様々なラーメンを食べることに困らない東京において、たまに無性に食べたくなるのが昔ながらの醤油ラーメン。
1杯のラーメンをズビビン啜り上げるのも懐かしおいしいワケですが、そこにちょっとしたサイドメニューがあるともうカンペキ。
チャーシューご飯に卵かけご飯、さらにはその店こだわりの丼ものだとかまあ色々ございますが、なんてったって興奮しちゃうのがチャーハン。丸々1つだとちょっと多い、でもラーメン1杯だけだと物足りないって時に魅力的なのが半チャーハンの存在!
世界最大規模の古書店街・神保町は、ラーメン&チャーハン半分の“半チャンラーメン”発祥の地としても(個人的に)有名。
同セットメニュー誕生から約半世紀が経過した今でも、老舗を中心にお手頃価格で半チャンラーメンを楽しめちゃう、要するに一言で、素晴らしい町なのです!
今回はそんな神保町で“半チャンラーメン御三家”と称される老舗3軒+1軒の計4軒をまとめてご紹介。気になるお店がありましたら明日にでも行ってみてください!
すべてはここから始まった!半チャンラーメン発祥の店「さぶちゃん」
1967年(昭和42年)創業と今年でジャスト50周年!
オープン時よりラーメンとチャーハンの両方が人気だったそうで、翌1968年(昭和43年)にお客さんの「ラーメンもチャーハンも食べたいからチャーハンを半分で出して欲しい」という要望から生まれたのが半チャンラーメン。
ブイヨンの手法を取り入れた生姜香る醤油ラーメンは優しいけれど、
全身にラードをまとった濃い味付けの半チャーハンは力強いの一言。
パラパラなんて何のその、アブラっぽくてしょっぱいチャーハンはこのラーメンとセットだから生きるというもの。
皆さんが普段口にする半チャンラーメンの原点を知るって意味でも訪れて欲しいスポット。
「さぶちゃん」的には“半ちゃんらーめん”と達筆ひらがな表記なのも味わい深いですね。
御三家最安値の半チャンラーメン630円!ラーメン単品なら430円と破格すぎる老舗「伊峡」
「さぶちゃん」開店の前年1966年(昭和41年)創業とこれまた50年超の老舗。
老舗といえばそれだけで高くつきそうってイメージは付き物ですが、「伊峡」の場合はラーメン単品430円、半チャンラーメンでも630円とお得も良いところ。
素朴な味付けの半チャーハンは和風ラーメンとの相性も良好。
麺類の提供ともども実にスピーディーで、“早い・安い・旨い”の三拍子を今なお実証し続けている都会の貴重な1軒と言えるでしょう。
御三家最古参。神保町屈指の老舗中華「成光」
「せいこう」ではなく「なりみつ」。
最も、多くの飲食店が生まれては消えを繰り返す東京において60年以上の歴史を誇っている時点で“成功”以外の何物でもありませんが、ここでもご覧のような昔なつかしい1杯がいただけます。
醤油っ気の強いラーメンに寄り添うように半チャーハンもまた香ばしい味わい。
ラーメン専門店というよりは老舗町中華の部類で、歴史もメニュー数も御三家随一。半チャンラーメンは当然人気ですが、日替りランチやら単品だとかを楽しむお客さんも多数。
「成光に行くぞ!」って気合い入れて訪問するよりは「とりあえず中華屋さんでメシでも食おう」って軽い気持ちとともに暖簾をくぐりたいところであります。
御三家と絡め四天王と称するファンも少なくない「たいよう軒」
デフォルトのラーメン1杯500円は「伊峡」に次ぐ安さ。
安いからって粗末に作られるとかそんなことは一切なく、ご覧のように厚めにカットされたチャーシュー2枚を筆頭に、ラーメンに乗っかっていると嬉しいトッピングがちらほらと。しかも麺大盛り無料!
チャーハン単品500円、半チャーハンは半分だからと律儀に250円。
半分と言っても一般的なお店の普通サイズに相当しそうなボリュームで、パラパラ仕様。だから半チャンラーメン麺大盛り750円を頼めばまあ大体の方はお腹いっぱいになるんじゃないかと思うんです。
専修大学が真正面にあって、学食代わりに利用する学生さんも多いんじゃないかな。
チャーシューワンタンメンだとそれはそれは圧巻のビジュアル。
もちろん量に限らず味も個人的にかなり好みで、家の近くにあるとすっごい嬉しいタイプのラーメン屋さん。「成光」ほどじゃないけど麺類以外に丼ものやら定食も扱っているので、そういうのをいただきに参る楽しみがありますね。
末永く続いて欲しい都会のエアポケット
「さぶちゃん」「伊峡」「成光」「たいよう軒」、いずれも精悍な外観。残したい佇まい。
今回紹介したこれら4軒が東京の中心・千代田区神田神保町で今日も淡々と切り盛りし続けている、もうそれだけで嬉しい限り。
まだまだ東京には安くて旨い半チャンラーメンを出すお店はありそうですが、そういったお店も利用しつつ、これからも御三家+1を大切にして行きたいと思います。