「どれも濃すぎず辛すぎず いや実にちょうどいい韓国スムニダ!」
さてさて今年もやって参りましたよこの季節が…ということで、本日6月3日(火)発売の週刊SPA!6月10日号に漫画版・孤独のグルメ最新作「有楽町ガード下の韓国料理」編が掲載されました。
今回も独特のゴローちゃん節が炸裂スムニダ。
来月スタートの実写ドラマ版はまさかのSeason4突入と順調すぎるのに対して、原作は「東京都文京区東京大学の赤門とエコノミー編」以来約10ヶ月ぶりの新作掲載とかなりの低空飛行気味…だったワケですが、なんと来週号にも続けて新作掲載=孤独のグルメ初の2週連続掲載となりゃあこっちも独り勝手にやるっきゃないスムニダということで、己【おれ】史上最速の実店舗訪問(通称・聖地巡礼)レポート、どうぞ最後までごゆっくりお楽しみ下さい。
0.目次&関連記事
1.今年で祝連載開始20年!記念すべき舞台は東京・有楽町ガード下に広がるインターナショナルアーケード
思えば1994年掲載の「第1話」も雨の日のアーケードにいましたね。
「焦るんじゃない 俺は腹が減っているだけなんだ」や「ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった」などの記念すべき迷言名言が生まれたあの頃から20年も経てば作風も随分とまろやかになり、ゴローちゃん(※孤独のグルメ主人公・井之頭五郎の愛称)もこの余裕っぷり。
雨宿り&ランチ目的で踏み入った高架下飲み屋街でも落ち着いた足取り。
一方のおれはというと…
店頭でこんなん見せつけられてグラつきそうになりつつも、
くるりと後ろを振り返り、
ゴローちゃんの後を追っかけ、通り挟んで向かいのアーケードをくぐります。
一文字略すだけならナポリタンでよくね?お昼休みはウキウキウォッチング!
新橋でナポリタンでも食べるかと軌道修正する際もこのテンションですよ。
おれなんかが「ナポリン」と口にしようものならブラウザそっ閉じされてもおかしくないレベル(おれだからか?)のNGワードを大衆紙でもさらりとやってのけるあたりは中の人のオヤジ化が進んださすがの現役20年選手と言えましょう。
ゴゴゴゴゴと今にもスタンドが襲ってきそうな場所でもお構いなし。
ついにはナポリタンで一句詠みつつ歩を進めるに至り、
立て続けにもう一句、かと思えばすぐさま才能なしとセルフツッコミ。
書けるなら林先生宛ての紹介状を書いて差し上げたいところですが、意気揚々としつつも結局ゴローちゃんが足を運んだのはナポリタンではなく、
インターナショナルアーケード内の“焼かない”韓国料理屋なのでした。
このインターナショナルなアーケードは、どうインターナショナルかというと、東京オリンピック開催を期して、当時未利用地であったここを、外貨獲得のための外国人観光客向け商店街にしたという風にインターナショナルなようです。
デイリーポータルZ:東京のど真ん中に不思議なダンジョンがある
今年でちょうど50年を迎える1964年の東京オリンピック開催当時はきっと多くの観光客で賑わいを見せたのかもしれませんが、現在では地方のシャッター通りも真っ青になるくらいにシャッターが目立ち、もしかしたら夜はノンシャッターなのかもしれませんが、今後の行方が気になるところではあります。
2.アットホームな雰囲気漂う1999年創業の韓国家庭料理「まだん」
回転率向上か、カウンターには前菜の小鉢が軍隊のように並べられており、
運良くゴローちゃん席が空いていたので着席してメニューを眺めます。
30以上の豊富すぎる「まだん」のランチメニュー。
近くにある「俺のそば GINZA5」と同じく番号で注文する方式。
本来であればアレかなコレかなしばらく思案に暮れたい充実っぷりですが、今回の目的は漫画の再現、それすなわちゴローちゃんが頼んだ物と同じ10番「韓国冷麺+ミニチャーシュー丼」で即決です。
おれは決めたぞ、スイマセーン、10番でファイナルアンサー…
が、作中では冬らしく「寒いのに冷麺」と返されてたじろぐゴローちゃん。
ドヤ顔で男らしく決めたいのに決められない、その代わりに「伝家の宝刀?アームロック」や「アームロックからの投げ技」を敢行するギャップに読者はのぼせるくらいに興奮を覚えるのかもしれませんし、あまりに興奮しすぎて同じグルメ漫画「美味しんぼ」とは違った意味で鼻血を流しているのかもしれませんね。
