パン・海苔・バター・醤油。それだけなのにめっぽうウマイ!
“シンプル・イズ・ベスト”とはよく言ったものですが、まさにそれを体現しているなーと肌で感じるのが東京・神田で約半世紀続く老舗「エース」の元祖のりトースト。
のり弁をヒントに生まれたそのトーストは、誕生から40年以上経った現在も不変のレシピで作り続けられ、今や日本全国に数多くのファンを抱えるほどの名物に発展。
11:30までのモーニングサービスだとおかわり自由のブレンドコーヒーとセットで500円。単品でも170円とお手頃!
どこぞの駅の喫茶店とかではなく、JR神田駅から徒歩2分とアクセス抜群の場所にあるにも関わらずワンコインで楽しめちゃうステキな朝。
この記事読んで居ても立ってもいられなくなったら明日にでも行ってみてください!
JR神田駅徒歩2分。1971年(昭和46年)創業の老舗「珈琲専門店 エース」
ご覧よこの佇まい。大変そそります。
JR神田駅から向かう場合は、北口 or 西口を出て、「カラオケの鉄人」がある通りを道なりにまっすぐ進みます。
2本ほど交差点を突っ切りますが、ひたすらまっすぐ。
すると左手に、ご覧よこの佇まいでおなじみの「エース」がございます。シブ過ぎますね。
JR神田駅以外にも、地下鉄の神田・淡路町・小川町各駅からも余裕で歩けます。神保町とかからお散歩がてら向かうのもアリ。
ポケストップにもなっているので、ポケモントレーナーの皆さんはどうぐだけじゃなく元祖のりトーストもゲットしましょう。
カウンター6席・テーブル20席の計26席、昭和レトロな外観以上に落ち着く店内は全面喫煙可
全時間帯で喫煙可能なため、当たり前のように灰皿が。
だからっていかにも煙臭いことはなく、掃除も行き届いていて快適。
「どうしても喫煙可なお店は解せん」という方へ。コーヒーや元祖のりトーストなどは持ち帰りもできるのでご安心を。
今年で創業46年。なんだけどカチッとした堅苦しさ皆無、見渡すと色々楽しい空間。
冷蔵ショーケース上の黒電話は今も現役。リンリン鳴るとなつかしさよりも目新しさを感じる世代も多いことでしょう。
写真左下、出入口からだと入って右手下の棚から好みの新聞・雑誌を手に取って空いている席に座ると通ぶれます。(たぶん)
「コーヒー界のエースになる」と誓い、1971年のオープン時から独自路線を貫き続けて来た清水兄弟が現オーナー。
先代のお父さんが立ち上げ、5人兄弟の内の2人が跡を継ぎ今に至る「エース」は、開業当初周辺に乱立しまくっていた喫茶店との差別化を図るため、当時としては珍しいサイフォン式を導入したり扱うコーヒー豆の種類を増やしたりと様々な工夫を凝らしたそうで、元祖のりトーストもその一環で生まれたロングセラー商品。
1杯1杯丁寧にコーヒーを淹れたり名物トーストなどをこしらえたりする兄の英勝さん。
ダンディという言葉がしっくり、接客メインの弟・徹夫さん。
神田で連日客足が途絶えない有名店だから、やれ支店を展開したり明日を担う若者にバトンタッチできたりしそうなもんですが、70歳をとうに越えてもおふたりは現役バリバリ。
まさに初志貫徹という言葉を絵に描いたような立ち振舞い。よっぽどコーヒーが好きなんだなーとただただ脱帽です。
開店から11:30までの4時間半、お得なモーニングサービスを実施
おかわり自由のブレンドコーヒー&元祖のりトーストのセットが500円で楽しめます。
通常420円のブレンド+170円の元祖のりトースト=590円がワンコインの500円と90円引き。
「ほぼコーヒー代だけで名物トーストも付いてる、そんなツイてる朝は『神田エース』で!」とでも覚えておきましょう!語呂、全然よくないけど。
アイスコーヒーにしたりハムトーストのBセットにすると520円以上になりますが、特に問題なければAセットで。
この時、「モーニング(ひとつ)」と言うと「どちらになさいますか?」と返されるので、「Aセット(ひとつ)」と注文するよう心掛けましょう。
モーニングタイムでもブレンド以外のコーヒーを頼めます。
これはほんの一部で、「エース」ではブレンド・ストレート含めて世界のコーヒー40種類・紅茶もフレーバーティーやミルクティーなどを10種類以上・ソフトドリンクも定番のオレンジジュースなどに加えてレモンスカッシュやレモネードなど、実に60種類以上と大変豊富なドリンクメニュー。コーヒー通じゃなくても通える気軽さが嬉しい。
ちなみに、この見たようで見たことがないメニューのフォントやPOPはお兄さんの手書きというから地味に驚き。
とても神経を使う作業なのは想像に難くありませんが、そんなお兄さんが細やかに淹れるコーヒー、おいしくないワケがありませんよね。
トーストメニュー。おすすめは当然のりトースト。
ローストビーフサンドも気になるし、のりトーストよりもただのトーストの方が高いのも気にはなりますが*1、初めて訪れる方、久しぶりに足を運ばれる方ほど名物の元祖のりトースト一択、これしかない!
