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己【おれ】

多くの「己」が生きる中で「おれ」であること、そんな中二病のような思いから始めました。

【谷中・一寸亭】路地裏歴40年の庶民派中華料理屋名物のモヤシソバ他!その店名、“ちょっと寄ってい”の略に違いない

ラーメン 【中華】餃子・肉まん 【東京】谷根千(谷中・根津・千駄木) レトロ

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流行を追いかけるのは楽しいですが、ふと立ち止まって昔ながらの雰囲気、往年の味わいに舌鼓を打つのも食べ歩きの醍醐味。

今回は都内屈指の人気散策エリアとして名高い谷中の路地裏で40年以上の歴史を誇る庶民派中華料理店「一寸亭(ちょっとてい)」を、ちょっとじゃない品数の料理とともに紹介したいと思います。

1.谷中で40年以上続く庶民派中華料理「一寸亭」

国内外問わず日々多くの観光客で賑わう谷中銀座商店街から1本路地に入ったところにある「一寸亭」

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これでもかなり少なく、土日祝日ともなれば大混雑必至な谷中銀座商店街。

過去に国産牛肉を使ったメンチカツで有名な「肉のすずき」に「肉のサトー」、土日祝日のみ営業の「いか焼き やきや」と激安惣菜専門店「いちふじ」を取り上げて参りましたが、いずれも行列不可避の大人気という繁盛っぷり。

大勢のお客さんで溢れ返るのが好き、あわよくば溶け込んで人類補完計画を遂行したい方々にはなんてことのない光景なのかもしれませんが、そこまで人混みを好まない、人混みに出くわすと大抵の確率で1段高い場所から見下ろしては「見ろ!人がゴミのようだ!」と聞き手もいないのに独り言をつぶやくゴミのような思想のおれからするとちょっと辟易。

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スタコラサッサと。

かつて「どこでもいい、“めし屋”はないのか」に似た感情とともに、半ば逃げ込むように同商店街の一角を曲がった際たまたま発見したのが…

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今回紹介する「一寸亭」なのでした。

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振り返れば奴がいるばりに、振り返れば客がいる活気に満ちた商店街。

散々足を運びまくって今では谷中でおなじみの食事処ってイメージが定着しちゃいましたが、たった1本路地に入るだけでこんなにも落ち着くなんてね、たまにふと「やっぱりいいよな、この佇まい…」だなんて緩んだネジを締め直すようにねじねじと振り返るのです。

2.常時100種類近くのメニューを有する「一寸亭」

一品料理、麺類にご飯物、珍味までどんと来い

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アットホームな店内。許されるのなら小上がりで寝っ転がりたい。

創業当時はカウンター7席のみの小さなお店で、26年前に通りを挟んで斜め向かいの現店舗での営業に。席数もカウンター7席、2名&4名掛けテーブル各1卓、小上がりも3卓(2名1卓+4名2卓)と計23席にパワーアップ。

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オーソドックスな卓上調味料、水じゃなくお茶なのもナイス。

すぐそばの谷中銀座商店街では、大体の店頭にタレントのサインがこれでもかと飾られせっかくの強調が逆に中和されちゃっている感が否めないワケですが、「一寸亭」ではその手のサインが一切飾られていないんですよね。

松嶋菜々子さんの出世作にしてNHK連続テレビ小説「ひまわり」の舞台にもなり、それこそいつ書かれたのか分からない黄ばんだサイン色紙が飾られていてもおかしくないハズなのに、ない。その潔い姿勢、個人的にポイント高しです。

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いわゆるグランドメニュー的な料理の数々。

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定番物から日本酒、中国酒、カクテルもしっかり扱うドリンクメニュー。

他にも期間限定メニューだとかが壁に飾られているので、初めてだと何を頼めばいいか迷ってしまうかもしれませんが、常連さんを中心に人気のメニューであり名物なのがモヤシソバでございやす。

3.客の大半が注文する名物のモヤシソバ800円

シャキシャキのモヤシ、トロッとアツアツの醤油あんかけがたまらない

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一見普通のモヤシソバに見えますが、食感と見た目を考慮し、モヤシソバ専用のモヤシをさり気なく使用するこだわりっぷり。

普段熱い麺類を食べ慣れているおれでもうっかりヤケドしちゃうくらいにアツアツで、アツアツあんかけ対決でここのあんかけ使ったらガチ入院しそうなレベル、いや、あんかけ自体がそもそもそんなもんかもしれないけどね。

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モヤシソバの名の通り、具はたっぷりのモヤシに豚肉とシンプル。

あんかけの下にはアッサリ醤油味のスープが潜んでおり、レンゲで要領よくすくい上げることで味の違いや混ざり合いだとかを感じ取りつつズビビンズビャアッチ!…フーフーしながらむさぼりたい。

なお、あんかけでフタされているのをいいことに可能な限りの接写を試みましたが、レンゲでスープを、箸で麺や具をグググと持ち上げたら案の定曇ってしまった際の写真とともにお送りしております。

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+100円の大盛りは一回り大きい丼にスープもなみなみで食べ応えは充分。

大盛りの場合は麺固めも忘れずにオーダーしておくと、伸びることを気にせず最後までアツアツのまま召し上がれること請け合いです。

4.シンプルかつ存分に昔ながらの昭和テイストを満喫したいなら650円のラーメンがおすすめ

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チャーシュー、メンマ、ナルト、ほうれん草に刻みネギと往年のビジュアル。

