あの独創的な立ち食い蕎麦屋が大手町にやって来た!
2002年7月創業の「港屋」はオープン当初から話題となり、“蕎麦界のラーメン二郎”なる異名でも有名になりつつある孤高の存在。
無数のインスパイア店や商品が生み出されるもどうしたって本家に及ばないこと早10数年。その「港屋」が2016年8月、西新橋の本店に次ぐ2号店を天下の大手町にオープン!その名も「港屋2(ツー)」!!
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いやいや1(ワン)があるから2(ツー)て。。って具合に、ちょっと気が抜ける店名なんですが、伝説の立ち食い蕎麦屋として名を馳せる日もそう遠くないであろう、本家本元の直営店をご紹介。
2016年7月開業の高級日本旅館「星のや東京」1階でひっそり営業中の「港屋2」
どーんと、
オールブラックな「星のや東京」です。
この見た目で日本旅館を謳う「星のや東京」は大手町駅から徒歩数分と快適なアクセス。国内外の観光客を対象とし、それはそれはラグジュアリーなひと時を満喫できる模様。
今回の「港屋2」紹介に加えて「誰もが羨む超高級旅館『星のや東京』に泊まってみた」とかって記事を垂れ流したいんですが、予算的にムリ一身上の都合で断念せざるを得ませんでした。興味のある方は「星のや東京」とでもググッて夢のような時間をお過ごしください。
そんな「星のや東京」にはチェックインできないけれど、
立ち食い蕎麦屋にはチェックイン!
そしてこちらが「港屋2」です、って分かるかい!
そこに飲食店があるとは到底思えない、アジトのような「港屋2」
……えーと、ここが「港屋2」。みんな大好き立ち食い蕎麦「港屋」の支店「港屋2」になります!
…って、いくら「星のや東京」に宿泊できないからって、ビル最上階の天然温泉すら利用できないからって、何を旅館前で発狂しているのかってお思いかもしれませんが、事実なんです。
従業員専用口。きっと多くの方々がそう思うことでしょう。
出入口からやや離れたところにポツンと「Minatoya 2」。
一般的なお蕎麦屋さんでよく見かける暖簾も看板ものぼり旗も無く、あるのは表札サイズのそれだけ。本店はオールホワイトな見た目で異彩を放ち通行人の目を引きまくりですが、「港屋2」の場合は知る人ぞ知るって感じですね。
実際におれ、正確な場所が分からずランチ帰りの会社員(♀)に場所を尋ねたところ「立ち食い蕎麦屋さん、ですか…?」と、(この人天下の大手町で何聞いてきちゃってんの?)的な表情されましたし、通りを挟んだ真向かい・読売新聞東京本社ビルのガードマンに質問することで事無きを得ましたからね。灯台下暗しの好例かもしれません。
実は、エントランス真向かいの箱は券売機。
よーく見ると、冷たい肉そば1,000円のボタンがございますと。
西新橋本店との違いは、メニューが冷たい肉そばのみ。価格が130円値上げの1,000円という点ですかね。
外で食券を買って入店しますが、店内は商品以外の撮影禁止。なので写真による解説はできませんが、営業時間にせよ内装にせよ基本的には本店のスタイルを踏襲しており、クラシック流れる薄暗いなか、ズヴィヴィヴィヴィンご自慢の肉そばをいただけますよ。
ということで……
これを個性的と言わずして何と言おう。タップリの極太田舎蕎麦に特製ラー油入りのつゆ!大手町「港屋2」の冷たい肉そば
おお、あの「港屋」の肉そばじゃん!
本店よりも黒トレイはひと回り小さめ。
だからスゲエ盛りっぷりって印象に拍車がかかります。
豚肉・ネギ・白胡麻・刻み海苔で覆い尽くされておりますが、その下に控える蕎麦だって極盛りです。
アピール過剰なインスパイア店とは明らかに志の違いとやらが見受けられる謎解きみたいな外観。それでもやって来る蕎麦の尋常じゃない盛りっぷりは“脱いだらスゴイんです”的なインパクトも充分。
ホジホジからの、
ぬわーん。
ラー油タップリの甘辛いつゆにヒタヒタからの、
ズヴィヴィヴィ…ぼっふ、ヴィン!
ラー油の刺激と胡麻や海苔がノドに差し掛かる際、思わず「ぼふっ!」とむせ返ったりもするんですが、ああ、良いな、こういうの引っくるめて「港屋」なんだよなーと。
豚肉と一緒に啜ればピリ辛しゃぶしゃぶ感覚。
卓上の天かすや唐辛子をまぶして新鮮な食感と味わいをプラス。
生玉子をポチャンしてまろやかすき焼き風に。
あっという間に完食です!(汚いのでモザイク処理済み)
実際食べてみての感覚値ですが、本店の並盛りより多く大盛りより少ない、中盛りくらいの分量……400g前後かなーと。
もちろん蕎麦の量を少なくしたり、ラー油の増減やら各種トッピングを少なめ or 無しと物申したりも可能なのでご安心ください。
ちなみに、左上のコップはお冷ではなく蕎麦湯。
ただ、気をつけるべき点としては、水を含む水分の提供を行っていないため、飲みながら食べたい場合は各自持ち込むことで対応しましょうってことですかね。
蕎麦湯で割ってつゆを飲むことでカラダも温まりますし、だから寒い季節でも冷たい肉そばのみと潔いんでしょうが、そういった部分も実に思い切っているなと。
お店出てすぐに広場とベンチがあり、食後の休憩もバッチリ。
星野リゾートが提唱する日本文化の一環として招かれた「港屋2」、一風変わったカルチャーが大手町でどう受け入れられるのか楽しみです
「星のや東京」を運営する星野リゾート(本社・長野県軽井沢町)の広報担当者は「日本文化を発信している高級日本旅館として、立ち食いそば屋も素晴らしい日本文化であり、外国人ビジネスマンなどにぜひ立ち寄ってほしいと考えて、港屋さんを誘致した。店の内装や1杯1000円という値段など、ラグジュアリー感にはこだわっている。そばをズズッとすすりながら食べるのも日本の文化。大手町のビジネスマン、ビジネスウーマンの皆さんは、外国人ビジネスマンに手本を示していただければ」と説明する。
「星のや東京」も「港屋2」も、これまで脈々と受け継がれて来た歴史を鵜呑みにすることなく独自の解釈をプラスした新しい日本文化って側面が相当強いとは思うんですが、どちらも引く手数多の繁盛っぷりになる日もそう遠くないんだろうなーと。直感ですがそんな気がしております。
個人的に面白いと感じたのは「港屋2」がかつての本店を彷彿とさせる点。黒い外壁、初期からあったとされる冷たい肉そばの1本勝負、それらには原点回帰の意味合いも込められているかもしれませんし、単なる支店に留まりそうにない発展の可能性すら垣間見えます。
大手町は今日も工事、工事、大工事!
いずれにせよ、大人の遊び心満載な1軒。近くにお越しの際は、あるいはおれのように「星のや東京」に泊まれないけど「星のや」とひとつになりたい場合は気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
店名 | 港屋2(Minatoya 2) |
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住所 | 東京都千代田区大手町1-9-1 星のや東京1F(地図) |
電話番号 | - |
営業時間 | 11:30~16:30、17:30~19:30(売切れ次第終了) |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
最寄駅 | 大手町駅 |