好評博して約50年!神田「珈琲専門店 エース」名物・元祖のりトースト&ブレンドコーヒーで迎えるモーニング
どどんとご到着。
こうすると写真映えするかもしれませんし、トーストをおっ立てるだけでも漂うバター醤油と海苔の芳ばしい香り。
いや、香りだなんて生易しいもんじゃないな。これはね、香りじゃなくカホリ。匂いじゃなくニホイ。もうニホヒと言っても差し支えないかもしれない…って段々まずそうに聞こえて参りましたが、鼻を近づけずとも自然と感じられるこのカホリ、実に食欲を刺激します。
シンプルに、醤油かけた食パンに海苔挟んで焼いて、仕上げにバターを塗っただけ。
それこそ1行で説明できちゃうのに、「何でこんなにウマイんじゃボケー!!!!」って、のりトースト4ピース分にちなんでつい感嘆符4つ分の雄叫びを上げちゃうくらいにね、ウマイっす。
まあ語尾のボケは余計でしたが、ホントね、最高にウマイ!!!!
霧吹きを使う・S字を書くようにダダダと醤油をかける・トーストの焼き目側にのみバターを塗る……細かいテクニックこそ見受けられますが、超絶難しいワケでもない。タネも仕掛けもありませんと断言しても何ら問題ないレヴェル。
なのにこのディープインパクト!!!!
中身は焼き海苔だけなのに気分はノリノリ。
バターと醤油が鉄板の組み合わせなのは言わずもがな、そこに海苔の風味が加わる。
ただ、それだけだとのり弁の類いなんだけど、そこを米じゃなくパンにしているからか、おこげほど香ばしくない、だからこそ絶妙な塩梅に仕上がっておりますと。発明というより新発見に近い味わい。
元祖のりトーストは1つにつき8枚切り食パン4枚分を使用。
醤油をソースに変える、焼き海苔を生海苔に変える、パンの種類を変える、調味料や具に別の何かを加えてみる、あるいはいっそ引いてみる…試行錯誤のし甲斐ありまくりとも言えますが、いやでもこの元祖のりトースト、本当に“シンプル・イズ・ベスト”そのもの。恐ろしいくらいに高い完成度を誇っております。
1ピースずつガブリ、豪快に2ピースガヴリシャス*2しても美味しい!
日本人なら誰もが1度は口にしたことがあるような、手軽な材料だからこそ気軽にゴチャゴチャ考えずにいただけるってのも大きいんでしょう。海原雄山あたりの美食家に食べた感想聞いてみたいものね。
なお、注文時に「耳付きで」と添えればボリュームアップな状態で、そこに。
耳がある分、1ピースでも気分はガヴリシャス!
磯辺焼きのような一体感を求めるならデフォルトの耳なしがおすすめですが、耳ありだとより香ばしさと野性味が強調されるのと、お腹が膨れやすいって利点がありますね。食べ比べてみるのも面白いかと。
その愛しさを、添い寝風に表現。
そして毎度、興奮もトーストも冷めやらぬうちに完食!
午前中はブレンドコーヒーのおかわり自由だから、つまり元祖のりトースト代だけで無限のりトーストが現実のものとなるワケです。
まあ、時間とお金はかかるし、何より空腹であり続けることが条件ですけどね。
名物トーストだけがすべてじゃない!この雰囲気で味わうからこそウマイんだ!
珠玉のコーヒーと呼ばれるゴールデンキャメル。
中心のバターを溶かしながら食べるアメリカンドーナッツとか。
元祖のりトースト以外にも「おお、コレコレ!」と口走りたくなる逸品に出逢えるかもしれませんが、それでも「エース」の何がいいって、店内でふたりの兄弟が醸し出す空気感を中心とした居心地、これに尽きるんじゃないかと。
普通に食べてもおいしいよ!でも「エース」だから、美味しい。
BGMはなく、他のお客さん同士やマスター達との話し声、サイフォンから立ち上がる湯気の音、ジリリンリンリン黒電話、トースターのチン、風鈴の音と呼ぶには大胆過ぎる製氷機の氷が奏でる落下音、窓からうっすら差し込む太陽の光。それらが渾然一体となって創り上げる空間、それはもはや唯一無二。
料理って、単純に誰かに作ってもらうだけでも嬉しいしおいしいもんだけど、熟練の手によること、神田で半世紀近くやり続けてきたという歴史的事実もね、ただの空間で口にするより何倍も美味しいと感じさせてくれる、足を運んで本当によかったと思えるひと時がね、たまりません。
お兄さんに「のりトースト美味しかったです!」とノリノリでお伝えしたら、記念にといただいた元祖のりトースト(ののぼり旗)。
「女の子にも人気があるんですよー」とのことで2つもいただいてしまいましたが、それはまあおれが絶賛恋人募集中に見えたからなんでしょうけど、基本的に敬語・物腰柔らか・だけど気さく、そんな下町人情にもあふれているから、マスター達に会いたいがために訪れるファンも少なくないんじゃないかと考えます。
のぼり旗、オシャレ風にインスタアップ!
明らかに女性よりも男性アカウントからのいいね!が多いのはおれの人徳の賜物ってヤツですが、いいね!をくれた方々や読者の皆さん、何より神田の老舗「珈琲専門店 エース」をこれからも愛し続けたいと思います。
店舗情報
店名 | 珈琲専門店 エース |
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住所 | 東京都千代田区内神田3-10-6(地図) |
電話番号 | 03-3256-3941 |
営業時間(月~金) | 07:00~19:00 |
営業時間(土曜日) | 07:00~14:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
支払い | レジにて後金制 |
席数 | 26席 |
タバコ | 全面喫煙可 |
最寄駅 | 神田駅、淡路町駅、小川町駅 |
駐車場 | なし(お店目の前に1台分のパーキングメーターや近隣にコインパーキングあり) |