激アツの豚骨魚介スープが並々注がれた秋田「長寿軒」の1杯。
暑い季節にゃ冷たいもんがお決まりなのは言わずもがなですが、尋常じゃない量の汗をかきながらアツアツのラーメンをハフハフズビビン啜り込む夏のひと時だってまた捨てがたいもの。
写真が若干暗いのは、日差しが強すぎて逆光風に撮れたからです。
連日蒸し暑いですが、そんな酷暑でもふとしたタイミングでまた食べたいと思えるのが、秋田県湯沢市の老舗ラーメン店「長寿軒」の1杯でして、意外なことにも裏メニューは650円のチャーシューメン。
店内にはラーメンとその大盛2つの木札しか掲げられておらず、常連さんを中心に「普通」やら「大盛」と告げることから「チャーシューメン!」とコールできることが地味に知られていないようで、今回はそんな古参店の裏メニューを紹介してみたいと思います。
カウンター6席、6名掛け中心のテーブル5卓となかなかの収容力。それでも基本メニューはラーメンのみと硬派な佇まい
木札からも分かるように、お品書きはラーメン(550円)とその大盛(700円)のみ。
メインの調理と配膳は女性スタッフによるもので、消費税増税前は普通盛と大盛はそれぞれ500円、650円と50円引きで楽しめました。
常連さんと思しき方々は入店とほぼ同時に「普通」「大盛」などと伝えながら着席する感じで、予備知識がないとついそれに従ってしまいそうになりますが、一歩踏み込み「チャーシューメン」だとか「普通の麺固め」とオーダーすることも可能です。
品数が限られていると何食べるか熟考しなくて済む分、提供までの時間がゆっくりと過ごせる、そんな気がします。
ヤケドするくらいにアツイ、でもおいしい!秋田「長寿軒」の裏メニュー・チャーシューメン650円
厚い油膜で覆われて分かりづらいですが、チャーシューメンです。
チャーシュー以外の具は、刻みネギ、メンマ、海苔、それとお麩。
縁までしっかり張られたアツアツの豚骨魚介スープ。そんな丼ぶりをお盆も使わず厨房から素手で持ってきてくれるのがお見事。
こぼさず運べてなおかつ濃厚な1杯を平らげる元気な従業員なら、店名のとおり長寿を保ち続けられそうな気がしなくもありません。
こってり一辺倒に感じないのは、醤油と煮干しがガツンと効いてて独特の酸味も楽しめるから。
前回のラーメン記事でお届けした「マルタマ」のスープを晴天とするなら「長寿軒」のそれはまさに曇天と形容できるでしょう。
昨今流行りの煮干し中華そばとは異なる、古くから受け継がれてきた貫禄の味わい。
「マルタマ」と車で10分程度しか離れていないにも関わらず、なのにここまで違うのかと、ご当地ラーメンの面白さや奥深さなんかも噛み締めつつ、ズビビビ醤油っ気の強いつゆをいただきます。
角が立ちつるんとした舌触りの中細ストレート麺をズビビビアッチ!
+100円でチャーシュー5枚乗せにパワーアップって素直に嬉しい。
ナルトじゃなくてお麸トッピングなのもこの地方ならでは。
思わず「ふふふ」とダジャレを言いたくなるくらいにスープの旨みが染み込みまくっておりまして、個人的にチャーシュー以上にこの麸を増やしてみたい気分。
晴れ渡る空のように、キレイに完食!
発汗で失った体内の水分を補うように、食後の水がめっぽううまい。
真夏にいただいてもイケてるんだから、しばれる厳寒の真冬なら熱燗以上に身に沁みる、そんなご馳走になるんじゃないかと思います。