2017/07/07:本文・写真など更新
限りなく透明に近い塩味スープは呑んだ後だと特に沁みますね。
たこ焼き、お好み焼き、串かつなどなど。
いずれも大阪に来たーと実感できるご当地グルメなんですが、おれにとって欠かすことのできない大阪グルメ、ズバリ、大阪に行くと毎回口にするのが、1971年(昭和46年)創業と約50年の老舗「小洞天(しょうどうてん)」のアッサリ塩ラーメンでございます。
大阪市営地下鉄・日本橋駅徒歩3分。半世紀近くの歴史を誇る老舗ラーメン専門店「小洞天」
「にっぽんばし」or「にほんばし」と読むかで出身分かりそうな気がする。で、大阪だと日本橋駅(にっぽんばしえき)なんですが、
千日前の雑居ビル内にぽつんと店を構える「小洞天」。
黄色と黒の組み合わせって、蜂や「ラーメン二郎」に代表されるように自然界の警告色とされておりますが、「小洞天」の場合は不思議とそうは感じず、まるで街灯に群がる蛾ってこんな気持ちなんだろうなーと思いつつ、いや、蛾にそんな感情などないか、それに例えも微妙だし、とにかく躊躇せずに暖簾をくぐりますよね。
ちなみに、
ビル裏手から入るとより一層の穴場感。
日曜日・祝日休みの夜営業のみ。10席ほどのカウンターと二人三脚でのおもてなし
コッテリし過ぎず程よい距離感での接客。
「キッチン マロ」のマスターを彷彿とさせる、キビキビッとしたいい声のご主人、落ち着いた奥様の身のこなしを見ているだけでも足を運んで正解と毎度確信。
夫婦水入らずのラーメンをフーフー水入らずで食して「アチッ」と口ずさむ常連さんもさぞ多いことでしょう。いないか
テレビを観たり、適度に談笑しつつも目の前の仕事をキッチリこなすご主人。
また、初対面っぽいのにお客さん同士の打ち解けっぷりの早さが半端無いのも大阪って土地柄が多分に影響してそうな雰囲気。
麺類とギョーザときゅうりに酒。どシンプル、だが、それがいい。
大盛ラーメンには麺が2玉入り、完食したお客さんが「お腹いっぱいになったわー」と口を開けば「北海道の塩ラーメンはー…」と相槌なようで相槌になっていないレスをするお連れさんとか。
それでも何だかんだで成立しちゃっている風のやり取り、聞いてて面白い会話ってつい気が緩んじゃいますよね。
最初にグビグビール、きゅうりポリポリタイムを入れることでしばらくこの空間を満喫。
きゅうりはキムチ付と記載されているけれど、オイキムチほど辛くない&ピリ辛一歩手前と食べやすい。ポリポリリズムとリズミカルに箸が進みます。
卓上に置かれたおろしニンニクで刺激をプラスするのもアリ。
1人でも2皿は余裕でイケちゃいそうな、というか実際おかわりしたカリカリクリスピータイプの焼ギョーザ。
しっかり焼き上げることで生まれる香ばしさはスーパードライにすこぶる合うし、自家製ラー油との相性も抜群。
このラー油はきゅうりに辛さが足りないと感じる場合の調味料としても使えますね。
お酒が飲めない、飲み過ぎてもういいや&でも〆たいって場合は、普通にウーロン茶とセットで頼むのだってオッケー。
呑んだ後でも優しい、下戸な方にもきっと嬉しい。千日前「小洞天」のアッサリ塩味スープのワンタン麺
ラーメンにちょこんと乗るモヤシって、どうしてこんなにそそるんだろうね?
具は、ダシを取った後の豚肉で仕込んだっぽいチャーシュー2枚・モヤシ・刻みネギ・パラリ白ゴマがデフォルト。ワンタン麺だとここにチュルッチュルのワンタンが入りますと。
オヤジさんがスープ鍋のフタを持ち上げた瞬間にフワッと漂う芳醇な鶏のカホリ。
寸胴に鼻を近づけられない分、レンゲですくった塩スープをこれでもかとクンカクンカして口から喉へと流し込むとね、見た目はちょっと頼りないくらいに透明なんだけど、でも塩分も胡椒っ気も効いたハッキリとする味わい。絶妙な塩加減&飲んだ後に最高!
平ザルでの入念な湯切りを経た中細ストレート麺。
見るからにチュルッ、無理せずチュルリラ吸い込めるワンタンは、まさに雲を呑むかのごとく大変なめらかな舌触り。
いくらかの粉っぽさを伴いつつも、それでもワンタンと一緒に啜り込んでもまったく違和感のない仕上がり。
こんな風にチュルリラズビビン!
麺とワンタンの自己主張が控えめだからこそ、塩味が引き立ってくるってもんですよ。
スープを張っただけの状態なら難なく蛍光灯の明かりを丼底に通しちゃいそうなくらい透き通っているのにね、不思議だよね。
フルスペックの叉焼ワンタン麺にすると丼もより豪華に。
ポリポリシャキシャキの漬け物感覚でいただける関西の細いモヤシ。関東の太いモヤシに慣れていると微妙に違和感を覚えるかもしれませんが、この優しい塩ラーメンにはこの細モヤシがありがたい。
で、ご覧のとおり完食!
日曜日・祝日休みの夜営業のみ。長年の夜鳴きスタイルとカウンター席のみの狭さがフィルタとなり、観光客よりも地元客、それも酔いが回った状態での訪問客が多いから、開店早々の18:00台よりも21:00以降がピークタイム。
いわゆる大阪らしいラーメンにあやかりたいなら、近場の「神座」や「金龍ラーメン」の方が万人ウケするかもしれませんし、今風のよくできたラーメンとはまったく異なるんだけど、大阪に住んでいれば事あるごとに通っているだろうし、気兼ねなくアクセスできる皆さんが本当に羨ましい。
洞天とは神仙が住む名山勝境のことらしく、こじんまりとしたお店なんだけど、そんなお店で過ごすほんのわずかな時間、どこか達観したような気分で「大阪にやって来たぞ」って感慨にふけるのです。
あと、羨ましいといったら、カールうすあじがいつでも買える環境なのも羨ましい!(東日本ではカール自体が買えなくなりますしね)
店舗情報
店名 | 小洞天(しょうどうてん) |
---|---|
住所 | 大阪府大阪市中央区千日前1-6-10 千寿ビル1F(地図) |
電話番号 | 06-6213-1623 |
営業時間 | 18:00~26:30(売切れ次第終了) |
定休日 | 日曜日・祝日 |
支払い | 後金制 |
席数 | 10席 |
タバコ | 禁煙 |
最寄駅 | 日本橋駅、なんば駅 |
駐車場 | 近隣にコインパーキングあり |