己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

予約しないとまず買えない沖縄「本家 新垣菓子店」の元祖ちんすこう

  • 2016/11/20:更新
  • 2015/04/08:初公開

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ありのままのちんすこう、「本家 新垣菓子店」の元祖ちんすこう。

黒糖、紅芋、パイナップルなど様々なフレーバーが存在するちんすこう。

そっと手渡してもそれだけで「ああ、沖縄に行ってきたんだな」と無言の意思疎通が成立してしまうくらいに大定番の沖縄土産と言えますが、銘菓誕生から約200年の時を経た今もなお手作り&家族経営をかたくなに守り続けるのが、那覇市首里の老舗「本家 新垣菓子店」。

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気軽に食べられるハズのちんすこう。でも「本家 新垣菓子店」の場合は気軽どころか沖縄滞在中に入手できなかったんですよね。

理由は至ってシンプルで、大量生産していないから連日予約分のみで完売してしまい、手に入れるには前もって注文しないといけないレアっぷり。

…ということで、わざわざ沖縄県に出向いて予約だけ済ませて帰宅するというジョジョも奇妙な体験をしたワケですが、今回はそんな「本家 新垣菓子店」の元祖ちんすこうをいっちょ紹介してみたいと思います。

注文後約1週間で届いた「本家 新垣菓子店」の元祖ちんすこう

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住所と電話番号以外は漢字。実に気合いの入った包装紙。

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「本家」と「琉球菓子元祖」の2文字が荘厳な雰囲気を醸し出しております。

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賞味期限は製造日から約3週間。ちんすこうって金楚糕と書くのですね。

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で、包み紙を外すと、まさに金楚糕の名にふさわしい金箱がその姿を露わに。

20個入りまでが袋詰ないし緑箱で、23個入り以上は金箱とのこと。
めでたいし縁起も良いしということで23個入り(金箱)をチョイスしてみましたが、何だかアップル新製品のカラーリングみたいな気がしなくもありません。

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開封すると内容紹介が記された黄色いチラシが目につきます。

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表面。ちんすこう以外に4種類あるお菓子の原材料などを記載。

日常生活でそう発音することのない読み方ばかりですね。

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裏面。新垣家の略史が書き連ねられております。

過去から現在に至るまでの歴史がつらつらと記されておりますが、この「本家 新垣菓子店」が脈々と受け継がれる伝統を今に伝える直系に相当します。

新垣ブランドのちんすこうは、国際通りや那覇空港の売店などでも購入できますが、それらは分家謹製によるもので、直系のちんすこうは基本的に首里の店舗でしか買うことができません。「○○先生の作品が読めるのはジャンプだけ!」って感じに近いでしょうか、いや、まったく近くないですね。

由緒正しき「本家 新垣菓子店」のちんすこう23個入り

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改めまして、どん!

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この先親バカレベルで様々な角度からの写真を公開しますがご了承下さい。

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取り出して何となく並列にしてみました。

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23個入りだから6個単位で並べると1列だけ欠けちゃいます。

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琉球国王・尚氏の家紋「左三つ巴」を無理やり再現してみましたが、

単に姿勢が悪い人の走り方みたいになっちゃったのは日頃の行いの賜物と言えるでしょう。

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ようやく1個手に取りました。

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裏面の原材料は、先のビラ同様、小麦粉、砂糖、ラードのみと潔し。

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これが数多のちんすこうの頂点に君臨するちんすこう、いわばキング・オブ・チンスコウなワケですね。

鼻を近づけてみると、いかにもなお菓子特有の甘さよりも煎餅やそれに付随する別の香ばしいカホリ。例えば炊いた醤油に直接鼻を近づけた時に広がる芳醇な何かが感じられました。ラードがそう思わせるのかな?

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深い意味もなく裏返してからの、

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さらにくるりともう反転。

側面に独特の亀裂が入っているのは元々なのか輸送の都合でそうなってしまったのかは分かりませんが、ビスケットよりもクッキーに近い感触。

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ガヴリ。相変わらず肝心の写真がピンぼけでごめんなさい。

偽りのない材料を家族4人で手作りすることで生まれる素朴なおいしさ。
子供や分かりやすい甘さを好む方には物足りないかもしれませんが、おれにはちょうど良く、また偶然かもしれないけれど、日を追うごとに食感がよりしっとり&よりおいしくなって、口にする度に違った発見があったようにも思います。

いわゆる余計な味のしないタイプの、その気になったらバリバリグシャグシャバキバキゴクンと衝動的に貪ることも、さんぴん茶(ジャスミン茶)片手にじっくりと味わうこともできるだろうし、オシャレとは無縁、ただだからこそ歴史的銘菓としての価値、質実剛健っぷりを肌で感じ取れるんじゃないでしょうか。

少なくとも今後誰かから沖縄土産でこのちんすこうをいただこうものなら、「あなた、分かってますね」と心の中で独り勝手にほくそ笑むことでしょう。

注文は店頭、電話、FAXのいずれかで受付

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ちんすこう以外の商品も注文することができます。

「ネット通販はやらないんですか?」の問いかけに「家族にインターネットを使える人間が1人もいない」という若店主の回答から伺える実直さ。これまでがそうだったように、きっとこれからもずっと「ちんすこうあるところに本家 新垣菓子店あり」と語り継がれて行くんでしょうね。

個数によっては予約なしでも買える、また毎週火曜日&金曜日はリウボウ(沖縄のデパートチェーン)でも限定販売しているとのことですが、それらは運次第の部分がかなり大きいですし、確実に手に入れるならやはり事前予約が賢明と言えるでしょう。

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お店付近にはそこはかとなく甘いカホリが漂っていました。

事前に注文して現地で受け取る場合、もしかしたらできたてを堪能できるんですかね?だとしたら羨まし過ぎる。

そもそも元祖ちんすこうがそんなにレアとは露知らず、訪問初日に「ちんすこう完売」を扉の貼り紙で知り、翌日開店早々に出直しましたがデジャヴがごとく再度完売告知を目にするハメとなり、現地精算したは良いものの本当にブツが届くのか、そもそも存在するのかすら若干不安になった日々もあったけれど、皆様に限ってはそんな二の舞を演じないようにしていただければこれ幸いです。

店舗情報

店名 本家 新垣菓子店
住所 沖縄県那覇市首里赤平町1-3(地図
電話番号 098-884-3413
営業時間(月~金) 10:00~19:00
営業時間(日曜日) 10:00~17:00
定休日 土曜日
最寄駅 儀保駅