【2017/06/11追記】池袋西武屋上リニューアル
2015年4月に「食と緑の空中庭園」としてリニューアル。
とってもシャレオツなスポットになりましたが「かるかや」も青空がおかずなのも健在!詳しくは↑こちらの記事をご覧ください。
以下は改装前となる2008年9月頃の様子を著したものですが、リニューアル後の記事とあわせてお読みいただくときっと楽しみも倍増する、かもしれません。
「そうか…都会のぐしゃぐしゃから逃げたければ、ここに来ればいいんだな」「ここでは青空がおかずだ」
…といった高尚なセリフ満載の名作漫画「孤独のグルメ」。
同作品に登場する実際のお店訪問、通称・聖地巡礼を幾度となく敢行して参りましたが、今回紹介するお店とそれを取り巻く雰囲気もね、何ともまあステキなのですよ。
東京のエアポケット的空間「池袋西武」の屋上。
原作ファンの方々はもちろん、まったく知らなくっても存分にくつろげる都会のオアシス、そんな場所で食べる一風変わったうどんの妙な組み合わせ、さあさあとくとご堪能あれ!
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メシ時に混雑するレストラン街から逃れたくって
この日も行列の絶えないファミレスやらその他の店。
休日昼間のデパートのレストラン街。1度でも利用した方なら分かると思いますが、エレベーターにしろエスカレーターにしろ、人混みをかき分けその階にたどり着くまで一苦労、着いたら着いたでどこもかしこも人、人、人!さらに入店してくつろぐまでもう一苦労と、嫌気さしまくり&できることなら利用したくないものですよねバカヤロー。
まあそうなるよね。
とはいっても、そんな贅沢なことも言ってられないのがここニッポンってワケで、あきらめて並ぶか、主人公・井之頭五郎(以下、ゴローちゃん)のように外の飲食店に足を運ぼうとするか、どうしても2つに1つの選択肢と向き合うことになるんですよねー。
…ただ、もしもあなたが池袋の西武本店にいるなら、
選べる選択肢が2つから3つに増えるのです!
まあそう大したことじゃないのですが、1つ上の階の屋上でもメシを食えるからせっかくのレストラン街までの道のりが無駄足に終わる可能性が低いと、こういうワケでございます。
屋上でゴローちゃんが見たものとは?
ほーんとだ、気持ちいいじゃないか
晴れ渡っ…てないけど、空。
都会の喧騒がウソみたいに思える、広々とした空間。
「ほーんとだ、気持ちいいじゃないか」
主人公の「なーんだ、気持ちいいじゃないか」ってセリフのとおり、地上の雑踏に対して信じられないくらいに快適な世界のお目見えでございます。
東京には高さ自慢の展望台がたくさんあるし、それらに比べたら大した景色じゃないんだろうけど、屋外ならではの開放感や気軽にエレベーターで立ち寄れる距離感が、この場所を唯一無二のオアシスと思わせるのかもしれませんね。(まあ、漫画に登場したから美化し過ぎてるっちゃし過ぎてるんですけど)
お店選びに余年のないゴローちゃん。
で、今回取り上げる「かるかや」以外にも、デパ地下ならぬデパ上(デパート屋上を略してみた)なだけに、カレーにラーメンと種類は様々、みんな好き勝手に食ってはくつろいでます。
それでも、こういったスペースにうどん専門店は珍しいのか、
わーお。
メシ時だとかなりの行列、大行列になるようです。
…おいおい、「ゴローちゃんみたいに混雑したレストラン街が嫌でここに逃げ込んできたんじゃないのか?」って疑問を投げかけずにはいられない光景。
同じ時間帯、他店舗は閑古鳥が鳴いてるのにね。
他店舗もそこそこ並んでいるかと思いきや、どういうワケかこの店だけが大人気なようで、うどんなだけに長い物に巻かれたい方々で日々賑わっているご様子。
40年以上の歴史を誇る讃岐うどん専門店
九州・小倉出身の店主、金子彰さんは、学生時分、東京で食べた讃岐うどんにすっかり魅了され、その店で1年間修業。東京・向島で開業し、1968年に西武百貨店に出店した。すべて手作りで「時間をかけて丁寧に」がモットー。
