- 2015/11/23:更新
- 2014/09/08:初公開
老舗には少なからずその店ならではの看板メニューなるものが存在しますが、1984年(昭和59年)創業の東十条「東京ラーメン マリオン」の名物はにぎり、それも常連を中心に大半のお客さんが注文する売切必至の大人気商品。
まあ上の写真やらタイトルでネタバレ感満載、にぎりなだけに“ネタ”バレプププ…という軽い気持ちでありりんすが、ラーメン屋でいただくこだわりにぎり他、最後までどうぞお楽しみ下さい。
0.目次&関連記事
1.今年で創業30年の老舗「東京ラーメン マリオン」
JR京浜東北線東十条駅北口徒歩3分
何というか、仕事帰りとかにちょっと一息入れたくなるほのぼのとした外観。
近くには先日紹介した「みのや」と「燦燦斗」がありますし、他にもせんべろ(※1,000円でべろべろに酔えそうな酒場の俗称)なお店だとかが軒を連ねており、いい意味で罪深き街と言えます。
ちょうちんの灯り、風でゆらめく暖色光、何だかほっとしますね。
いわゆる“街のラーメン屋さん”という雰囲気全開ではありますが、
東京會舘で料理人として腕を磨いた後に1984年に独立開業という経緯が。
当時の東京では札幌味噌ラーメンだ九州豚骨ラーメンが幅を利かせており、それらに負けないように、同年誕生した有楽町マリオン(有楽町センタービル)にあやかって「東京ラーメン マリオン」と名乗ったそう。
今でこそ他業種からの乗り換え、独学&修行経験なしで開業するケースも珍しくないですが、30年前にやってのけるって結構な決断だったかと思われます。
2.森伊蔵や魔王などのプレミア焼酎やこだわりの酒類が楽しめる、実は只者じゃないラーメン専門店
U字型カウンター10数席でいただく本格芋焼酎
外観に沿うように内装も“街の~”を彷彿とさせる感じですが、
座り心地良好なチェアタイプの椅子、壁にズラリと貼られた芋焼酎を中心とした一升瓶ラベルが物語るように、
飲み物メニューの大半が本格焼酎というステキ仕様。
焼酎が飲めるラーメン屋は少なくないものの、大量生産可能な甲類だったりかろうじて麦・芋などとぼかしているケースが目についちゃうんですが、ここまでハッキリと銘柄を記載されると困惑しないで済みますね。逆に何飲もうか困惑しちゃうという展開に突入といいますか、
さらには限定お勧め酒のコーナーや日本酒もなかなか豊富で、
今回は芋焼酎の宝山芋麹全量(600円)をロックでチビチビと。
注ぎっぷりもケチケチしておらず、氷分を除いたとしてもグラスの直径が一回り大きいから飲み水とほぼ同量、少なくとも30mlとか45mlなんてもんじゃなく推定ダブルロック以上、飲まなくても嬉しくてつい目がトロントロンだ。
ぷっくりとした枝豆(330円)で塩気と甘みを感じつつ、
3.ほぼすべてのお客さんがオーダーするという名物のチャーシューにぎり
合言葉は「にぎり」、テイクアウトも可能
チャーシューの炊き込みご飯の上にブランド葱の千住葱、フタをするようにバラ肉チャーシューがネタとして乗っかる「マリオン」オリジナルの特製にぎり。
にぎりは3個からの注文が可能で持ち帰りにも対応しており、
男女問わず、居合わせたお客さんが開口一番に「にぎり」とコールする光景に「ああ、ホントにヒット商品なんだ」とちょっと感動すら覚えました。
大きな塊で仕入れ店で切り分ける豚肉のジューシーな脂身がおいしいにぎり。
一口チャーシューご飯だとかの方が聞こえはいいんでしょうが、そこをあえて“にぎり”と称し、ワサビとガリの代わりに刻みネギとキュウリ漬けを添える心意気、何とも粋なサイドメニューじゃないですか。
簡単に瓦解してしまうほどにふんわりと、口に運べばチャーシューのトロッ、炊き込みご飯のフワッ、歯が噛み合わさった瞬間の心地良い一体感。初めて口にしたハズなのに初めてじゃない妙な親近感、素朴ながらもトロにぎりってマグロだけじゃないんだと実感させてくれます。
にぎりはにぎりでも、肉のにぎりをテイクアウトって何か面白いですよね。
千鳥足で寿司折りを持ち帰るお父さん、それ何て絶滅危惧種と言える昨今ではありますが、もし中身がこんなにぎりだったら玄関でカンカンなオカンの心もいくらか和らいだかもしれません。
4.東十条「マリオン」の醤油ラーメン&半チャーハン
魚介ベースの黒いヤツ!そしてそんなスープに負けず劣らずこれまた黒くて香ばしいパラパラタイプのチャーハン
チャーシュー、メンマ、ネギに海苔、やや粗めの背脂が浮かぶ醤油ラーメン。
全体を愛でた後にレンゲでズズズアッチ…愛が重いよ、続けて中細縮れ麺をズビビンズビビン、こう無性に麺をスープに浸して持ち上げフーフーしたくなる。
油膜で想像以上にアツアツではあるものの、万人受けしそうなオーソドックスな仕上がり。まず魚介が主張した後にどっしりと脇を固めるかのような動物系ダシ、それらを束ねるようにキリッとしたカエシのハーモニー。
ナイスなにぎりを出すんだから、米とチャーシューを炒めたらもっとナイスに違いないと思って頼んだ半チャーハン、結果的に大ナイス!大ナイスて
全体的にブラックテイストの半チャンラーメンの完成です。
黒いといえば京都・新福菜館のラーメン&チャーハンがつとに有名ですが、こちらもなかなかの黒さ。でも過剰なしょっぱさとは無縁なのでご安心を。
にぎりとラーメンでチャーシューがダブってしまったというのにチャーハンでトリプっておれの心もどこかへトリップ。
今宵は十五夜、中秋の名月。皆さんがお月見を楽しんでいる間におれの心は月にトリップ、ムーンプリズムパワーメイクアップ…って、これ以上アレなことをのたまうとかつて熱海で行方不明になって3日後に小田原で発見された我修院達也さん(発見時:若人あきら)ばりの改名が迫られるかもしれませんね。I'm Masaemonのままでいたい。
… … …
…といった具合に、ラーメン&にぎり3個と半チャーハンに枝豆、焼酎、さらには持ち帰りにぎりしちゃうくらいに随分と呑み喰いしてしまいましたが、にぎりが名物と知って足を運んだものの、個人的にアルコール類のラインナップに感心しちゃいました。
こういう店ほど提供時に「ごゆっくりどうぞ」などとかえってプレッシャーを与える一言は添えず、いい意味で放置プレイなのもありがたいですし、今後も何かしらのタイミングでふらり訪れグラスで1杯、〆に麺類1杯をゆっくり堪能しに再訪してみたいと思います。