2015って冠すと早くも年の瀬な気がしなくもありませんが、年明けです。
明けましておめでとうございます。正衛門です。
新年を迎えてもう数日経っちゃいましたが、2015年といえばおれが本格的にラーメンの食べ歩きを開始して丸20年と皆さんにとってどうでもいい節目の年。
ということで、これまでズビビンズビビン啜り倒してブログ記事にしてきた東京のラーメン屋さんの中から今年も必ず食べてやる&食べてみてよ!なおすすめのお店を己【おれシュラン2015】と称してお届けいたします。
くらえ、ゲート・オブ・バビロンならぬゲート・オブ・トーキョー!
…まあラーメン食べ歩き20周年を独り勝手に記念しての20年ならぬ20選なんですが、皆さんのラーメン食べたい魂に火のひとつでもつけられれば幸いです。
0.目次&関連記事
1.三河島「二代目 にゃがにゃが亭」
飽きのこない味。つまりはこういう1杯なのかもしれません
2015年も必ず食べる、というか食べました。焼き豚わんたんそば。
シンプルなビジュアル。それでもスープをひとくち、ふたくち喉を潤し、覚えたコクと旨みを洗い流すように自家製ピロピロ麺をちゅるりらちゅるりら啜り込めば、ほら違う、確実に違うと。ただただおいしくて思わず笑みがこぼれます。
サイドメニューもしっかり美味しい。今だと本格仕様のチキンカレー飯!
詳しくはこちら
2.牛込柳町「中華そば 葉山」
注文ごとに青竹で打ち入念な手揉みを施す自家製ピロピロ麺
1回の調理で2杯ずつしか作らないのもこだわり。中華そば 並 全のせ。
昨年10月創業とまもないにも関わらずハイレベルな1杯を堪能できる「葉山」。
最大のセールスポイントとも言うべき注文ごとの麺打ち&入念な手揉み作業は一見の価値ありあり。
ジャイアンで言うところのメッタメタのギッタギタにされちゃう麺。
カウンター3席のいずれかに着席できれば目の前でダイナミックな青竹打ちが拝めるので、この店に限ってはテーブルよりもカウンターの方が特等席。
随所に創意工夫が見かけられ、何より店主の笑顔と接客がステキ。これからもどんどん旨くなるんだろうな。
詳しくはこちら
3.王子「中華そば屋 伊藤」
ミシュラン掲載を皮切りに、日本のイトウから世界のイトウへ
本来トッピングにかけるべき費用を麺とスープに注ぎ込んだ1杯。
写真は肉そば大盛りですが、基本となるそばのトッピングは刻みネギのみとシンプル・イズ・ベストを地で行く孤高のラーメン専門店。
チャーシューがなければほぼ麺とスープだけと物足りなさを覚えそうなものの、物足りないどころか煮干し成分がビタビタ効きまくった濃いんだけどしつこくないおつゆをズビビビ、パッツンパッツンと形容される固麺をズビビンズビビンした日にはホントにもうたまりません。
派手な装飾はおろか暖簾も看板もない外観もたまりません。
加えてクローズドキッチンだからヘタすりゃ店主と顔すら合わせることなく食事を終えられるんですが、厨房の奥から聞こえる丹念な湯切り音もストイックな印象に拍車をかけます。
なお、電車の最寄駅から徒歩10分以上と辺鄙なとこまで個性的なんですが、店主の甥が経営する「自家製麺 伊藤 銀座店」は銀座駅徒歩3分と駅近&通し営業で使い勝手もよく、伊藤イズム未体験の方にも優しい1軒と言えます。こちらもミシュラン掲載。
詳しくはこちら
4.東十条「燦燦斗」
1日2時間半のみの営業時間中は常に行列、大行列
“魚介豚骨=こってり濃厚”の既成概念がガラガラ音を立てて崩れ去る1杯。
