己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

【孤独のグルメ】信濃町のペルー料理「ティアスサナ」のフレホーレス&ロモサルタード各セットetc.を胃袋にツインシュートしてきた

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「このタマネギ 箸休めを超えた箸休めだ」

昨年9月末に満を持して発売されたっぽい「孤独のグルメ2」なんですが、いるのかいないのかよく分かんないくらいの己【おれ】読者の皆さんはもちろん手に取りましたよね!?

アンニュイな表情が目印の2巻。主人公の歩きタバコを注意する要領で手に取りましょう。

そんな18年ぶりの最新巻が刊行されて早3ヶ月以上経ち、多くの方々が実在店舗を巡りたくて巡りたくて発狂しかねないかもしれないこのタイミングで、同作品第2話「東京都新宿区信濃町のペルー料理」の舞台となったスポーツカフェ「ティアスサナ」の聖地巡礼レポートをね、今回はお届けしたいと思います。

JR信濃町駅徒歩5分、外苑東通りから1本路地に入ったところにあるペルー料理レストラン「ティアスサナ」

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大通り沿いにノボリ旗やら立て看板が出ていたものの、最初気づかず素通りしてしまいました。

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信濃町駅以外だと地下鉄・四谷三丁目駅、もしくは国立競技場駅からも10分前後でアクセスできます。

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今や取り巻く環境は一変したからか、「孤独のグルメに載った店」という一言にもある種の説得力が感じられますね。

そうなると「長年孤独のグルメネタを扱ってきた当ブログ」の説得力もかなーり増してもいいハズなんですが、いまだ「己 おれ」じゃなく「乙 おれ」とねぎらい検索してくるユーザーがいるのは、越前リョーマ的に「まだまだだね」といったところなんでしょうね、チッ!

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階段を下りて地下1階のお店に入ります。

1971年(昭和46年)銀座に誕生して1985年閉店。20年以上の時を経て2007年信濃町に再オープンした「ティアスサナ」

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ゴローちゃんは「サッカーファンの店?」とコメントしましたが、

そもそもJリーグ発足(1993年)の四半世紀近く前に創業したんだから歴史が違うし、単なるサッカーファンのお店って言葉ではくくれない重みとやらがあるワケですね。

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ペルー料理店としてオープンし、南米ではサッカーは切っても切り離せない関係性ということで、

ペレ、マラドーナ、ジーコといった往年のスーパースターのサインだ写真だポスターやらが壁一面に飾られており、サッカー通じゃなくても見ていて飽きさせない魅力とやらがございます。

これらの貴重な展示物を汚さないよう全席禁煙ということで、非喫煙者も安心して通えるのもポイント高いですね。

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広くない入口が、最大50名近く収容できる店内をより大きく見せている気がしました。

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こんな風にオーナー自らマンツーマンでの接客をしてくれます。

場所柄、すぐ近くにある慶応義塾大学医学部の学生やらサラリーマンが常連客で、おれのように「孤独のグルメ」経由で訪れる方々に対しては作品にまつわるエピソードを披露してくれたり、ゴローちゃんが座った席(※リアルでは取材時に原作者・久住昌之氏が座った席)に案内してくれたりと至れり尽くせりのサービス精神が印象的でした。

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セットメニューはホットコーヒー付きで、写真のメニュー以外にもアラカルトや中南米の地酒にコース料理と充実。

原作にあやかり、ペルーでは一般的な家庭料理とされるフレホーレスのセットにインカコーラをオーダー。

黄色に見えるか金色に見えるかはアナタ次第?かつて栄華を極めた黄金文明「インカ帝国」にちなんで作られたインカコーラ(500円)

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ゴローちゃんの黄色発言にオーナーは「ダメダメ これは黄色じゃない 金色」と諭しましたが、おれも同じく黄色に見えました。

実際のところ黄色と回答しても特に怒られることなく柔和な笑顔を返していただきましたが、そんなインカコーラの味は炭酸が抜け気味のリアルゴールドやオロナミンCに近い味わい。

