己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

【孤独のグルメ】イタリア版「GOURMET」を翻訳したら、やっぱり新時代の幕開けを見た

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QUEL BUON VECCHIO SAPORE ARTIFICIALE DI MELONE!(訳:メロンのその古き良き人工香料!)

うーん、なんかどころか、かなり違う。

約2ヶ月前に「衝撃!フランス版孤独のグルメを翻訳したら新時代の幕開けを見た」なる記事をお届けしましたが、今回はイタリア版と相成ります。
まあタイトルからもお分かりの通り、今回も数々の名言が迷言となる瞬間に立ち会えること請け合いかもなので、いっちょお付き合いいただければ幸いです。

1.翻訳をスタートするその前に

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シンプルなタイトル「GOURMET」…というかJiroて。

こちらがイタリア版孤独のグルメの表紙なんですが、一目見てお分かりのように、なんなんですかね谷口ジロー先生推しなこの感じ。

もうね、黄色にジローの組み合わせはラーメン二郎の専売特許っておれん中では相場が決まってますし、孤独のグルメの主人公が井之頭五郎にちなんでJiroじゃなくGoroにするとかしてくれればいいのになー。

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まるで原作も手がけているかのような扱われっぷり。

昨年フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ章を受賞する等、日本はおろか世界的に有名な漫画家ではあるものの、いくらなんでも原作の久住昌之先生がちょっとかわいそう。

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裏表紙にいたってはJIRO TANIGUCH COLLECTION。

少なからず孤独のグルメという作品に思い入れのある身としては、久住・谷口両氏あっての漫画作品と認識しているので、イタリアンな皆さんはそこのところヨロシクお願いいたします。

さてさて、今回も翻訳ツールは以下の2つを使用します

フランス版翻訳でその翻訳精度のアレっぷりは重々承知いただけたかと思いますが、今回もこれらのツールを使い、前回のフランス版とおんなじ名ゼリフを訳して行きたいと思います。(その方が比較にもなりますしね)

まあ冒頭の「メロンのその古き良き人工香料!」がGoogle翻訳の結果に対し、エキサイト翻訳では「メロンのそのよい古い人工味!」なので、まあどっちもどっちな幕開けです。

2.早くご飯こないかなぁ 焼き肉といったら白い飯だろうが

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MA CHE FINE HA FATTO IL MIO RISO? LA CARNE ALLA BRACE DEVE ESSERE ACCOMPAGNATA DAL RISO BIANCO!

ちなみにイタリア版だと左から右に読み進める関係上、すべてのコマが左右反転するためゴローちゃんの利き腕も髪の分け目とかも全部反対になります。

で、若干キレ気味な反転ゴローが発するこちらのセリフ、まずはGoogle翻訳↓

MA CHE FINE HA FATTO IL MIO RISO? LA CARNE ALLA BRACE DEVE ESSERE ACCOMPAGNATA DAL RISO BIANCO!
FINEしかし、私のライスになりましたか?焼肉は白米を添付しなければならない!

白米を添付て。全然FINEじゃない。
しかも私のライスになりましたか?ってそれはそれで妙な感じはするけれど、焼き肉に白米を添付、今度試してみたいと思います!(単に焼き肉ライス食うだけですが)

で、お次はエキサイト翻訳↓

MA CHE FINE HA FATTO IL MIO RISO? LA CARNE ALLA BRACE DEVE ESSERE ACCOMPAGNATA DAL RISO BIANCO!
終了が私の米を作ったma?火への肉はそうであるに違いありません、伴う、銀シャリから!

惜しいのか惜しくないのか全然分からないけど、まさか銀シャリって言葉が飛び出すとは思わなんだ。
火への肉=焼き肉といい、伴っちゃいけない何かを伴った翻訳結果ですね。

3.スイマセン この「煮込み雑炊」をひとつください

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MI SCUSI... POSSO AVERE LO STUFATO DI RISO E VERDURA?

いつも見ているコマと逆になっただけなのに随分と違和感がありますね。
Google翻訳↓

MI SCUSI... POSSO AVERE LO STUFATO DI RISO E VERDURA?
失礼しました...私はご飯と野菜と一緒にシチューを持つことができますか?