池袋西武 かるかや | 讃岐うどん遍路 | 四国新聞社
東京にうどん屋は数あれど、本場・香川県は四国新聞のサイトに記事を掲載されたり、テレビでも取り上げられた有名店だそうで、なるほど、だからこの行列なんでしょうかね。
普通の店なら1時間待ちは覚悟の並びっぷりだとしても、屋外のフードコートだから、思ったよりもかなり早い商品の受け取りが可能。(この行列でも10分くらいの待ちでした)
あてにはならないって主人公は言うけれど、
デパ地下にも店を構えており、きちんとそこで手打ちされた麺を使っております。
もちろん玉売りもしているので、家庭でこの味を楽しみたい時はこちらを利用すればOK。
マンガに登場した月見おろしうどん
「孤独のグルメ」の代名詞と言えば、もう説明不要ですね、再現度高すぎな描写の数々。
特にゴローちゃんがいちいち口にする様々な料理のハイクオリティっぷりと言ったらもう、ただ眺めてるだけなのに、「あれ、おれ今これ食ってる?」て時たま錯覚を起こしちゃうほど。まあ「ウマそう」って一言に尽きるワケですね、はい。
不揃いなのが手打ちの証拠。
確かに卵と大根おろしの組み合わせって初耳かも。
最初は普通にズルズル。
次に大根おろしや卵とズルズル、最後に合わせてズルズル。一杯のうどんで色んな味が楽しめるのって、なんかいいですよね。
天気がいいと平日でも500杯は売れるお店なだけに、釜には常にうどんが入っており、そのせいか残念ながらコシがあるとは言えないけれど、この値段だから文句は言えないか。でも寒い冬の日とかにあえて屋外のこの場所ですすったら、たまらないのかもしれない。
たまらなそうな男の図。
ちなみに全商品冷たくすることもできるので、冷やしうどんにしてもらえば、暑い夏でもこれまたたまらない体験ができるかも。
それと平日限定、+50円で麺が2倍の大盛りにできちゃうのも嬉しいサービス。そういうこともあってか、昼メシ時はサラリーマンや学生で賑わうんだって、なるほどねー。
なお、一番人気らしいのがこちらの釜揚げうどん。
つけめんの要領で濃いめのつゆにつけてズルズルとすする感覚。
本来提供にしばしば時間がかかる釜揚げうどんなんだけど、かるかやの場合はそこまで待たずに味わえるし、麺の量もなかなかなので大盛りじゃなくても食べ応え十分です。
他にも平日限定10食、週末限定30食の讃岐うどんもオススメだそうで、さすがに自分が行った昼過ぎにはもう売り切れてましたけど、機会があったらどなたか試してみてください。
まさに都会のエアポケットという形容がぴったり
どこもかしこも人だらけなのに不思議と覚えない閉塞感。
地上よりも空が近いこと、東京を代表する街の1つである池袋、それも駅ビルの屋上とはいえ、ここには来たい人達しか集まらないというのが、そこまで居心地の悪さを感じさせない理由なんでしょうか。
人はたくさんいるけれど、単純に自動車とかの交通騒音は皆無だし、せかせかと畳みかけるように歩く人の群れもないし、くつろいだり談話したりと、皆それぞれやりたいことをやってるから、自分もマイペースに振舞っていいんだって安心感がありますね。
お父さんのように陽気にはしゃぐのもOK。
ぶらぶら散歩したりフランクフルトを食ってもOK!
青空がおかずって言い切ってもOK…ってまだ食うのか?
言っとくけどすごい量だと思うぞ青空は。
そもそも、おろしうどんと釜揚げうどんを平らげたおれには、
…うっぷ。
とてもじゃないけどおかずには見えませんでした。(まあ自業自得なんだがね)
ゴローちゃんが足を運んだサボテン売り場も健在。
もちろんサボテン以外の植物も売ってますし、他にもフィッシュショップや屋内になるけどペットショップなんかもあるので、何もうどんやら食事目当てでなくても気軽に行けちゃいます。
池袋駅の真上だからアクセスも快適、観光とはちょっと違う、古き良き東京の空を感じたい方は是非とも訪れてみてくださいね。