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グビッと。

ただ、水質が悪いペルーだと観光客にとっては命の水とも呼ぶべきシロモノ。なるほど、生命活動を維持するための水分補給って意味ではこのぐらい気の抜けた方が案外ちょうどいいのかも。強炭酸飲料なんてとてもじゃないけど量をこなせませんからね。

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金色と言われて「へえ」と答えるも心の中では納得し切れていない中年雑貨輸入商の建前と本音。

水に慣れていない原住民以外の人間の場合、氷を舐めるだけでもお腹を壊すレベルだそうで、ペルー旅行時のマストアイテムらしく。
ペットボトルの飲料水も普通に販売しているものの、中には水道水を瓶詰めしたヤツを売っている可能性が捨て切れないため、炭酸だとそれがごまかせないということで、インカコーラや泡立つ物をチョイスした方がいいんだとか。

いずれ世界遺産のナスカの地上絵や空中都市・マチュピチュを拝みに行きたい身としては何ともタメになるおハナシです。

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おもちゃっぽい味と評しつつも嫌いじゃないと心の声。

まあ、インカコーラと称しつつも着色料(黄色4号)などが発色の原因となっているワケで、肩肘張らず気軽にYOUグビビングビビンしちゃいなよって感じですかね。

ちなみに本場ペルーだとインカコーラは瓶売りで、輸出目的の製缶技術はアメリカ頼みということで、缶の場合だと原産国はアメリカになっているんだとか。

日本でいうご飯と味噌汁に相当する金時豆、豚肉、タマネギの煮込みかけご飯。信濃町「ティアスサナ」のフレホーレスセット(900円)

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できる限り原作の絵を再現する形での撮影に成功。

同料金で230gのガーリックライスを180gに減らす代わりにちょこっとデザート付きのレディースセット、ライス、フレホーレスをそれぞれ30%増しの大盛り(1,050円)にすることも可能。

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はぐっとグッドなテイスト。

チリコンカーンに似た見た目にガーリックライスの組み合わせにいくらかの辛さを想像していましたが、全然辛くない。カレーライスよりはハヤシライスに近い親しみやすさがあり老若男女オールOK。

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付け合わせのタマネギを、まるで左手はそえるだけ…の桜木花道状態でそっと携えるように置いてもいいですし、

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こうやって絡めて適度な酸味をプラスしていただくのもアリ。

ペルーだと青唐辛子を刻んでお好みの辛さにしたフレホーレスを口にするそうですが、「ティアスサナ」の場合はハラペーニョソースで代用。それ以外は日本風にアレンジしたとかではない正真正銘ペルーの味付け、それなのに本当に親しみやすい。

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現場ではインカコーラに覚えた物足りなさを解消するために、ペルー産クリスタルビール(小瓶700円)でガチなリアルゴールドを補充していい感じになってました。実に親しみやすいビール!

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フレホーレスセット完食!(※汚いのでモザイク処理済み)

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そしてゴローちゃんにあやかりロモサルタードセットを注文。

さり気なく「箸休めを超えた箸休め」なる名言も飛び出します。

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そんな「ティアスサナ」のタマネギに関する豆知識は以下のとおり。

  • コーヒーカップでの提供は残ったスープも飲んで欲しいから
    • ゴローちゃんの「飲んじゃえ」からの「酸っぱうまい」はお店公認の食べ方なので気兼ねなく試してよし
  • 作中ではタマネギの酢漬けと表記されておりますが、正確にはタマネギの酢和えで、あちらではサルサ・クリオージャの名称で親しまれている
    • お酢じゃなくタマネギから出た水分をそのまま使用しているため厳密には漬け物と異なりますよということで
  • お店に足を運べばこのレシピを教えてくれるので気になる方は行ってみるべし
    • 魚を漬けてマリネにして食べてもおいしいらしい

ペルー版タマネギと豚肩ロース炒め。信濃町「ティアスサナ」のロモサルタードセット(1,200円)

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谷口ジロー氏の作画と少々異なり、ライスと炒め物がセパレートする形で登場。

フレホーレス同様に、レディースセット(1,200円)、各30%増しの大盛り(1,500円)もございます。

1軒で複数のセットメニューを口にする、胃袋にツインシュートを決めるだなんてこと、普段はまずしませんが、日頃から「ラーメン二郎」あたりで修行を積んでおくとこういう時に活きてくるからおすすめです!(※普通の人生には1mmも役立たないスキルですけどね)