先に紹介した「中華そば屋 伊藤」同様、こちらも麺を非常に大切に扱っており、カウンター席から拝めるリズミカルな湯切りは実に見事。シャドーボクシングを彷彿とさせる正確かつひたむきな湯切りを経た後に提供される逸品は、何をつけなくても充分美味。
ツヤツヤモッチモチの自家製麺を噛み締めたいなら油そばがおすすめ。
特筆モノのレアチャーシューは追加メニューでしっかり補給しましょう。
詳しくはこちら
5.恵比寿「らーめん山田」
じんわり優しい正統派札幌味噌ラーメンを今に伝える老舗
とんかつラーメンだなんて楽しいメニューも揃えてますが、
ベースとなる麺とスープがしっかりしているから、奇をてらった、ではなく遊び心満載にとらえられちゃう不思議。
不思議といえば半チャーハンでもチャーシューゴロゴロ仕様。
先の「燦燦斗」同様1日の営業時間が2時間半(※11:30~14:00)と狭き門ではありますが、スキあらばどんどこ通い続けて半チャーハンも平らげ、エビス様も驚きの恰幅を身に付けるのだってきっとアリかもしれません。知らんけど。
詳しくはこちら
6.目黒「らーめん田丸」
なぜかちょくちょく足を運びたくなる、素朴なのに唯一の存在
自称・日本一ラーメンを食べた評論家・大崎裕史氏も認める味わい。
ラーメンといえば丼にタレを入れてスープを張って茹でた麺を入れて……が常識ですが、「田丸」の場合はあらかじめ鍋でタレとスープを合わせちゃうスタイルを採用。それもつい最近とかではなく昔からのスタイル。
タレ入りの状態で煮ちゃったら風味だ香りが台無しになってしまいそうですが、なぜか無性に食べたくなるんです。デフォルトでキャベツ入りなのも嬉しい。
詳しくはこちら
7.豪徳寺「中華そば 満来」
消費税増税後も1杯300円!都内最安クラスの醤油ラーメン
これでいいんです、これがいいんです。
街を歩けば美味いラーメンに出くわすこともそう難しくない東京ではありますが、ラーメンがメジャー化するにつれて1杯の価格が高まってきたのもまた事実。それでも豪徳寺「満来」では1杯300円とワンコインでお釣りがくる低価格をキープしており、創業まもない頃に掲げられた「お金のない学生さんでもお腹いっぱい食べられるように」の心遣いが垣間見えます。
詳しくはこちら
8.湯島「ラーメン大至」
普通の最高峰を目指す普通じゃない醤油ラーメン
何も考えずに食べてごらん、何か考えたくなるから。
強火で炊いた白濁スープに鶏胸肉を加えて澄ます中華の技法、フレンチの調理法(コンフィ)で仕上げられたピンク色のチャーシューなど。昔ながらの1杯と思いきや、食べ進めるにつれて思い出の味と一線を画すことに気づいてしまうかもしれません。
詳しくはこちら
9.有楽町「麺屋ひょっとこ」
ラーメンでも中華そばでもなく柳麺。いつでも食べたい匙加減
持ち上げるだけで簡単に崩れるチャーシュー。噛んでホロホロ、おれヘロヘロ。
有楽町駅すぐそばの交通会館地下1階の人気ラーメン店。サッと入ってサッと食べられる手軽さも売りで、行列はできるけど回転も早くランチタイムを有効活用したいサラリーマンを中心に盛況なご様子。
スラムダンクとかの「速い!」ってこんな時に使うのかなーと思える速さ。
年齢不詳なご主人の飄々とした身のこなしをウキウキウォッチングしながらいただくと、まるで仙人飯でも口にしているんじゃないかと錯覚するほどに、従来のラーメンとは異なるアプローチのお吸い物感覚な1杯がステキ。
詳しくはこちら
10.湯島「らーめん天神下大喜」
日本料理店で20年以上研鑽を積んだご主人が振る舞う至高の1杯
つけめんではなく“つけそば”。その名に恥じぬハイクオリティな仕上がり。
