めでたいトースト、ただただ愛でたい。
名古屋の喫茶店文化を語る上で欠かすことができない存在として、市内に9店舗を構える純喫茶「コンパル」を取り上げましたが、個人経営出身の老舗も忘れてはなりません。
1972年(昭和47年)創業の「コーヒーショップ KAKO(かこ)花車本店」は、名古屋で初めて自家焙煎のコーヒーを出した老舗。
そのコーヒーの味は言わずもがな、日々店内でこしらえる自家製コンフィチュールがまたおいしく、そんな手作りのジャムを1度に4種類も楽しめちゃうトーストがね、またそそるワケですよ。
名古屋市営地下鉄桜通線・国際センター駅3番出口徒歩3分。創業約半世紀の老舗でありつつ、穴場感も漂うコーヒー専門店「KAKO 花車本店」
そこは駐輪場でも何でもないのに当たり前のように停められる地元民のチャリンコ。
若いお客さんだけじゃなく古くからの常連さんにも愛されていることが自ずと伝わって来ますよね。
現在の名古屋市中村区名駅エリアがかつて花車町(はなくるまちょう)という地名だったことから、単に本店ではなく花車本店。
“長年この地でやって来たんだ”という老舗の挟持とやらが伺えますが、もちろん堅苦しさは皆無、むしろアットホームな雰囲気で居心地も良好なのでご安心を。
4名掛けボックス席2卓とカウンター、全席喫煙可能な18の席。
カウンターの中では創業者のマスターが慣れた手つきでコンフィチュールを仕込んだりコーヒーを淹れたり。
ホールはそんなマスターと孫くらい年の離れた女性スタッフが担当。
彼らと年配常連客との会話やうっすらと流れる穏やかなBGM。
ここぞとばかりに普段吸わないタバコを取り出しくゆらす紫煙。
ボックス席からやや遠巻きにして立つ煙の先を眺めると、平成の今から30年以上タイムスリップした昭和の光景がそこに。
……落ち着くなぁ。
入店時の挨拶が「いらっしゃいませ」ではなく「おはようございます」、会計時も「ありがとうございます」ではなく「いってらっしゃい」なのも、そういう印象に拍車をかけている気がします。
ヨーロピアンテイストの調度品やこのステンドグラス、居座るどころか住み着きたい。
振り子時計もまたそそるんだ。
そしてタップリのお冷はこぼれないようすするんだ。
11:00までの4時間はお得なモーニングを実施。
すべてのドリンクにパンが付き、どのドリンクにするか、トッピングを何にするかで料金が変わる仕組み。
ブレンドコーヒーは400円。そこにコンフィチュールをトッピングの場合は+100円で500円とワンコイン価格。
モーニングのトッピングについて
シャンティー
生クリーム+コンフィチュール+バターで、ドリンク代+250円
クリームチーズ
クリームチーズ+コンフィチュール+バターで、ドリンク代+200円
コンフィチュール
コンフィチュール+バターで、ドリンク代+100円
トッピングなし
バタートースト or いちごジャムトースト付きで、ドリンク代のみ
その他
シャンティールージュスペシャル
- バタートースト+コンフィチュール+生クリーム+自家製あんこ
- モーニング中はドリンク代+350円
- 単品600円
ランチサービス
- 11:30~15:00の3時間半限定、毎日実施
- スープランチ(880円)・ジャムセット(950円)・クリームチーズセット(950円)・エッグサンドセット(1,000円)の4種類
詳細は店舗にてご確認ください。
※未食のため概要のみの紹介となりますが、ランチサービスを利用した暁にはこの記事に追記か新しい記事で取り上げたいと思います。
アツアツトーストで香り立つ自家製ジャム。「KAKO 花車本店」のコンフィチュールモーニングセット
ブレンドコーヒー&コンフィチュールバタートースト。
おかわり自由が嬉しいブレンドコーヒー。
コロンビア・スプレモ・ナリーニョを主体に、ブラジル・アララ18・グアテマラ・ゴロカブルマン。
貴重な一級品の豆を配合したという自称・スーパープレミアムブレンドなそれは(さすがにどれがどの風味だコクだ香りだ何だまでは分かりかねますが)、深煎りならではの強い苦味が朝の目覚めに一役買いそうですし、コーヒーフレッシュや砂糖を入れてもぼやけない底力がウリって感じでしょうか。
何も加えず飲むことでコンフィチュールの甘味と酸味が引き立てられるし、逆にコーヒーの魅力も引き出す効果があるのかも。
旬の果実が原材料、季節ごとに変わるコンフィチュール。
左上から時計回りに、バナナ&黒糖・桃・パイナップル・オレンジマーマレード、だったかな。その時々のコンフィチュールはカウンターや公式サイトで確認可能。
また、事前に何が乗るかを把握した上で「パイナップル少なめ」といった具合に注文するのが常連風で、こちとら頻繁に足を運べない身だからそういうカスタマイズに乗り出せるご身分が何ともはや。
モーニング中は無料とはいえ、いちごジャムトーストだってそれはもう甘酢っぱうまい!
なお、花車本店から徒歩2分ほどの場所にある柳橋店は、50席と広くランチメニューなども充実。
近くの席で学生らが勉強しつつも雑談に明け暮れていたことから判断するに、本店より普段使いに特化した感じで、個人的には本店推し。
ブレンド飲みつつコンフィチュールトーストかじって一息つき、モード学園のスパイラルタワーズが如くカラダをひねって伸ばすそんな朝。気軽に迎えられる名古屋人が羨ましい限りです。
…まあそんな特殊な人、そうそういないと思いますけどね。
店舗情報
店名 | コーヒーショップ KAKO(かこ)花車本店 |
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住所 | 愛知県名古屋市中村区名駅5-16-17(地図) |
電話番号 | 052-586-0239 |
営業時間(月~金) | 07:00~19:00 |
営業時間(土日祝) | 07:00~17:00 |
定休日 | 不定休(元旦以外は基本的に営業) |
支払い | レジにて後金制 |
席数 | 18席 |
タバコ | 全面喫煙可 |
最寄駅 | 国際センター駅、名古屋駅、伏見駅 |
駐車場 | - |