ツインシュートといえばこの動画、わりとビックリしました。さすがはプロサッカー選手。

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フレホーレスセットと同じく、トッピングはチョリソー、ヤシの新芽、完熟黒オリーブにタマネギの酢和え。

酢和えと炒め物による「タマネギだらけになっちゃったぞ」な自業自得セリフを楽しみたい場合はこちらを頼んでおけば間違いないですね!(※そのセリフを口にしたいがために頼むのは間違いですけどね)

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ロモは豚の肩ロース、サルタードは炒めという意味。

ペルーだと単価が安いこともあり豚肉ではなく牛肉で作られるパターンもあるのだとか。何その日本だとまず見られない展開。

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つい“ご近所味”との感想をもらすゴローちゃん。

炒め物ならわざわざ揚げなくてもいいじゃないかとも思いますが、具材がフライドポテトでピリ辛仕様だから、スパイシーなホットスナックを味わっているかのような気分に浸れるのも面白い。

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ゴローちゃんみたく1人で2皿頼むお客さんはあまりいないらしく、

本来なら2セット分のホットコーヒー2杯となるところをオーナーのご厚意によりチチャモラーダというペルーではポピュラーなソフトドリンクにしていただきました。

紫トウモロコシ、パイナップル、リンゴなどの果実を砂糖、シナモンを加えて水煮して冷やすと完成。これまた初体験なんだけどどこかで飲んだことがあるっぽい不思議なテイスト。
サングリアのアルコールを飛ばして甘みを強くしたらこういうデキになるのかな。

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ジュースで口内が甘くなった分、ロモサルタードとタマネギの辛みと酸味が強調され、個人的に旨味倍増!!!

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と言いたいところですが、マスカット種の蒸留酒・ピスコソルディカ(1,000円)もチビチビやってのけていたので、単に気持ちよくなっていただけかもしれません。

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ロモサルタードセットもしっかり完食!(※やっぱり汚いのでモザイク処理済み)

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ドリンク類も完飲、って呑んだくれ以外の何者でもありませんね。

【余談】「孤独のグルメ」がみんなでご飯を食べるお国柄のペルー料理を採用した背景を考える

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店名の「ティアスサナ」とはスペイン語で“スサナおばさん”を意味し、漫画に登場するスサナさんは数年前に他界されました。

ペルーには孤食という考えは浸透しておらず、基本的にご飯は複数人で食べ、誰かの誕生日ともなればお祝いに20〜30人の友達が駆けつけ夜通しダンスパーティーを開催する。
何ともエネルギーに満ちあふれ、その片鱗を感じさせる「ティアスサナ」でしたし、「孤独のグルメ」のテーマから逸脱している風に見受けられますが、おれ自身の意見としては、誰かと一緒にメシを喰う文化があるからこそそのどちらも引き立つんじゃないかと。

己【おれ】なんて名前のブログをひっそり10年間もやってきましたし、基本的にマイペース、ひとり飯でもまったく問題ないということもあり、だからか「孤独のグルメ」が放つ孤高の世界観に共感し、こうして実店舗をフラフラ表敬訪問している節もありますが、それもこれも何だかんだで自分は孤独じゃないと心のどこかで信じられる人生を送ってこられたからなのかなって思います。

特にペルー人留学生の心の拠り所として重宝された開業当時からの先代の意思を受け継ぐ形で9年前にリニューアルオープンした「ティアスサナ」は、タマネギが箸休めを超えるように、いつの日かお客さん同士の心すらも飛び超え信濃町の地に深く根付くかもしれません。

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なんてことを考えたりしていたら、帰る頃には夜が更けていました。

店舗情報

店名 ペルー料理レストラン スポーツカフェ ティアスサナ
住所 東京都新宿区信濃町8-11 坂田ビルB1F(地図
電話番号 03-3226-8511
営業時間 11:30~23:00
定休日 不定休
最寄駅 信濃町駅、四谷三丁目駅、国立競技場駅


出典(作品情報)