2017/06/28:本文・写真など大幅に更新
“ラーメンの最高峰”と聞いて直感的に思い浮かべるもの。
それは味もさることながら、普通のラーメン店ではまず扱わないような高級食材をふんだんに使用し、手間ひま惜しまず長時間かけて完成する1杯……などとしたためればまあ間違いではないでしょう。
そして今回紹介するのは、ラーメンはラーメンでも“普通ラーメンの最高峰”を追求する名店・御茶ノ水「大至(だいし)」の1杯!
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「“普通ラーメンの最高峰”?それって“ラーメンの最高峰”と変わりないんじゃないの?」って疑問を抱かれた方は、今回の記事をご覧いただき、少しでも気になったら是非行って確かめてみてください!
2007年創業で祝10周年!先週6月22日にリニューアルオープンしたばかりのラーメン専門店「大至」
夜はピカーとライトアップされる看板。
広々とした歩道は、行列が発生してもひと安心。
JR御茶ノ水駅徒歩5分。蔵前橋通り沿いに店を構えており、御茶ノ水駅からだと坂を下る形でたどり着けるのでおすすめ。
若干遠いですが、末広町・湯島・本郷三丁目各駅からも歩けます。
ポケストップにもなっているので、ポケモントレーナーの皆さんは“おいしい”ラーメンもゲットだぜ!
申し訳ありません。本日昼の部、スープ切れの為閉店しました。
夜の部は約60杯分の用意です。早仕舞いの可能性もあります。申し訳ありません。
再スタートで予想をはるかに上回る御来客数です。仕込みが追いつかず申し訳ありません。
…ただ、しばらくはレアポケモンばりにゲットするのが難しいかも。
2016年4月下旬、ビル自体の建て替えに伴い一時閉店。約1年2ヶ月後の今月22日に見事同地での再開を果たした「大至」には、復活の1杯にありつこうと連日多くのお客さんが訪れているご様子。
「並び上等!」の気持ちで昼時真っ只中に行ったら案の定並ぶことになった下等なおれです。
オペレーションが整えばピークタイムを外しての訪問も可能なんでしょうが、もう少しの間は売切れ早仕舞いが続きそうなので、昼夜営業ともに開店早々足を運ぶのがベター。
ズバリ、“普通ラーメンの最高峰”とは?
流行を追わず奇をてらわず
至って質朴なラーメンを
至極真摯に手間掛け作るラーメン大至
食材に頼り過ぎることなく、従来の製法を1つ1つ見直し、手間ひまかかろうとも最良と考えられる手法を取り入れる。
ただ、素朴の範疇を逸脱しないと決めているから、一見何の変哲もない見た目なんだけど、その実“ただの普通”という言葉では到底片付けられないハイクオリティな1杯が紡ぎ出されるというワケですね。
多くのラーメン店がしのぎを削る東京であえて「流行を追わない!奇をてらわない!」と宣言し、それでいて“普通の最高峰”を突き詰めるストイックな姿勢は非常に好感が持てます。
昼は券売機の前金制・夜は口頭注文の後金制を採用
昼営業時は出入口左手すぐの券売機で食券を購入。
再開したばかりだからメニュー数を絞っての営業。
空白となっている箇所にはいずれワンタンメンやら担々麺やら限定物が入ると思うので楽しみに待ちましょう。
麺少なめだと50円引きかミニサラダサービス、ライスは大盛無料。
夜はラーメンメニューに加えて小丼・おつまみ・アルコール類も楽しめるから、券売機でいちいち食券を買わなくて済む口頭注文の後会計制でございます。
券売機真向かいに待合席を用意。呼ばれるまで座って待ちます。
復活して間もないから今後どうなるかは分かりませんが、待合スペースを設けたことにより、以前のややいびつなカウンター席がキレイにまっすぐな2列となっており、席数も20席→15席に減少。
好きな雑誌や新聞を手に取って席に着けるサービスは継続。
卓上調味料は胡椒とお酢。
お酢に関してはフタに「お酢と出ます」とポツリと一言記されていて、この調味料が何なのかの説明とダジャレを兼ねているんですが、そういう細かいところや前述した刊行物の持ち込みサービス、店内BGMがラジオなところとか、何から何まで新しく生まれ変わったんじゃなくこれまでのスタイルをいい意味で踏襲するんだって気概すら感じられるから、長年のファンも新しくファンになる方々どちらにも優しいぞって個人的に思いました。
紙ナプキンや冷水ポットが近距離配置なのも地味にありがたく。
懐かしくも新しい、何より“おいしい”「大至」の醤油ラーメン
チャーシュー・メンマ・海苔・青菜・ナルト・刻みネギ・トドメのゆで卵半個。
味玉ではなくゆで卵なのがポイント高し!