尋ねられてもなー。持てばいいじゃんとしか返せません。
やはり煮込み雑炊って日本独特の言葉をイタリアに輸出する時点でちょっとムリがあるのかもしれません。こちらこそ失礼しました。

お次はエキサイト翻訳↓

MI SCUSI... POSSO AVERE LO STUFATO DI RISO E VERDURA?
mi弁解...私はシチューを食べてもよいですか、、米の、野菜である?

さーてきましたよ、今回も「彼」という名のキーワードが。
やっぱりエキサイトの中の人は今でも彼に欲求不満なのかもしれませんが、しかし日本語版ではクエッションマークがついてないのにこっちだとついてるのってお国柄的なもんなんですかね?

4.持ち帰り!そういうのもあるのか

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ALLORA QUI FANNO ANCHE UN SERVIZIO TAKEAWAY!

翻訳する前から「TAKEAWAY!」って単語が不安要素もいいところなんですが、果たして吉と出るのか凶と出るのか?

これはグーグルとエキサイト、両方一気にご覧いただきましょう。

ALLORA QUI FANNO ANCHE UN SERVIZIO TAKEAWAY!
そこでここでは持ち帰り用のサービスもある!

ALLORA QUI FANNO ANCHE UN SERVIZIO TAKEAWAY!
その後、それらはさらにここでサービス持ち帰りの店を作ります!

はい、どちらもでした。

Google翻訳が「そこで~」って出だしで始まって、おいそこでって何だよって思ったりもしましたが、エキサイト翻訳の「…作ります!」がなんかもう全部持ってってくれた気がします。

5.焦るんじゃない 俺は腹が減っているだけなんだ

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NON DEVO FARMI PRENDERE DAL PANICO. È SOLO CHE HO PROPRIO FAME...

このコマだけ見るととても腹が減っているだけとは思えず、痴漢の1つでもやらかしてんじゃないかと疑ってしまいますが、

NON DEVO FARMI PRENDERE DAL PANICO. È SOLO CHE HO PROPRIO FAME...
私はFARMIをパニックにしていない。私はあなたの名声をお持ちの方だけのこと...

こんな心の声を聞かされようものなら、こっちがパニックになりますよね。
FAMEを名声と直訳するあたりは仕方がないのかなーとは思いつつも…

NON DEVO FARMI PRENDERE DAL PANICO. È SOLO CHE HO PROPRIO FAME...
私は私にパニックを落とさせてはなりません。私が飢えを実際に持っていることは孤独です...

こっちはこっちで、かわいそすぎてパニックになっちゃいますね。

6.うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ

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UAAAH! MI SENTO QUASI COME UNA CENTRALE TERMOELETTRICA!

さーて、勢いよく焼き肉を食べている1シーンですが…

UAAAH! MI SENTO QUASI COME UNA CENTRALE TERMOELETTRICA!
UAAAH!私は、ほぼ中央热电ように感じる!

UAAAH! MI SENTO QUASI COME UNA CENTRALE TERMOELETTRICA!
UAAAH!私がTHERMOELETTRICプラントとしてほとんど感じるmi!

どちらも何かしら感じているようです。危ないですね。
ちなみに「热电」って言葉ですが、日本語で「熱電気」とかって意味の中国語です。なぜに中国語?

7.腹もペコちゃんだし夜食でも食ってひと息つくか

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COMINCIO AD AVER FAME... FORSE DOVREI MANGIARE QUALCOSA, E APPROFITTARNE PER FARE UNA PICCOLA PAUSA.

当然今回もペコちゃんと思しき言葉が見当たらないんだけど…

COMINCIO AD AVER FAME... FORSE DOVREI MANGIARE QUALCOSA, E APPROFITTARNE PER FARE UNA PICCOLA PAUSA.
名声を持ち始める...たぶん私は何かを食べて、短い休憩を取る機会を取るべきである(SHOULD)。

COMINCIO AD AVER FAME... FORSE DOVREI MANGIARE QUALCOSA, E APPROFITTARNE PER FARE UNA PICCOLA PAUSA.
私は飢えを持ち始めます...私は恐らく何かを食べるべきです、またITの小さなブレークを行うアドバンテージをとること

グーグル先生の方は語尾のSHOULDがラップっぽいし、エキサイトの方はアドバンテージだなんて、一体何と戦っているのか小一時間ほど問い詰めたくなる翻訳結果ではありますが、何かを食べるべきなのは分かりました。だからもういいです。

8.ここに並んだ大量のおつまみがすべておかずとして立ち上がってくる

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ASSIEME AL RISO, TUTTI QUESTI STUZZICHINI DIVENTANO UNA PIETANZA.

