその飴屋だったそうで、路面にはみ出したテーブル席で中華料理や酒をたしなみつつ談笑を繰り広げているお客さんからはちょっと考えも及ばない歴史。
そんな「珍々軒」そばには多くの飲食店が密集しておりますが、取り分け大きな出来事として「大統領」と「昇龍」がJR耐震補強工事に伴い長期休業に入ったことが挙げられます。
それぞれの店は同じ通りを20mほど東に進んだところで「大統領 支店」と「昇龍 PART2」が営業中。「昇龍」に関しては「珍々軒」斜め向かいの仮店舗で名物ジャンボ餃子の持ち帰り販売を実施。
ワンコインラーメンを筆頭に、王道中華がお手頃価格で味わえる上野「珍々軒」のメニュー一覧
PCはクリックで拡大、スマートフォンはピンチアウトで拡大。
ラーメンは醤油、塩、味噌から選べて、醤油と塩はワンコイン、味噌は800円。タンメンや焼そばはもちろんのこと、レバニラタンメンやら五目麺と豊富。
いわゆるつけ麺に相当するざる中華もワンコインだったり、冷やし中華がしっかり夏季限定だったり、タマゴ、ニンニク、ネギといったシンプルなトッピングがあったりと、メニューが赤くなくてもちょっと興奮を覚えちゃいます。
ビール、ハイボール、日本酒などに加え、中国酒や本格焼酎も常備。
メニューに載っていない焼酎も入荷しているとのことですが、栗焼酎のダバダ火振がこの手の町中華でいただけるのって何だか面白い。
真上を行き交う電車のガタンゴトンもBGMに、みなまるで青空教室がごとくバカ騒ぎアツイ議論を繰り広げております。
中には「本格焼酎ウェーイ(☝՞ਊ ՞)☝」っておれと同レベルな会話で盛り上がっている方もいらっしゃったかもしれませんが、店内はL字型カウンター8席&2名掛けテーブル2卓、店外は4名掛けテーブル3卓ぐらいの計22席ほど。
本格で思い出しましたが、「珍々軒」のラー油は自家製、いわゆるひとつのドロリとしたアレです。
親子三代で通い続ける常連も多い上野「珍々軒」の昔なつかしのワンコイン醤油ラーメン
ワンコインと謳いつつもついタマゴをトッピングしてしまったので写真のラーメンは600円ですサーセン。
トッピングは、ジューシーな豚バラ肉のチャーシュー、メンマ、刻みネギ、それと昨今名うてのラーメン専門店ではほとんど見かけないキヌサヤ。
写真だと分かりづらいですが、全体的に深い、いかにも醤油って色合いの中華スープ。
啜るのが楽しいツルツルッとした舌触りの中細麺がスープをグイッと持ち上げてくれます。
濃い目のスープだから味玉よりもゆで卵がバッチリハマります。
この有料トッピングの真っ白いタマゴを乗せたからか、香味油を使用していないからそう見えるのか、醤油っ気の強い鶏ガラ&豚足ベースのスープは、いくらかのしょっぱさを感じると共に「こういうの好きだな シンプルで。ショウユの味って男のコだよな」って耳元で囁かれているようで……
まあ「元ネタ」を知らない方には何のことだかサッパリかもしれませんが、ラーメン自体はサッパリかつキレのあるテイスト。もちろん女のコだって安心していただけます。
ピンポイントで自家製ラー油をペトリ。
そのままだと溶けて味変してしまうから割ったゆで卵の断面に塗りつけることで楽しみますと。
卵白にはアクを引き寄せ凝固してくれる働きがあるからか、単にラーメンに投入するよりもストレートにラー油の風味が伝わって来て、要するに、辛い。ラー油が辛いのは当たり前なんだけど、それでも言います、辛い、と。いや、辛いじゃなくちょっと辛い(つらい)かもしれませんが、まあ自業自得ってヤツです。
醤油と同料金の塩ラーメンも良さ気ですが、野菜の甘みとシャキシャキ食感が加わるって意味でタンメンが好み。
醤油ラーメンと紐づくように澄んだ塩スープは万人ウケする王道テイスト。男のコに女のコ、つまりは老若男女オールオーケー。
こちらも途中でラー油を絡めて辛くすると楽しおいしい。
通常のタンメンはモヤシ、キャベツ、ニンジン、豚肉とオーソドックスな炒め野菜が乗っかりますが、一風変わったレバニラタンメンだとそれはそれでただの豚肉とは異なる動物系のコクと旨みがプラスされて、そっちも大変捨てがたい。ただの麺類じゃなくちょっとレバニラもつまみたいなって時には重宝することでしょう。
駅チカ、長時間の通し営業で使い勝手良好な老舗は、飲んだ後の〆にだってピッタリ
麺を啜ってスープをゴクリ。舌先で前歯を中心にペロリとやると感じ取れるあの味。この記事を書いている今でも印象に残ってます。
シンプルながらも力強い味わい。一言で、お水をおいしく感じるラーメン。食後のレンゲやゆで卵が深い茶色のスープで染まるところもニクイし、ほろ酔い気味のほてったカラダにジワジワと染み渡りそう。
「大統領」でもつ焼きつまんだ後とかの〆にズルズルって1杯。
それこそ近場の「大統領 支店」でもつ焼きとビール決めた後なんかに寄って味わえば副大統領くらいの恩恵を感じるかもしれないし、ハスキーがかったボイスの女性店員に接客してもらえば彼女をファーストレディと見立てるかもしれない。
…まあそれらはどれも言い過ぎなんですが、開放感あふれる屋台のようなお店が上野のアメ横ガード下に21世紀の今も建っていることにいくらかの喜びも感じながら、真上を走る電車にガタンゴトン揺られながら今後も通い続けたいと思います。
上野公園の満開桜ばりにアッパレ!
店舗情報
店名 | 珍々軒(ちんちんけん) |
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住所 | 東京都台東区上野6-12-2(地図) |
電話番号 | 03-3832-3988 |
営業時間(火~土) | 10:00~23:00(売切れ次第終了) |
営業時間(日曜日) | 10:00~20:00(売切れ次第終了) |
定休日 | 月曜日 |
最寄駅 | 上野駅、御徒町駅、上野御徒町駅、仲御徒町駅、上野広小路駅 |