「市役所食堂のラーメン&カレー」「駅前“すなば”のどデカパンケーキ」「ご当地ラーメンの元祖」に続く鳥取県ネタ第4弾となる今回は、今年で店を構えて66年の老舗喫茶店「ベニ屋」の名物かき氷、それと鳥取カレーの代表格として名を連ねるチキンカツカレーをトトト(ットリ)とご紹介いたします。
鳥取で70年近くの歴史を誇る老舗喫茶「ベニ屋」
JR鳥取駅徒歩5分、鳥取本通商店街の喫茶店
観光客以上に地元の方々が頻繁に利用していることを物語ってそうな外観。
今では1年中かき氷を提供するお店もそう珍しくありませんが、それでも店頭に飾られる小旗を目にすると「今年も暑い夏がやって来たな」と思いますね。
昭和の喫茶店と呼ばずして何と呼ぶ?レトロ感満載の内装。
1948年(昭和23年)に化粧品店利用客の休憩スペースとしてその産声を上げたベニ屋は、現2代目店主が後を継いだ際の建て直し時に内装だとかのデザインも考えられたそう。
2名掛け&4名掛けテーブルの計26席、全面喫煙OKなのが老舗喫茶ならではって感じもしますし、いい意味で肩の力が抜けた雰囲気がたまりません。
数あるメニューの中でも一際目につく“インド”の3文字。
「据え膳食わぬは男の恥」なることわざがあるように、きっと一風変わったメニューも食わぬは男の恥に違いない、実際は「インドなかき氷はあるのにどうしてインドカレーはないのか?」なんて淡々とツッコミを入れつつ頼みましたよ……
「ベニ屋」名物、人気のインドミルクかき氷550円
一見頭が???ってなりますが、
ちょっと引いて俯瞰しつつ、
記載された「ココアと練乳がgood」とまさにその通りで、
改めましてまじまじ眺めて出てきた言葉が「あ…うまそ」なのでした。
どこから手をつけてもココアとミルクにぶつかる仕様。まんべんない。
グビグビ飲むんじゃなくシャクシャクほじって食べるミルクココア。
ストローがスプーンに代わるだけで印象もまた違ってくるというヤツで、口の中で氷がシャク→ミルクココアがじゅんじゅわ~んと染み渡りつつ残す余韻。こんなの、スプーンが止まるワケないじゃないですか。
朝とはいえ夏の到来を覚える気候だったからシャクシャクシャククーン。
シャキール・オニールには申し訳ないですが、このスケールの小さなシャクシャクッぷりもある意味“シャック・アタック”と言えるんじゃないか……だなんてアレなことを考えつつ、的確なパスと指示で確実に点を重ねる名ポイントガードの要領で……って、崩れてこぼした、まあそこらへんがおれらしいのですが、スマートに徹しきれなかったその様として「何の成果も得られませんでした」と号泣報告する調査兵団の残念っぷりを思い浮かべていただければ結構です。
ベニ屋の看板商品であることを裏づけるインドミルクかき氷の紹介文。
いつ頃の内容かな、マスターは随分と年を重ねた感じだったけれども、
受け答えに力みはまったくないんだけど、でもだらしないとかじゃなくいくらかの気品を帯びた、まさにザ・喫茶店のマスターを絵に描いた様子で、上手に時の流れに身を任せてきたんだろうな。
上手といえば、さすがにここまでほじれば残りはもう楽勝。
というかもうこれこそグビグビーッと完食です。
「鵠沼海岸・埜庵」などの気合い入りまくり系とは違いますし、“カレー=インド→カレーが売りのお店のイチ押しかき氷はインド氷だ”という発想から生まれたインドミルクかき氷、次は金時をプラスして堪能してみたいですね。
全国有数のカレールー消費地・鳥取の代表格!「ベニ屋」のチキンカツカレー800円
さすがは鳥取市、さすがは「ベニ屋」、開店からカレーが食べられます。
朝8時のオープンと同時にカレー食べたい口もオープンみたいな。
カレー特有の鼻を刺激するカホリとこんがりキツネ色に仕上がったチキンカツが俄然食欲を刺激します。
鳥取といえばラッキョウが特産品、だからカレーが好まれているのかな?
って思ったんですが、こちらのカレーにラッキョウはなし。
そんなおすすめメニューならぬ“おすすメニュー”は734kcal。
紙ナプキンで包まれたスプーンは鞘に収められた名刀のよう。(言いすぎだ)
コクとスパイシーさを兼ね備えたカレールーは10日間寝かせることで完成。
チキンカレーだからダシがチキンと思いきや、豚骨スープを使用しているとかで、こだわりの自家製ルーは後を引く美味しさ。
見るからに濃厚なルーだからサクッと軽やかなチキンカツがナイス助け舟。
こうやっていっぺんに食べれば、ほら、もう説明不要ですよね。
週に何度も足を運ばれるカレー目当ての常連さん、帰省のタイミングで思い出の味を確かに訪れる方など多くのファンを抱える老舗のカレーは、目新しさよりも素朴さと抱擁に満ちていて、こういう飽きの来ないテイストほど今もこれからもずっと食べ続けられるんだろうなーと実感しました。
ご主人、奥様、息子さんの3名体制で切り盛りされているようですが、これからも鳥取の皆さんの胃袋を満たし続け、鳥取市のカレールー消費量日本一に貢献していただければこれ幸いです。