日本人の場合はおつまみなんかの濃い味付けの物を食べたら米が欲しいって気持ちになりますが、イタリア人の場合はパスタが欲しいとかって言っちゃうんですかね?(なこたないか)

で、結果はこちら↓

ASSIEME AL RISO, TUTTI QUESTI STUZZICHINI DIVENTANO UNA PIETANZA.
TOGETHERご飯と、すべてのこれらのスナックは、DISH BECOME。

ASSIEME AL RISO, TUTTI QUESTI STUZZICHINI DIVENTANO UNA PIETANZA.
米と一緒に、これらのすべてのSTUZZICHINI、DIVENTANO、ディッシュ。

どっちもラップはおろかエセラップの領域にまで達してて、うさんくささがプンプンと立ち上がってきてますね。

9.こういうの好きだなシンプルで ソースの味って男のコだよな

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MI PIACCIONO QUESTI GUSTI SEMPLICI. IL SAPORE DELLA SALSA MI RICORDA QUAND'ERO BAMBINO...

これまたハードルの高い、またしょうもない結果が返ってくると思って翻訳したんですが、これがまた意外なことに…

MI PIACCIONO QUESTI GUSTI SEMPLICI. IL SAPORE DELLA SALSA MI RICORDA QUAND'ERO BAMBINO...
私は、これらの単純な味が好きです。サルサの味は子供の頃を思い出す...

MI PIACCIONO QUESTI GUSTI SEMPLICI. IL SAPORE DELLA SALSA MI RICORDA QUAND'ERO BAMBINO...
彼らが好きなmi、これらのシンプルな味。ソース・ミの味は、私がいつ子どもだったか思い出します...

そんなに悪くない翻訳っぷりに、ちょっと感動しました。
偶然の産物とはいえサルサの味ってなんだか郷愁と言いますか、ソースよりもしっくり来るような気がします。

10.モノを食べる時はね誰にも邪魔されず自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 独りで静かで豊かで…

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QUANDO SI MANGIA È NECESSARIO SENTIRSI A PROPRIO AGIO, SENZA CHE NESSUNO CI DISTURBI! COSì DA POTER GUSTARE IL CIBO DA SOLI, IN TUTTA TRANQUILLITÀ...

さてさて、最後はやっぱりこちらの名言なワケですが、さっきのサルサの味は子供の頃が個人的によかっただけに、ちょっと期待しちゃってもいいんじゃないかと思う次第。
というか翻訳に期待もクソもあったもんじゃないかもですが…

QUANDO SI MANGIA È NECESSARIO SENTIRSI A PROPRIO AGIO, SENZA CHE NESSUNO CI DISTURBI! COSì DA POTER GUSTARE IL CIBO DA SOLI, IN TUTTA TRANQUILLITÀ...
あなたがそこ何の問題もなく、レジャーで感じる必要があります食べるとき!だから我々はすべての静かな、単独で食事を楽しむことができ...

まあ機械翻訳の限界を感じさせつつも、エキサイトに期待したところ、

QUANDO SI MANGIA È NECESSARIO SENTIRSI A PROPRIO AGIO, SENZA CHE NESSUNO CI DISTURBI! COSì DA POTER GUSTARE IL CIBO DA SOLI, IN TUTTA TRANQUILLITÀ...
食物が実際に緩和するために感じるのには誰なしでは、いつ必要でないかは米国を妨害します!単独で味わうことができるために、すべてで食物が鎮まるように...

いい意味で期待を裏切ってくれたエキサイトは、まさにエキサイト以外の何物でもありませんでした。

11.いかがでしたでしょうか?

今から5年前の久住氏ブログによれば、当時10万部売れていたイタリア版孤独のグルメ、果たしてイタリアの方々にはどのように映ったのか少なからず興味はありますね。単に日本食おいしそーだけだったらウケますが。
日本語にもイタリア語にも流暢な方がおりましたら、今回のような機械翻訳に頼らない意訳による検証結果だとか感想を聞かせてもらえると嬉しいです。

…まあそんなこと書きつつ、次回の孤独のグルメ記事ではスペイン版機械翻訳編なるものをお届けしようかなんて考えてたりもしますんで、万一公開の際には懲りずにお付き合いいただければ嬉しいです。

12.出典(作品情報)