国産とカナダ産をブレンドした最高級小麦粉を用いて作られる5種類の自家製麺。そんな麺の美味しさをダイレクトに体感したいならつけそばがおすすめ。そのままでも美味しい細麺とそれに合わせるように仕上げられたつけダレと彩り豊かな各種具材……これ以上の説明は不要ということです。
詳しくはこちら
11.渋谷「アートマサシヤ」
滋味溢れる、心身ともに癒やされる純天然だしラーメン
ラーメンというより蕎麦に近い、酸味の効いた魚介系和風スープ。
他の飲食業と異なり少ない資金で開業できることも相まって独学&無修行の1杯を提供するお店が増えつつありますが、その手のラーメンのひとつの答え、無二の個性を発揮しているのがこちら。
味がすべての風潮根強いラーメン業界において、接客や空間設計にもプロの視点が感じられる点、さすがアパレル業界で名を馳せただけのことはありますね。
詳しくはこちら
12.千駄木「中華そば 神名備」
生きた接客、添加物不使用&漢方薬も取り入れる健康志向な1杯
思わず「ゴゴゴ…」とオノマトペつけたくなるこれ、ただのラーメンなんです。
ラーメンが世間でもてはされるのと同時について回るのが「ラーメンは体に悪い」という認識。一般的なラーメン1杯分の塩分量だ脂質は見過ごせない数値としてのしかかりますが、堅苦しいことは抜きにまあまずは「ユー、神名備に足運んじゃいなよ」と申し上げておきます。
詳しくはこちら
13.雑司が谷「中華そば ターキー」
しみじみ食えばしみじみと。大切にしたい街の中華料理屋さん
今年で創業40年。時代変われどいつでもターキーな中華そば。
昨年4月の消費税増税後に値上げを実施しましたが、それでもラーメン1杯550円。値上げ前は500円で過去20年以上も価格改定を行わなかった営業努力にただただ脱帽。脱帽といえば注文を受けてから皮で包んで焼き上げる餃子をはじめ、手作りにこだわる姿勢も評価に値します。なお、食事中は帽子を脱ぎましょう。
詳しくはこちら
14.東十条「東京ラーメン マリオン」
15.谷中「一寸亭」
世界的に有名な観光スポット・谷中に根付く庶民派中華料理屋
常連客を中心とした客層、谷中探訪でふらり立ち寄りたくなる佇まい。
2009年ミシュラン発行の旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得した谷中は国内外の観光客で賑わう都内で人気の散策エリア。
1番人気はシャキシャキのもやしとトロトロアツアツのあんかけが渾然一体となったモヤシソバなんですが……
そのベースとなっている醤油スープを満喫したいならラーメンがおすすめということで、数回に1回の割合で頼んでます。自然と「こういうのでいいんだよ、こういうので」と発したくなる昔ながらの1杯です。
詳しくはこちら
16.早稲田「メルシー」
始まりは喫茶店。早大関係者御用達の老舗ラーメン店
声高らかに「メルシー(※ありがとう)」と叫びたくなる昔懐かしい1杯。
煮干しがビシリと効き、もやしと鮮やか黄色いコーンのトッピングが食欲をそそるラーメンが400円。BAADじゃなくても君が好きだと叫びたくなるんじゃないでしょうか。(なんだそれ)
天井が早稲田の偏差値くらい高い。
早稲田大学出身者と話すとほぼ確実に話題に上がる(というか上げる)「メルシー」なんですが、おれ自身は模試でE判定を食らった過去がありますので、日本人として生まれ変わったら次こそは颯爽とA判定を勝ち取るなり早大合格を果たしてやろうと思います、何となくね。
必殺、チャーシューメンとポークライスでぶたがダブってしまった!