独り言なのに語尾が“です”
本当に多い前菜(※作中ではレンコンのキンピラ、昆布の煮物、キムチの3品)の味と雰囲気にアタリ、こういう店は貴重ですと判定してからの、
3.「まだん」の韓国冷麺+ミニチャーシュー丼セット
今回ももれなく再現度高すぎワロタな谷口ジロー氏の描画力。
食事途中の前菜すら美味しそうに見せる芸の細かさ、今でも1コマに1日費やすスタイルを貫かれているんでしょうか、人間国宝級の精緻さに漏れ出すため息、
吐き出した息を吸い込むようにズビビンズビビン啜ります。
ズビビンズビビンズビビビビン。
ゴローちゃんも一緒にズビビビビン。
ここ最近になっていよいよ本格的な夏を感じさせる東京の気候でいただく冷麺、アタリどころかホームランと言っても過言じゃないくらいにハマリますね。
少量ながらも後口が爽やかな特製スープだから、
キムチを乗せてもケンカすることなく最後まで美味しく楽しめます。
4.韓国の人なら迷わず潰す生卵をかけていただくチャーシュー丼
お店的にはミニサイズだそうですが、なかなかしっかりとした分量。
このまんまで召し上がっても何ら問題なさそうなビジュアルの丼に、
溶き卵をかけて絡めて
しゃわしゃわからのわしっ!
わおお!
思わず吹き出しそうになったこっちが「わおお」って言いたいよと心の中でツッコミつつも、かつての「うおォン」からの「わおお」と、今回初めて漫画版を手に取るであろう読者の目線を意識したのかもしれないストレートすぎるリアクションに、少なからず時の流れを実感するのでした。
果たして彼は食事中に何回「わおお」と唸ったんでしょうか。
生卵がけを推奨するスタイルだから辛めの味付けかと思いきや、これが優しくおかげさまでキムチとの相性も抜群という、なるほどキムチの量が多めなのはそのままで食べてもいいし麺類や丼物に乗せて食べてもいいってことなんだろうな。
留まることを知らない独身貴族の暴走。
さり気なく飛び出す韓国語。
スムニダ自体が日本語の「です」「ます」にあたる丁寧語の語尾だそうで、要するに国境を飛び越えて「韓国です」と物申したゴローちゃん。
単におちゃらけとも今後まさかのワールドワイドな展開の示唆ともとれてしまう曖昧さではありますが、引き続きファンの1人としてこれからも生温かい視線を送り続けたいと思います。
ラストのコマ、結局ナポリタンでしめるんかーい(棒)
5.【余談】一瞬取り上げられたカムジャラーメンが気になる方へ
ちなみにおれは10番を完食しつつも(※汚いのでモザイク処理済みですが)、
せっかく聖地を訪れたのだから記念に喰っとけと、
カムジャラーメン単品(700円)追加したらしっかりキムチ付きに「わおお」
お店の方はまだ食べるおれを見て「わおお」だったし、ゴローちゃんは卵かけチャーシュー丼で「わおお」と、1回の食事で咆哮とキムチがダブってしまう、そんなある種の神展開なランチタイムに突入するのでした。
一見インスタントラーメンを彷彿とさせる形状のモチモチじゃがいも麺。
ニンジン、タマネギ、シイタケらが彩りと甘みを添えるクッパスープだから、
言わずもがなキムチがドンピシャ、食べながら発電していたと思います。
「まだん」でおれの胃袋にマダンテ決めたったとかって頭ん中ではふざけつつもさすがに喰いすぎなのは自覚済みではありましたが、
それでもきちんと完食です!(※やっぱり汚いのでモザイク処理済み)
昼営業終了近くの訪問だったためにセカセカバクバクといった感じでしたが、土日祝日休みとはいえ、次はマッコリでもたしなみつつゆっくりとした時間を過ごしたいし、誰にも邪魔されず、自由で救われた気持ちになりながら淡々と「わおお」とつぶやき数々の料理に舌鼓を打ちたいもんですね。
6.店舗情報
店名 | 韓国料理 まだん |
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住所 | 東京都千代田区内幸町1-7-24 西銀座JRセンター内47号(地図) |
電話番号 | 03-3580-8633 |
営業時間 | 11:00~14:00、17:00~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
最寄駅 | 内幸町駅、有楽町駅、銀座駅、日比谷駅、新橋駅 |