ついトドメと表現してしまいましたが、いわゆる昔ながらの醤油ラーメンに乗って来たであろうトッピングをフルで取り入れており、この7種の具材がぜーんぶ乗るって、ポーカーで言うところのロイヤルストレートフラッシュなのですよ!(あくまで個人的にだけど)
ラーメンランチだとキムチ付きでさらに増える!
ナルトのうずまき、丼縁のうずまきがまたね、おっさん(おばさん)ホイホイに他なりません。
で、これは知っている方だけに発信しますが……
東海林さだお氏著「ラーメン大好き!!」で俳句仲間の無斎先生と繰り広げるラーメン談義に登場する1杯に相当近い構成なので、ファンの方々は思う存分あーだこーだ議論を交わしてみるのも面白いかと。
故・伊丹十三監督の名作映画「タンポポ」冒頭でもおなじみのアレですよアレ…って、知っている方も相当少ないご時世なのでアレではなくレアか。
で、スープ!
丸鶏・豚骨・エビ・ホタテなどの動物系&魚介系や野菜を用いた透明度高めのスープ。透明度が高いということは、濁らないようにコトコト弱火で煮込んでダシを取っている!
ワケではなく、むしろガンガン強火で炊き出し白濁した状態に鶏胸肉を入れて澄ます中華の手法を応用しているから、見た目とは裏腹にコクや旨みがビシッと感じ取れます。
麺!
並盛150g、大盛は1.5倍の225gと多め。
ズルズルなんかじゃ物足りねえ、ズビズバシュビドゥバズビビンズビビンとでも啜り倒したくなる中太ストレート麺は、老舗製麺所の浅草開化楼謹製。
フレンチの調理法(コンフィ)で作られた豚チャーシュー。
最初ピンクな色合いを残しつつもしっとりと柔らかく、それでいて弾力すら感じさせ、「ああ、食ってるな。おれ(あたい)、豚肉喰ってる」といった歯応え。
スープに浸してしばし待つことで充分に火も通り、いつものチャーシューの食感でも召し上がれるという、1杯で2度おいしい、むしろ手作りチャーシューの最後の仕上げを任されているかのような優越感に浸れちゃう。
鶏がしっかり効いたスープなだけに特有のオイリーっぽさが口に残りますが、その口直しにもってこいなのが海苔とゆで卵。
海苔は口内の油分をあぶらとり紙のようにサッパリと拭き取ってくれるかのようで、味の付いていないゆで卵は口内をリセットするのに最適。(卵白を使用するとキレイにアク取りができるあの要領)
「ラーメン屋さんの卵と言ったら半熟の味付玉子でしょう」的な考えが主流になりつつある昨今、そんな時代の流れもあるせいか、かえってこのゆで卵がものすごく新鮮に映ります。
…なーんて能書きはガキがたれようってことで、実際は食べるスピードがズビビンズヴィヴィンと加速度的に高まりまくり!
ラーメンランチのライスとキムチ。
最大250gまで無料マシマシのライスにキムチをオン。
シンプルに米と一緒に頬張ってもいいですし、スープや麺に辛味を補うって意味でラーメンに投入しちゃうのもアリですし、何ならチャーシューと一緒にかじってプチ豚キムチとして楽しんでみるのも面白いだろうし、ライスなのに”ザ・箸休め”って感じが好きなんですよね。
最後まで取っておいて雑炊(ぶっこみ飯)で〆るのも当然大アリ!
完食じゃー。
ラーメン1杯の価格が上がるにつれ、厳選素材を使うだのそこらのラーメン店とは異なるレベルの接客を取り入れるだの、店側はもちろん、食べ手となる客側もラーメンに対してシビアに向き合うのが当たり前になりつつあるからこそ、「大至」の存在がすっごくありがたいなって思えるんですよね。
そのうち再販するハズのチャーシューワンタンメンとか求めて夜にだって行きたい!
「肩肘張らなくってもいいんだよ、でもおいしいよ」って耳元でささやかれているようで、“絶品”や“激ウマ”って表現ともちょっと違う、“美味しい”でもなく“おいしい”醤油ラーメン。この機会に体験してみてはいかがでしょうか?
改めて見返しても愛おしい、愛“おいしい”ったらありゃしない。
店舗情報
店名 | ラーメン大至(だいし) |
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住所 | 東京都文京区湯島2-1-2(地図) |
電話番号 | 03-3813-1080 |
営業時間(月~金) | 11:00~15:00、17:00~21:00(L.O.20:45) |
営業時間(土曜日) | 11:00~15:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
支払い | 昼:券売機による前金制 夜:後金制 |
席数 | 15席 |
タバコ | 禁煙 |
最寄駅 | 御茶ノ水駅、末広町駅、湯島駅、本郷三丁目駅 |
駐車場 | パーキングメーターあり |
リンク | ラーメン大至(Facebook) |