……まあこんなことを誰よりも真剣にやってのけるからガチで1学年ダブりそうになったんだと述懐します。
詳しくはこちら
17.四谷三丁目「一条流がんこラーメン総本家」
ラーメン史を語る上で欠かせないがんこブランド創業者のお店
これを個性派と呼ばずして何と呼ぶ?しょっぱウマラーメンの代表格。
ラーメンにそれほど詳しくない方でも「窓なし真っ黒な外観・営業しているか否かの判断は店頭に牛骨が吊るされているかいないか」といったお店の存在を耳にしたことはあるんじゃないでしょうか。
そんながんこラーメン創業者・一条安雪氏が元気に切り盛りする最新のお店が四谷三丁目の「一条流がんこラーメン総本家」で、ここでしか味わえない1杯を求めて日々多くのお客さんが集う繁盛ぶり。
総本家は牛の眼が赤い光を放っていたら営業中の証。普通にこわいわ。
提供メニューの変更、売切れ・臨時休業告知の可能性が多々あるため、必ず公式ブログをチェックしてから伺う、ブログがセットメニュー的な役割を果たしており、色んな意味で飽きさせないこと請け合いです。
詳しくはこちら
18.方南町「中華蕎麦 蘭鋳」
身と心にじわじわと響き渡るハイスペックな煮干し醤油ラーメン
金魚の王様“蘭鋳”の名に偽りなし。いつでもどこでも食べたい1杯。
ブログやらTwitterやらFacebookで自身のお店を猛烈アピールするラーメン店主を多々見かけるようになりましたが、「蘭鋳」の場合は公式Twitterのみの活動で、しかも基本的なツイートは完売告知や休暇情報の掲載と実に簡素。
今年で創業6年目を迎える環七通り沿いの名店。
早くも老舗の貫禄を漂わせ、原材料高騰を理由にチャーシューメン系のメニューを値上げではなく廃止、昼営業のみの土曜日は早いと開店1時間ちょっとで売切れ終了するなど、いわゆる拝金主義に染まり切らない点にも風格を覚えます。
2014年最後のラーメンは、ここの大晦日限定のかけそばでした。
昨年末に食べたばっかりなのにもう食べたいものね。そんな「蘭鋳」の今年最初の営業日は1月8日(木)ともう少々先。次回訪問を楽しみに、今か今かと荒い鼻息をアイドリングにでも見立てて心待ちしようと思います。
詳しくはこちら
19.西荻窪「はつね」
20.三田「ラーメン二郎 本店」
何で二郎を食べ続けるかって?そこに二郎があるからさ
後光すら差す(※単に外の逆光)、デカ盛りラーメンの元祖的存在。
昨年は非常に多くの方々に三田本店マニュアル、通称ゲップテキストをお読みいただいたワケですが、まあそこである程度語り尽くしちゃった節もありますし、もはや「二郎」については言葉じゃないと。愛を語るより「二郎」をかわそうと、任侠の盃は酒じゃなく1杯の「二郎」にすべき……とまでは言いませんが、1万字以上書き殴っといてアレですがホントにもう言葉じゃないんですよね!
厚さ5cm近くの肉塊がゴロゴロ鎮座する怒涛のビジュアル。
微妙に切り込みが入っていて、噛み切りやすくするための配慮ともとれますし単にめんどくさくなって勝手に噛み切れよともとれる、オヤジさんが作ると毎度豪快すぎる1杯に立ち会えます。
とある日の三田本店前。最後尾の3名はオール外国人。
二郎マニュアル内で「2020年の東京オリンピックで来日されるであろう数多くの外国人達に『サムライ・ニンジャ・スシ・ジロウ』の新たなるディープインパクトを叩き込むため…」と執筆動機の1つを吐露しておりますが、アレ見て訪れた方々なんですかね、そうだといいな、ワールドワイドに二郎補完計画が進行しているのならステキですよね「日本のラーメン=二郎」と誤った解釈がされないことを切に願うばかりです。
詳しくはこちら
おわりに
「いやぁ、ラーメンって本当にいいもんですね」(水●晴郎風)
今でも新規開店のお店が店名やメニューに“中華そば”と掲げる光景を散見しますが、個人的に“日本そば”と謳ってもいいんじゃないかと考えます。
最もそうなると古来から続く日本蕎麦との関係性はどうなる?などの問題も勃発しますし、例えば英語表記にするなどの打開策はあるんでしょうが、それでもあえて“中華そば”と謳う謙虚さも噛み締めながら、今年もズビビンズビビン啜りまくって行きたいと思います。
今回は「過去に己【おれ】で紹介したお店」という縛りを設けた上での20選となりますが、東京にはまだまだ魅力的なラーメン屋さんがわんさかありますし、こうしてブログ記事を綴っているそばで明日の名店が産声を上げたりしているのかもしれません。しかも東京を離れて全国に視野を広げればそれはもう……。
来年実施するか不明の己【おれシュラン2016】で、今回の20軒を刷新しなきゃならないくらいホントに好き、もう大好きな1杯に巡り会える未来に期待します。
「いやぁ、ラーメンって本当にいいもんですね」