懐古趣味や名店オマージュという形でこういうクラシカルな見た目の東京ラーメンを再現して出すお店もあるにはありますが、こちらの場合は長年出し続けてきたワケですからね、安心感や説得力の次元が違います。

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老舗製麺所「浅草開化楼」の気持ちウェービーな中太麺をズビビンズビビン。

たっぷりのスープ、どっしりと構えたどこか男性的な出で立ち。レンゲでズビビビ、いくらかの甘みを帯びたアッサリ鶏ガラスープ、その旨みをしっかり含ませるように持ち上げた麺との絡み合い。シャキッと感を残したほうれん草、味の染みたメンマ、醤油っ気が強くもなかなかジューシーなチャーシュー、モチモチ食感が良好なナルト。…最高だ、実に最高だ。

余談なんですが、「一寸亭」最寄りの東京メトロ千駄木駅から千代田線で2駅先の湯島には大好きなラーメン店の1つ「大至」がありまして、

普通ラーメンの最高峰を目標に掲げ日々おいしい1杯を提供しているんですが、こちらも開化楼の麺を採用。千代田線という1本の麺(無理やり)がつなぐことに、たまたまなんでしょうけど運命に近い何かを感じますね、つい食べ比べたくなりますねってことで余談はおしまい。

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時期的にまもなく終了しちゃう冷やし中華も食欲をそそります。

厳選素材を駆使した飲み切りサイズの上品なタイプも好きだけど、おれにとってラーメンといったらこの手のスタンダードな1杯なんだなーと口にする度に実感するし、サイドメニューで餃子だチャーハンを合わせたくなります。

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ニラがバッチリ効いたパリッジュワッムニュンな焼餃子(530円)。

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チャーシュー、玉子、さらにはナルト入りが嬉しいチャーハン(730円)。

半チャーハン(480円)も半分とはいえしっかり食べさせてくれる分量なので、どちらにするかはお腹の空き具合と相談して決めると良いでしょう。

名所・夕やけだんだんを駆け上がってJR日暮里駅に向かう途中にある「一力」のチャーハンもそういえばナルト入り。坂の上と下で味わうナルト入りチャーハン、ナルト天国に気分はヘヴン。


5.何を頼んでももれなくおいしい「一寸亭」魅惑の品々

レバ炒め(800円)

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素揚げレバーをネギ、ニンニクの甘辛ダレで仕上げ。

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問答無用にオンザライス(スープ・お進行付き)しちゃいたくなりますよね。

半ライス(180円)、ライス(250円)、大ライス(330円)と3種類。とろみ加減の絶妙さは前述のモヤシソバで実証済み。同料金でニラレバ炒め(800円)も用意されておりますが、がっつりダイレクトに堪能したいならレバ炒めでしょう。それにほら、レバ炒めならレバニラかニラレバどっちが正しいかの検証に費やすエネルギーを大口開けてあーんと頬張る方に使えますからね。

豚もつ煮(450円)

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レバーが苦手な方はこちらでホルモン摂取という手もあり。

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中華料理屋でもつ煮、そのギャップが妙なインパクトをもたらしますが、

臭みのないプリプリもつ、豆腐、コンニャク、異なる歯応えを生姜の効いた煮汁が優しくまとめ上げ、当たり前だけどピリリと七味唐辛子がまた合うんだなこれが。スープ感覚で汁までジュルリン飲み干したくなるし飲み干しました。

ソース焼ソバ(800円)

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キャベツ、ニンジン、モヤシにキクラゲまで入っちゃう。

たくましい中太麺とそれに負けないくらい大きめにカットされた野菜類との共演。ミミガーとキュウリのピリ辛和え(450円)でキクラゲにはないサッパリとしたコリコリっぷりを間に挟みつつズヴィヴィンズヴィヴィン舌先フルスイングでいただいちゃいましょう。

オムライス(950円)

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子供以上にお父さん世代が喜びそうなオムライスは中華スープで。

デミグラスソースなにそれ?おいしいの?と言わんばかりの真っ赤なケチャップに中身もしっかり暖色で統一。新橋駅徒歩1分の老舗洋食店「むさしや」のオムライスが好きならまず間違いなくハマることでしょう。


6.この店目当てで谷中というより、ふらり谷中に足を運んだらちょっと立ち寄りたくなる「一寸亭」

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近隣住民だと出前もできるそうで、なにそれうらやましい。

一言で、実直。東京屈指の集客力を誇る谷中銀座商店街の評判をとことん利用することだってできるんでしょうけど、あえてそこに甘んじず、日々自分達ができることを淡々とこなす経営スタイル。観光客だけじゃなく地元客からも愛されているのも納得です。

2代目に当たる息子さん、真面目にテキパキ。おれが初代のお父さんなら安心して店を任せると思いますし、今後も末永く続いて行くことでしょう。
散歩の合間や散策の終着点にふらり訪れたい、“ちょっと”いいお店です。

7.店舗情報

店名 一寸亭
住所 東京都台東区谷中3-11-7(地図
電話番号 03-3823-7990
営業時間 11:30~21:30
定休日 火曜日
最寄駅 日暮里駅、千駄木駅